永遠に不動なれ

 「王様戦隊キングオージャー」

 いや…すごい、とんでもない最終回3話でしたね…。
 まさか今までの出演者が全集合するとは……。

 こんなに凄い色んな感情になることあるんだぁ…と見終わった後呆然としてしまいました。
 すごい、すごいスケールだった…。

 私は伝説(?)のリタ様アイドル回からキングオージャー、というか特撮ヒーローの世界に入ってきましたので、やはり全話通してのリタ様やゴッカン周囲の成長にはとても感動しました。

 そんなわけで、最終回を終えてのリタ・カニスカの良かったポイントを語りたいと思います。



 ・ずっと一緒、モルフォーニャ
 やはりリタ様を語る上で外せないのがモルフォーニャという人物。
 彼女はいわゆる「側近」ポジションであり、物語が始まる前からリタ・カニスカという人物と共にいた存在になります。
 しかし、正直最初の印象は友人と呼べないような、どことなくギクシャクした関係に見えました。
 そもそもリタが口数が少なく、モルフォーニャに対しても仕事をふるくらいしか会話をしない。モルフォーニャもリタに対してあまり干渉せず、隅でサボりたがっている有様。
 舎弟や執事など、周囲の側近ポジが最初から王に信頼を寄せている中で、この2人はかなり「異質」なコンビでした。

 そんな2人ですが、蓋を開けてみればどのコンビよりも互いのことを大切に思いあっていました。
 リタは生来の無口さもあるのでしょうが、モルフォーニャにゴッカンの王という責務を押し付けてしまうことを恐れていたように見えます。
 罪人だらけの国、休む間もない仕事の嵐、そして民を守るために命を賭して戦わないといけない使命。
 後々明かされますが、モルフォーニャは牢獄産まれの罪人の子であり、両親を救うために鍵開けを習得したような生い立ちです。そんな茨の道を生きてきた人に、穏やかでない未来を押し付けることは優しいリタにはできなかったのでしょう。
 相手が法学校で共に学んできた友人であるなら尚更のこと。
 だからこそ、リタはモルフォーニャに必要以上に関わることをしなかったのだと思います。
 そうやって遠ざけることで、重荷を全て自分で背負うことで、彼女を守っていたのです。

 しかし、モルフォーニャにとってリタのその態度は「自分を信頼していない」証になってしまっていました。
 そもそもの境遇の差や、法学校でも真面目で優秀なリタの姿をずっと見ており、モルフォーニャはリタと自身の間にどうしようもない壁を感じていたのでしょう。
 「罪人の子でもやれるところを見せたい」と語ったことがあるくらいですから、彼女の自己評価はどうやら低そうです。
 リタの態度は彼女から見れば、「頼るに値しない人物」と言われているようなもの。自信を失ったモルフォーニャは、怠惰さを全面に出すことで真面目なリタと距離を取り、己を守るようにしたのでしょう。
 本人だって、振られた仕事をなんだかんだこなす辺りかなり真面目な子なのですが…。


 そうしてお互いに壁を作りあっていた2人。
 ですが、リタが王様戦隊の仲間たちと出会い、世界を守る戦いに身を投じたことで徐々に関係は雪解けていきます。
 
 ギラの言葉に、勇気を出してリタに歩み寄るモルフォーニャ。
 巻き込む恐れを振り切り、モルフォーニャを戦いに連れ出すリタ。
 互いに歩み寄り、信頼し、手を取って、同じ場所に並び立つことで、すれ違っていた2人は唯一無二の「親友」になることができたのでしょう。

