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ゲームで培った釣りスキル

 先日、釣りに行ってきた。学生時代の体育の成績は万年5段階で2、進級判定に引っかかるギリギリでアウトドアは趣味などもってのほかだった私が、だ。

 言い出しっぺは夫だった。最近熱心に女子高生が釣りをするアニメを観ているなぁ、と思っていたら自分でも釣りをしてみたいと。
 コロナ禍で商業施設に行くのはまだ怖いが、大自然の中で特に会話もしない釣りならいいんじゃないかと早速出かけることになった。
 夫は大学で魚について専門的に学び、今の職種もそこに近いものではあるが、釣竿を持っているわけではない。自前で用意しても何度使うことになるかわからない……ということから今回は全ての道具を貸してもらえる釣り堀に行こうと話はまとまった。

 ヤマメの養殖を行っていて、初心者でも釣れる! を謳い文句にしている某釣り堀に行く……のはいいのだが、途中から思っていた以上の山道。車がすれ違えない細い道に、ガードレールも街灯も無い山奥。おまけに携帯電話は圏外に。
 そんな中にぽつんと見える古い家、家、家。これが限界集落というものか。完全に推理小説の舞台である。なんか……古くから伝わる歌とかになぞらえて一人ずつ殺されたりするんでしょ……。余所者がひどい目にあっても見て見ぬふりしたりさ……(完全に偏見である)。

 今ここで事故ったら死ぬな……。と思ったが、家に残してきた猫のために死ぬことはできない。車に搭載されている古いカーナビを頼りにえっちらおっちら山道を登った先に、釣り堀はあった。

 ここではヤマメの掴み取りもできるらしい。
 寒かったからやってる人はいなかったけど。

 釣竿と餌、バケツを借りていざ釣るぞ! 釣りはリアルなものはしたことがほぼ無かったが(幼い頃に祖父としたことはある)、ゲームの中ではばんばんやってきたのでね。スキルを見せる時です。
 直近の「風花雪月」「あつまれどうぶつの森」をはじめとして、わりと釣りができるゲームは多い。こちとら5歳の時点で「ゼルダの伝説 夢をみる島」「川のぬし釣り」をプレイし釣りをしていたので魚の動きなど手に取るようにわかるというものである。

 ウキが沈んだら竿を立てて、糸が切れないように引く。夫にそう言われて、ふーんタイミング勝負ってことは風花雪月と一緒ねなるほど……などと思っていた。
 果たして舐めきった私が釣ることができるのか!?

 つ、釣れた〜〜〜!!しかも大漁〜〜〜!!

 ピク、ピク、とウキが動いてばっと沈んだ瞬間に竿を引く……。我ながらこんなに早く飲み込めて釣れたのはゲームのおかげだろうと思う(体はついていけなくて筋肉痛になった)。

 釣り堀でもらった串にヤマメを刺して、炭火で焼く。これってもう「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」に出てきたアレじゃん!!

完全に"そう"

 めちゃくちゃテンションが上がったし、自分で釣った魚を自分で捌いて食べるというのはとても楽しかった。いただきます、ごちそうさまの精神を忘れずに。


 う、う、うまい〜〜〜!!!! 酒を持ってこ〜〜い!!!
 塩振って焼いただけで馬鹿みたいに美味しい。嘘じゃん。これゼルダの世界でもっと体力回復してもいいんじゃない??
 塩気の効いた皮はパリッと、中の身はほくほくで少し甘みも感じられて……。ああ、また食べたい。家で焼くのとは違うんだよね。

 あんまり釣れたもんだから半分はクーラーボックスに入れて持ち帰った。内臓とエラを取ってしまえば時間が経っても臭みが気にならない。

 このとき釣ったヤマメでまたゲーム飯の再現をしようと思う。ビギナーズラックもあったし釣り堀だったからというのもあるが、本当にたくさん釣れた。これがただの川だったり海だったら全然釣れないのだろうけど……。

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