【言06】「衒う」を書く

2022年9月14日 07:00

あなたは、この言葉を知っていますか？
知らなければ、一緒に覚えましょう。
知っていれば、おさらいしてみてください。

🟩お題

衒う（てらう）

昨日もそうだったが、寺井君がいちいち鼻につく。

彼はとても賢い。そこは認める。

彼自身も、自分は誰よりも学があると思っているようで常に自信満々だ。

ただ、その溢れんばかりの自信が、度々周りにピチャピチャかかる。

かかった「寺井」を毎回、拭き取るのも面倒だが、これがなかなかの粘着質で取りにくいところも余計に腹立たしい。

タロウ君と東大寺の大仏ってでかいよな、実はあの大仏は可動式で10年に1回は立つらしいぜ。と、いつものくだらない話題で談笑していたら、寺井君が入ってきた。

あ、盧舎那仏（るしゃなぶつ）ね。あれは、建立以降、何度も修復されていて、当初につくられた部分はほとんど残ってないから、もし動くとしても、首を振るくらいじゃない？

やっている。衒っていやがる。

そして、言い終わったときの彼の満足気な表情と、私達の反応を期待する姿勢。なんか鼻につく。

しかも、彼の「衒いたい思い」が度を越して、意味がわからないことを言っている。

現存する建立当時の箇所がほとんどないから、動いたとしても首くらいじゃないかと言うのは、一体どう言うことなのか。

ここを詰めると彼のプライドに傷がついて、ウキョー！などと叫び出す恐れもあるので、グッとこらえた。

こんな寺井君は、今日もあちこちで衒っている。