プロ野球を観ることで湧き上がる怒りとの付き合い方
プロ野球を観て怒ることで、インスタントにストレスを発散させている層は確実にいる。特に思考もせずに日常生活での鬱憤を、闇雲に選手や監督にぶつけることを行う人たちだ。その方法は野次であったり、ネット上に罵詈雑言をぶつけることであったり。
ああはなりたくはないね……と、彼ら彼女らを横目で見たのち、自らを振り返る。果たして自分は、野球を観て湧き上がった怒りと、上手に向き合えているだろうか。
私たちファンは、チームで起こっている出来事、選手や監督の中にある感情すべてを見ることができない。監督の采配にしろ、選手のプレーにしろ、自分の目で見られるものから判断するしかない。
試合を観る上で覚えた怒りを、"建設的に処理"しようとしたとする。しかし監督や選手の意図、彼ら自身に起こっていたことすべてを把握することは難しい。大抵の場合、「こういう理由だったのだろう」と憶測して、処理するしかない。
とりあえず憶測して自分を納得させようとしてもなお、疑問が残ることもあるだろう。それを本人たちに届けて、彼らを変えようとしてもほとんど無理だ。
たまに、球団公式Twitterアカウントに、監督への文句をリプライする人がいるが、Twitter担当者が監督にそれを届けるわけがない。本人たちの耳に届いたところで、素人の意見を参考にすることなど無いに等しいだろう(楽天の島内選手は、コンビニで見知らぬおばあちゃんからアドバイスを受けたことが、活躍に繋がったとか繋がってないとか、そんな話もありますが……)。
つまるところ我々ファンは、現実や自分たちの感情からうまく距離を置くことでしか救われないのだ。
野次を飛ばしたり、ネットに罵詈雑言を書いたりすることで怒りはすぐに癒されるかもしれないが、それはしたくない。残された選択肢は、自分をあやつることだ。アンガーマネジメントとして、自分の怒りを点数化するなどのテクニックがあるが、そうやって、自分の感情から意識を離してみる必要があるのかもしれない。
そう、簡単なことではない。プロ野球を観るのも鍛錬が要るのだ。