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【シャニマス】シャニアニ2ndという幸福(感想)

1.はじめに

この記事ではシャニアニ2nd第3章を見終わった感想と、「シャニアニ」というコンテンツがひとまず区切りがついたということで、通しでの感想も書いていこうと思います。

遠慮なくネタバレも含めて書いていきますので閲覧時は注意をお願いします。ではいきましょう。

2.通しの感想

あえてシャニアニ1stから2ndまで通しの感想を先に書かせていただきます。

嬉しい、幸福、楽しい、感謝、感動

これらが混ざった感情です。こんな……凄く丁寧にシャニマスをアニメ化していただいて……本当にありがとうございます。2クール分という長期間での計画をいただいたことも、3Dアニメーションという選択をしていただいたことも……

もう全部ですね。全部本当にありがとうございました。

3.9話:ストレイライト

さて、それではシャニアニ2nd第3章の感想に移ろうと思います。まず9話、enza版のシナリオ「The Straylight」を元にしたストレイライトのストリーですね。

私がとくに感動したのが愛依と冬優子の会話シーン。視線や表情の情報量がすごくて、enza版のあのシーンを見ているって感覚が出てこなかったぐらいでした。

話の流れも愛依に焦点を当てる形でまとまっており、とても気に入っています。


そして……私はちょっとメタ的な視点として、enza版シナリオ「The Straylight」のとある描写を思い出していました。

それは、CGのMVとなったストレイライトのこと。

CGはCG

シャニアニ2ndは12話において集大成のような形でライブパフォーマンスを披露するんですが……

私がそれを見たとき「うわーライブシーンのCGキレイだなー」とかの感想ではなく、純粋に彼女たちのパフォーマンスを見ている、という感覚になっていましたし、感動で涙が流れました。

それはシャニアニのスタッフたちが「彼女たちのものまね」をシャニアニの中で表現するのではなく、「彼女たち」そのものをシャニアニの中で表現してくれたからこそ流れた涙だったのかな?なんてことを考えました。

もちろんダンスだけじゃなく、会話や歩くシーン、黙っているシーンですらも。こだわって制作していただいて……本当にありがとうございます。

4.10話:放クラ

10話は放クラのエピソード。
智代子のプロデュースSSR【かきまぜたら*ミルク】が元となったシナリオでした。このシナリオが採用されて私は凄く嬉しかった。その「嬉しさ」を深堀りしてみます。

【かきまぜたら*ミルク】園田智代子

まず、シャニアニ2ndのテーマの1つとして、自分が(自分たちが)どうなりたいか、何を頑張りたいのかを考えるというものがあると思っています。

そしてそれは、園田智代子というアイドルの一つの着地点として探し続けているものでもありました。

Landing Point編「どんなアイドルになりたい?」

【かきまぜたら*ミルク】はそんな智代子の「新たな一歩」という位置付けのシナリオでした。考えれば考えるほどシャニアニにピッタリで、選んでくれたシャニアニスタッフに感謝したいです。


シャニアニに合わせてシナリオがうまく再構成されていたことも凄く嬉しい点です。

ツアーのパンフレットに掲載されるアイドルのアンケート「どんなアイドルになりたいですか?」それに放クラのみんなが答える形で、智代子が自分の過去と今、そして未来を考える……

シャニアニ2ndのメインとなるストーリーに沿った内容であり、続くイルミネとノクチル(真乃と透)の交流に向けての橋渡し的な役割も持っていたと思います。

カメラマンの真山由佳さんという存在も合わせてストーリーの先が予測し辛かった点も、純粋に視聴者として楽しめたため、良かったですね。


まだあるな……嬉しいところ。
もう少しお付き合いください。


ロッジではカレーをみんなで作って食べて、暖炉を囲んで……「あぁ、これ合宿だ」って思いました。暖炉のシーンはメンバーの悩みにみんなで寄り添う穏やかで優しい夜、という「many screens」の流れを汲むものであったかもしれません。