 「ずっと一緒」

 リタとモルフォーニャは、この言葉に集約された関係と言えるでしょう。


 私は最初、正直な話モルフォーニャという人物があまり得意ではなかったんです。
 リタ様の実直で真っ直ぐなところが好きになればなるほど、モルの皮肉さや擦れた態度に思うところがありました。
 でも、物語が進んでいくにつれて、むしろモルフォーニャの気持ちがどんどん良く分かってきて、徐々に親近感が湧くようになりました。
 優秀な友人、しかも牢生まれの自分とは違って王に認められるような人の隣にいる辛さ。
 そしてそんな友人は自分に頼ることなく、たった1人で何でもしてしまう。
 認められていない辛さ、拒絶されるかもしれない怖さ、人に歩み寄って傷つくことに恐れて、言葉を交わすことを諦めてしまった。
 それが最初のモルフォーニャだったんだな、と思えました。
 でも彼女は心のどこかでずっとリタとの友情を諦めなかったんだと思います。
 その後押しをしてくれたのが、ギラを筆頭とした新しい出会い。その中でちゃんと言葉を交わすこと、歩み寄る勇気を得たことで、ちゃんと思いをぶつけることができた。
 そうして互いが互いを思い合っていた、友であることがやっと伝わったのだと思います。

 モルフォーニャは、リタが自分に気持ちを曝け出してくれることが何よりも嬉しかったし、それがリタに友として、後継者として、一緒に戦う仲間として認められた何よりの証拠だと感じていたんじゃないかなと思います。
 リタが自分に「ずっと一緒」と言ってくれたことが、自分がリタの隣にいてもいいんだということに繋がっていたんでしょう。

 でも、48話で再びリタはモルフォーニャに何も言わずに避難計画・ゼロを実行しようとしました。
 その時のモルフォーニャの感情は、「聞いてない」という言葉にこれでもかと詰め込まれていましたね。長谷川さんの演技力が凄かった…。
 また自分は何も伝えられなかったこと。ちゃんと仲間になれたと思っていたのは自分だけだったのか、どこまでいっても「守られる」だけで、隣には立てないのか、という悲しみ。裏切られたような怒り。
 
 かつてのモルフォーニャだったらきっと、そこでもう完全に諦めてしまっていたでしょう。
 でも彼女は、自分からリタの手を再び取りに行くことを選びました。それは間違いなく、彼女が成長したから。たくさんの人に会って、リタと言葉を交わして、そしてモルフォーニャ自身も強くなったから。
 再び傷つくことを恐れず、リタの手を意地でも離してやらないことを選んだ姿に、心が震えました。
 こんなにも成長した姿が見れるなんて思いませんでしたし、こんなにも好きになるとは思いませんでした。
 傷だらけのリタを強く抱きしめたモルフォーニャの姿に、いまだにずっと感動が収まらない…。
 



・自分を見せる勇気、頼る勇気
 モルフォーニャとの関係でも度々見られましたが、リタはあまり人に自分を晒すことをしない人物でした。
 とにかくルールに厳格で、言葉も少なく、共に背中を預けて戦う仲間にも義務的で冷たい印象を与えています。
 しかし、本来のリタは人のことを思う、心の優しい人です。
 ただ、モルフォーニャにしたように、己から遠ざけることで大切な人を守ることしか知らなかった。
 
 物語を通して、様々な出会いと戦いの中で、リタは大切な人と「共に戦う」ことができるようになりました。
 己が一方的に守るだけでなく、互いに支え合い、守り合うことができるようになりました。
 もっふんが好き、という自分のパーソナルな部分を曝け出せるほど、他者を信じて他者に自分を任せられるようになりました。

 中立でなければならないという使命に雁字搦めにされていましたが、今では自我を押し倒すくらいには王様戦隊の仲間たちには容赦がなくなった様子。
 人を頼ることは、意外と難しいものです。それができるようになったことは、間違いなく成長でしょう。


・戦いの後で
 最終回では、宇蟲王ダグデドとの戦いに勝利し、世界に平和が訪れた後の様子を少しだけ描写してくれました。
 その時のリタの様子は、初めてリタを見た時よりずっと「人らしい」ものでした。

 国を一つにまとめる際の名付けに結構ノリノリなところ。自分の名前を譲らず、自ら決闘裁判を始めようとする様子は、いい意味で子どもっぽく映りました。
 誰のかは分かりませんが、人の髪を引っ張るくらいには元気にやりあえるようです。

