とれたもの、それは
今日もせっせといつものカフェで仕事。
今朝はめずらしく小さい女の子を連れたお母さんが席の近くにやってきた。
お腹が減っているのか「はやくはやく」とメニューを指さしお母さんにオーダーを指示。
お母さんも忙しい。荷物を空いてる席へ置いて、女の子を席へ座らせて、ベビーカーを邪魔にならないように脇へ置いて、テーブルの上の必要のないものを端っこに寄せて、テーブル拭いて(たぶん除菌のため)、女の子の手を拭いて、オーダーしたらやっと自分が座って。
もちろん自分のオーダーはまだ。先に女の子のオーダーを済ませたので、自分の分を決めるべくメニューを眺めている。
だがしかし、今はモーニングタイム。コーヒーを頼むだけにとどまり、パンにつけるバターか、ジャムか、を選ぶだけ。
女の子のお目当てのジュースが運ばれてきた。「いただきます」とお行儀のよい事。
ぷはーーーっと飲み干し(たのかどうかは不明)、何やら話始めた。
みたところ2歳くらいに見えるんだけど、しっかりおしゃべりをしている。どうやら祖父母の家での出来事を話しているらしい。
「じーちゃんが!じーちゃんが!」と言っている。
じいじ、ばあば、は、小さい子からよく聞く単語なんだけど、小さい女の子から「じーちゃん」と聞くのはとても新鮮。やはり祖母のことは、ばーちゃんと言うのだろう・・・。と思っていたら、
「そしたら、ばあばがお茶こぼした」・・・そこは、ばあば、なのね。
彼女のおしゃべりは止まらい。
祖父母の家でちょっとした事件があったらしい。
ばあばがお茶をこぼしたのには理由があったのだそう。
「じーちゃん家でカステラをたべた」のだそう。
「そしたら、じーちゃんの、はぐきがおちた」
『ぶっ。やべっ』(←あたし、思わず珈琲を吹きそうになる)
はぐき・・・おちた?それは大事件じゃない?じーちゃん、血だらけじゃない? でもカステラだよね。
話を要約すると、こんなことがあったらしい。
じーちゃん家で、じーちゃんとばあばと三人で、おやつにカステラを食べたようだ。ばあばがお茶を注いでる間に、じーちゃんが一足先にカステラを口に頬ばった。
もごもごしているな、とみていたら、じーちゃんが口を開けてゴホゴホとせき込んだらしく、そのときに勢いあまって、入れ歯が外れたようで。
テーブルにじーちゃんの入れ歯が落ちてしまった。
それをみた女の子は「じーちゃんの はぐきがおちた!はぐきがとれた!」と大騒ぎ。
はぐきが取れた?落ちた?・・・動揺したのか、ばあばはお茶を注ぎながらじーちゃんを見る。確かに!はぐきがおちている!うぎゃ~といいながら(勝手な想像)お茶をこぼす。
小さい女の子ながら、彼女の話す内容で安易に想像できる一部始終。
正確には【入れ歯】だがな・・・。
彼女は初めて入れ歯を見たのかもしれない。だから はぐき と思ったのかもしれない。そもそも2歳くらいの子が、歯ぐきの事を知っているのかな。入れ歯って何?って感じなのでは。それはさておき、「はぐきがおちた」と言われたばあばは、
何事か!と思ったのだと思う。そりゃ、茶もこぼすよね。
横たわる入れ歯をみて、「なんだ入れ歯じゃない。」と安心したように「やぁだ、おじーさんたら~。」みたない流れになったらしい。
歯ぐき取れた。
入れ歯取れた。
全く違う意味合いになる。
落ち着いて聞けば「入れ歯じゃん!何言ってんの?」って感じなんだけど、とっさの時は「マジか!歯ぐきが!」と思ってしまうのではなかろうか。
うぅ~ん、コントのような出来事。
実におもしろい。
本日の名言
「じーちゃんのはぐきは、口からだすことができるんだよ!すごいね!」
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