【五色 爆発!合宿 クライマックス!】より

放クラが大切にしていることを大切にしているシナリオのように私には思えて、そこも嬉しかったですね。


あとは、周囲の人たちの智代子への気遣い。

智代子の様子にいち早く気付いた夏葉とプロデューサーに始まり、元気付けよう!と思ってロッジの探検を提案する果穂とか……彼女が「話そう」って思えるまで、見守っている。そんな雰囲気がとても優しくて、私はすごく好きです。

カメラマンの真山由佳さんがあえて智代子の「静か」な様子を撮影したのも、何か智代子の奥底にある迷いのようなものを感じて、それも含めて智代子だからフィルムに収めてくれたのかもしれません。


そして、放クラのみんながどんなアイドルになりたいを順番に見ていく特殊エンディング。

果穂:ヒーローのようにみんなを笑顔にできるアイドル
樹里:何かを返せるようなアイドル
凛世:全てに心を込められるようなアイドル
夏葉:トップアイドル。放クラのみんなと一緒に

智代子:一緒に夢を叶えていけるアイドル

10話の中で「同じ」っていうことが強調されていました。この「どんなアイドルになりたいか」への今の答え、それぞれ書いてあることは違うけれど、同じなのかもなって思っています。

ヒーローのようにみんなを笑顔にしたいし、何かを返したい。全てに心を込めたいし、一緒にトップアイドルになりたい。そして、友達の夢を叶えたい。一緒に夢を叶えていきたい。
これが全部1つになったユニットこそ、放クラなのかも。

そしてこれは次の11話にも繋がっているように思います。

真乃は……誰か笑顔にしたい。自分が踏み出すきっかけをもらえたから、それを返したい。自分も誰かのきっかけになれたら嬉しい。誰かにちゃんと自分の心を、気持ちを伝えたい。

そして、一緒に頑張りたい。


私はこれを「繋がっているんだ」と感じて凄く心が震えました。……っと、10話だけでずいぶんと長くなってしまいましたね。とにかく、私は10話が凄く嬉しかったです。

5.11話:イルミネ・ノクチル

透のGRAD編がベースとなっている11話。イルミネとノクチルの回でもあります。

鼓動

あらためて透のGRADを……いえ、シャニアニ11話を私の言葉で表そうとしてみます。


赤いジャージ姿で有名人の写真に映り込み、意図せずバズった形で透は世間から注目されていきます。

でも、注目されたのは透自身の美しさやその独特なキャラクター。透としては頑張ってそう「なった」わけじゃない。透からしたら、他の子の方が……たとえば自主練を繰り返し続ける小糸とか、あるいは他のユニット……以前に屋上で言葉を交わした真乃の方が頑張っていると感じていた……


という流れでした。

私の言葉で表現した時点で透の心とは少しズレてしまうとは思いますが、端的に表現するなら透は「生きている」という実感が欲しかった、と思います。

では、「生きている」という実感を得るにはどうしたら良いのでしょうか?どうしたら真乃のようになれるんでしょうか?


でも、別に真乃自身も何を頑張ればいいのか、今自分は本当に頑張れているのかすらも見えているわけではなくて、あえて悪い表現をするなら闇雲に進んでいるに過ぎない。それでも進んでみたら何かが見えることもある。それを真乃は自分なりの言葉で伝えます。

そんな真乃の姿が、透から見て「頑張っている」とか「飛んでいる」ように見えるのなら……

そんなふうに進んでもいいんだって思えたのなら……それが透のきっかけになったのかもしれませんね。


真乃自身もどうしたら他のみんなみたいになれるのかということで悩み、その悩みこそがアイドルという新しい世界へ踏み出すきっかけになったとも言えるので、他人事とは思えないほどに透に共感していたのかもしれません。


