この世すべての悪を背負う敵を滅ぼせば世界はきれいになる

両党候補は「私がもっと与える」と競争する。公約は良く表現すれば「生活密着型マイクロ政策」であり、選挙運動はインターネットのミームに依存する。脱毛治療の健康保険拡大や「女性家族部廃止」といった7文字の公約からどんな哲学を読めるだろうか。そこに、今の韓国社会に対するどのような診断が含まれているのだろうか。

ポピュリズムそのものだ。とにかく目先の利益を与える。朝三暮四。

ここが素晴らしい

候補らが自身の口からは言い難い、粗悪な巨大叙事が隠されている。「検察と親日派が大韓民国を支配する」とか「文在寅(ムン・ジェイン)政権と586世代が国を滅ぼした」とか。その叙事から導き出される課題は復しゅうだ。私たちが権力を握って相手側を監獄に送れば韓国社会も良くなるという、明快で無知な話だ。

私はきれい、お前はキタナイ。
この素晴らしい理屈で統治を続けてほしい。これこそ理想国家だ。

本当に素晴らしい。

こういうセンスは幼児性があってよろしい。

最終節は日本にも言えることだが


「次の世の中がないので歴史は終わった」という命題は間違いだ。だが、文章を少し書き直せば、依然として有効になると思う。次の世の中を具体的に描くことができない時、歴史は終わると。韓国社会はどうか。

私たちは今混迷している。私たちは望むことが何か分からないためだ。漠然と希望することがあるが、それを感性的なスローガン以上の長くて物静かで現実に合致した論理として解いていくことができない。そこに努力を注がない。だから、このように言うこともできるだろう。私たちは、ただみんながつまらなくなったと。

大きな物語は愛国心かせめて愛郷心、紐帯の下でしか描けないように思うので、これからの時代厳しい。

新しい資本主義はちょっとギャグに近いので…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?