日本人は起業意欲が低いって本当? データをもとに確かめてみた
「日本人は起業意欲が低い」「日本人には起業マインドがない」
アメリカのベンチャー環境などと比較して、そのように日本を評価する声をみなさんも耳にしたことがあるのでは無いでしょうか?
この記事ではそのようなステレオタイプなイメージが本当なのか、データに照らして検証してみます。
1.日本の開業率は世界的にも低い
日本人の起業マインドの強さを推し量るため、まずは実際の日本における起業の実態を確認してみましょう。
開業率の国際比較 平成29年中小企業白書より
こちらのグラフは、日本、アメリカ、イギリス、フランスの開業率を比較したものです。
開業率とは、新たに生まれた企業の数が、企業全体の中でどれくらいの割合を占めているかを示す数値。起業環境の活発さを推し量る指標になります。
2001年、2005年、2010年、2015年の数値を比較すると、日本は恒常的に他の3国よりも開業率が低いことに気づきます。
しかし、開業率が低いからといって、それがそのまま日本人の開業意欲の低さを示すとも言えません。そこで続いてこちらのデータもご覧ください。
2.開業に関心を持たない日本人
起業無関心者の割合の推移 平成29年中小企業白書より
中小企業庁が作成した資料によると、日本ではおよそ6〜8割の方が起業に関する関心を持っていないことがわかっています。
これはその他の3国と比べても、かなり低い数値です。
以上、2つのデータだけを見れば、少なくとも現状における日本人の起業意欲は低いと言えそうです。
3.起業コストの高い国、日本
起業する方の数が少なく、起業に対する意欲が低いのは日本人の資質なのでしょうか? それとも他に理由があるのでしょうか?
そこで注目したいのが、日本の起業環境。
世界銀行が2017年に発表したデータによると、世界の起業のしやすさランキングでは、日本は89位と低位にランクインしています。
その背景として、起業の手続きが多い、起業にかかる日数が多い、開業に必要な費用が高い(=所得に占める割合が大きい)ことが挙げられています。
そもそも現在の日本は、起業したい方にとって理想的な環境ではないのかもしれません。
もし起業に適した人がいたとしても、環境がそれを妨げていれば起業する方の数は減りますし、「もっと別な道に進んだほうがいいや」と起業への関心が失われてしまっても不思議ではありません。
4.昔は高かった日本の開業率
日本の開業・廃業率推移 平成23年中小企業白書より
環境が日本の起業状況、起業マインドに影響をしているのなら、今とは環境が違う昔のデータをチェックしてみましょう。
こちらは日本の年ごとの開業率、廃業率の推移を1955年からグラフ化してみたものです。
戦後の復興から高度成長期をピークに、概ね右肩下がりに開業率が低下していることがわかります。
景気、大企業中心の経済など、様々な要因が影響していると推察されますが、少なくとも昔は日本の開業率・起業率は高かったことがわかります。
まとめ:日本人の起業マインドはこれから上がっていく!
さて、ここまでデータを見てきて、日本の開業率は世界的に見ても低位であるものの、それが必ずしも日本人の性質に基づいているわけではない、ということがわかってきました。
日本政府は現在、日本の起業環境を活性化すべく様々な規制を緩和し、支援策も講じています。
また昨今の社会変化で大企業の不安定さが明らかになったり、副業や地方移住などの新しい暮らし・働きのトレンドも生まれています。
このような状況を踏まえると、日本人の起業マインドを抑えていた環境という重しはとれつつあるのかもしれません。
これまでが低位であったということは、これからは上がるだけ! 日本人の企業マインドは今後どんどん上がっていくのではないでしょうか?
あおスタはそんなマインドを持った起業家の後押しをしています。「起業してみたい」「ビジネスを作ってみたいけど何から始めればいいかわからない」、そんな方はぜひあおスタまでご相談にいらしてください!