ここからは私なりの解釈になりますが、生きる実感を得る最も単純な手段って、生命活動だと思うんです。

歩んだり走ったり、踊ったり歌ったり……そうしたら心臓や筋肉は悲鳴を上げ、息は上がり、汗をかき、のどが渇く。そして水を飲む……

そういえば、シャニアニ1stの1話からそうでした。あるユニットは走り、あるユニットは踊り……そしてのどが乾いて水を飲む。

彼女たちが生きているってことを表現するためにシャニアニが在るのかもしれない。

そんなことを感じたのが11話でした。

6.12話:シャイニーカラーズ

23人での初めてのライブとなる12話。

本番を前に俯いてしまう小糸と、それを見つめる真乃。

周りばかりが凄く見えて、自分がここにいてもいいのかと不安になる……これって、真乃がシャニアニ1stの頃から抱えていた悩みと似ていると思います。

シャニアニ2nd第3話の中で、恋鐘・夏葉・あさひというパフォーマンス重視のユニットにいた灯織も近い感情があったのでしょうか?小糸の気持ちを「わかる気がする」と言います。


そして、真乃が言っていた、おはなしや歌で気持ちを伝えるってこと。「おはなし」が11話だとしたら、「歌」は12話。

そんなイルミネのパフォーマンスは……やっぱり凄かったです。特にこれまでと違うなって感じたのは真乃でした。


これまでもシャニアニの中で真乃が歌うシーンって何度かあったんですが、真乃の表情がこれまでと違って見えて……それが誰かに何かを伝えようっていう彼女の気持ちから来ているものに私は思えました。

表情だけではなく振り付けもメリハリを意識して付けているのかな?と思える部分があり、凄く感動しました。


そして続くノクチル……

私はこの12話を見るときに思ってたんです。シャニアニ2ndの中で、enza版シナリオ「天塵」の舞台の1つである海はまだ描かれていませんでした。つまり、ノクチルの歩んだ先に海があることは示されていませんでした。

だったら……ライブ会場が海になるんじゃないかって。いえ、そうなってほしいって私は願っていました。その願いが最高の形で叶いました。

天塵より

透が走り出して、他のメンバーも走り出して、一瞬の静寂を挟んで「いつだって僕らは」が始まって……

そのパフォーマンスは本当に「生き生き」としていて、とても素晴らしいものでした。あのテレビ番組で口パクをしていたときとは比べ物にならない。初見のとき、イルミネから続くノクチルのパフォーマンスで私の涙腺は完全に崩壊していました。


その後の真乃と透の会話……

真乃にありがとうって伝えるシーン、私はシャニアニ2nd11話とあわせてenza版シナリオ「アジェンダ283」のことを思い出していました。

あぁ、本当にノクチルがシャイニーカラーズの一員になったんだね、まざったんだね。っていう感覚。


そしてついに披露されるシャイニーカラーズ23人での「プリズムフレア」は……いや、もうなんて表現すれば良いのか。23人全員が生きている、が適切でしょうか。

シャニアニ1stから続く全員のダンスモーションが異なるなんてことはもはや当然と言わんばかり。みんながみんならしく、楽しくパフォーマンスをしていて……

シャニアニ2ndのOPとしてのプリズムフレアは、どこか不安げな気持ちも含めた映像と音楽でした。でも、12話のライブシーンとしてのプリズムフレアはOPとは違うものに感じました。

シャニアニ1stからシャニアニ2ndまで、悩みやときには挫折を味わいながらも歩んできて、今がある。その「今」の輝きを見せているから……なのでしょうか。本当に素晴らしかったです。

7.おわりに

では……最後に、シャニアニを通して自分が感じたことをまとめます。

記事のはじめの方で書いたように
嬉しい、幸福、楽しい、感謝、感動
私は今、これらが混ざった感情です。

彼女たちが生きているということを感じると、自分の感情も揺り動かされる。つまり、逆に自分も生きているということを感じる。そんな側面もあるのかもしれません。


アニメーション作品だからこそ、動きそのものに意味があってストーリーがあるように描いてくれたこと、本当に素晴らしかった。

特に12話のダンスシーンは、彼女たちの集大成であり、シャニアニの集大成でもあったと思います。


日本のアニメ業界の開祖とも言える手塚治虫氏。彼の漫画の中に登場する1人のアニメーターが、こんなことを語っていました。

「アニメーターは命を吹き込む仕事」

この言葉を初めて見た当時は、特別に何かを感じていたわけではありませんでした。でも、今は……凄く納得している。

シャニアニ、ありがとう。
彼女たちが生きていることを描いてくれて。

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