コント:マジック

田畑「いやぁ、遊園地って面白いなぁ、
   アトラクションのお金を別途で払うこと知らなかったから、
   一度もアトラクション乗ってないけども歩いているだけでも
   十分じゃん。おっ、マジックやってるじゃん」
岡本「さぁさぁさぁ、見て見て見て……見てぇぇえええええ!」
田畑「すごい必死じゃん、行ってみようっと」
岡本「さて、この遊園地の花壇、
   美味しそうですよね……あっ、綺麗ですね」
田畑「チューリップ食べるほうの人?」
岡本「この花壇の花を、なんと、ステッキにしました!」
田畑「すごい一瞬でステッキにした!
   綺麗なチューリップが味気無いステッキに変化した!」
岡本「この目の前のお子さんが食べているソフトクリーム、
   美味しそうですね」
田畑「あっ、最初こっちを先に言い始めたかったんだっ」
岡本「これもステッキにします!」
田畑「すごい! バニラソフトクリームが一気に細ステッキに!」
岡本「さらには隣の街灯も! ステッキにします!」
田畑「わぁ! 先端に天使をあしらったオブジェもただの細杖に!」
岡本「すごいでしょう?」
田畑「いや!
   ステッキを花にしたりアイスにしたりしろよ! 弱くするなよ!」
岡本「これだけじゃないんですよぉ……えい!」
田畑「あっ! 子供の持っていた細ステッキが白い紙吹雪になった!」
岡本「すごいでしょう?」
田畑「すみません、これって戻せるんですか?」
岡本「そちらのお客様、良い質問です。集めれば戻ります」
田畑「めっちゃ風で舞ってるぅ~」
岡本「花壇のステッキも! 街灯のステッキも! 全て紙吹雪に!」
田畑「風強ぇ日」
岡本「どうでしょうか、すごいでしょう?」
田畑「いや遊園地が殺風景になった! 戻せよ!」
岡本「そういう時はこちらを出しましょうか」
田畑「鳩だ!
   マジシャンのカツラの中から鳩出てきた! カツラだったんだ!」
岡本「学祭からパクってきてずっと使ってます。
   それでは鳩よ! 紙吹雪を食べなさい!」
田畑「わぁ! 鳩が飛んだ紙吹雪を食べ始めたぁ!」
 鳩「もっと無茶できます」
田畑「ちょっと喋った!」
岡本「では紙吹雪を食べなさい」
田畑「もっと無茶できるのに、やり方継続だぁ」
 鳩「もっと無茶できます」
田畑「紙吹雪食べる度にちょっとデカくなってる! 成長期か!」
岡本「さぁ、鳩よ、私の肩に戻りなさい、
   あっ、ちょっ、デカいっ、重いっ、隣隣」
田畑「遠近法狂い過ぎのマジシャンだ、
   大体分かるだろ、人くらいのデカさになったの」
岡本「鳩よ、吐き出しなさい!」
 鳩「(プゥ~~~~~~)」
田畑「わっ! 屁をこいた! あっ! 紙吹雪出した!」
岡本「これは白い紙吹雪、
   ということはこれが六枚出ればバニラソフトクリームに戻せます」
田畑「嫌だろ! 鳩屁バニラソフトクリーム!」
岡本「(プゥ~~~~~~)」
田畑「マジシャンもこいた!」
岡本「失敬、これは”赤”でした」
田畑「じゃあ心配になるだろ!
   流れからして血だろ! 六枚集めると血になるだろ!」
 鳩「(プゥ~~~~~)」
田畑「また出した! また白だ!」
岡本「連チャンですね、これは確変入りました」
田畑「パチンコかよ! パチンコ用語かよ!」
 鳩「(プゥプゥプゥプゥプゥプゥプゥプゥプゥ)」
田畑「いやもう六枚以上、白を出してるよ! どの白だよ!
   元々飲んでいたと思われるバリウムかよ! 鳩用の!」
岡本「鳩元気だなぁ」
 鳩「もう限界です」
田畑「このタイミングで! タイミング悪っ!」
岡本「でもまあ、こんだけ白ばかりということは、
   私のやった行動はシロということで」
田畑「真っ黒だわ!」

いいなと思ったら応援しよう!

伊藤テル(青西瓜)
頂いたチップは本の購入資金に使わせて頂きます。