 また、最後には特大もっふんの下で大の字になって眠っている様子が。
 その時、罪人はモルフォーニャが面倒を見ていました。(その中にラクレス夫妻もいました。生きてた…。)

 ゴッカン裁判長リタ・カニスカが、大の字になって眠れるほどに世界は平和になり。

 モルフォーニャに任せて自室で休めるほどにリタは人を信じられるようになりました。


 リタだけでなく、今作の王たちは間違いなく民を守るヒーローでありながら、序盤はまだまだ未熟で我の強い人たちでした。
 仲間と出会い、自分と違う人を知り、その個性を受け入れて、時にぶつかりながらできた友情。
 最後の戦いを終えた6人の背中は、1話とは比べものにならないくらい大きく、頼れるものでした。

 ヒーローも人間で、至らない部分もあるけれど、それを乗り越えて成長する姿も、ヒーローが人間であるからこその感動でした。


 あの療養期間に偶然、この作品に出会わなければ、戦隊レストランにも行かなかったし、超英雄祭にも行かなかったし、Gロッソのショーを見ることもなかった。
 他の戦隊やライダーに興味を持つこともしなかった。
 新しい人生の楽しみを教えてくれたのは、間違いなくこの作品と出会えたからです。

 不思議な巡り合わせに感謝です。

 全ての関係者の方に、素敵な物語を届けてくれてありがとうと言いたい。
 これからも続くキングオージャーの物語を、微力ながら応援しています。



綺麗な感じで語ったところで
以下自我丸出しです。

 カーラス様&イロキ様の王鎧武装本当にありがとうございました!!!
 強くてカッコいい女性が好きなので元々戦隊とかライダーにハマる素質はあったと思うんですよね。休日の朝にあんな時間に起きない自堕落なので、見る機会が全くありませんでした。
 リタ様好きになったきっかけも、あんな可愛い(アイドル回が初視聴なのでツインテだった)のにこんな低音!?!?剣持って戦う!?!?!?!?めちゃめちゃカッコいいじゃん!!!!!!!!のノリで好きになったんですよね。
 そんな自分にカーラス様&イロキ様はそりゃヤバいもヤバいんですけど(元々別話で出てきてるの見てももう好きだった)、そんな…そんなカッコいいとこ見ちゃったらもう好きになっちゃうけど????
 マジカッコいいっす。雛形さんなんであんな黒リップ似合うんでしょうね。

 もちろんガッチャードではりんねちゃんが好きです。映画でボロボロ泣きながら変身シーンを見ていました。変身の理由からなにから全て完璧すぎるのよ…。
 しかもユニコンの声優さんが元々好きなのでそりゃあ、ね!!!
 ガッチャードに関してはスパナ役の方を別の舞台で存じていたのと、その舞台関係の友人がいたのでキングオージャーより前から話だけは聞いてました。
 キングオージャー視聴にあたってTTFCに入ったことでガッチャードも見るようになったんですけど、りんねちゃんがどストライクでびっくりしました。最近はムーンケルベロスが可愛すぎて好きです。お団子ボブ感堪らん。
 ガッチャードも今後どうなるのか…!楽しみですね!!

 そして!新戦隊!爆上戦隊ブンブンジャー!!!
 私にとっては記憶の彼方の幼少期は置いておいて、初めて1話からリアルタイムで見届けていくニチアサなのでかなり楽しみです。
 しかも脚本家さんの有名作品が世代ドンピシャでして…。ポケモンは青春なの…。イナイレもド世代だよ…。しかも聞き覚えのあるゲットだせボイスじゃん…!!!!
 こんなん好きにならないわけがないので楽しみすぎますね。
 キングオージャーが終わっても、私の特撮オタクはむしろ始まったばかりくらいのレベルなので、今後も楽しく続けていきたいと思います!!


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