カグラギ殿について考えてみた

前回、インフルエンザにかかった結果キングオージャーというとんでもない沼にハマった者です、どうも。(インフルは治りました)
ハマりにハマった結果、東映特撮FCに加入し現在おっかけ視聴中でございます。面白すぎる、アツすぎる。

視聴していく中で各王の在り方や国の形などが見えてきたので、その中でも特に一際異彩を放つトウフ国王、カグラギ・ディボウスキさんについて考えてみようと思いました。
まだまだ全て見ているわけではありませんが、もしよければお付き合いください。

1.カグラギさんの在り方
黒枠のハチオージャーことトウフ国王、カグラギさん。個人的に彼の在り方は他の王とはかなり違うと感じました。
というのも、なんというか、想像するヒーロー像とは少し違うのです。キラキラして、まっすぐで、常に正義であろうとする。そんなヒーロー像とは少し違う、正に彼のいう通り「民のために手を汚す」在り方ですよね。
なんというか、純粋な少年少女には彼の正義は伝わるのか…?と思わずにはいられないんですよね。どっちつかずで裏切り者のような立ち位置が多いわけですから。
その分、一緒に見ているお父様お母様方には刺さるものがあるのかな…とも思いました。
彼は「キングオージャーを見ている大人たちに向けて」の一つの王の在り方を提示している人物なのだと私は解釈しました。社会は常に愚直にまっすぐ貫くことだけで生きてはいけない、時に周りに何を思われようと、汚い手を使う必要はある。それが経験としてある大人であればあるほど、カグラギさんの戦い方は気高く見えるのではないでしょうか。


2.どっちつかずでないと守れない理由
さて、カグラギさんのあまりにもどっちつかずなやり方ですが、正直最初は「これ、逆に守れてるのか?」と思いました。
敵を作らないことは大事な戦略ですが、それだからといってあまりにも意思がない。かなり世界を揺るがしたラクレスとも組んでいたと知られたら、場合によってはかなりの非難を受ける場合もあるわけです。それでも彼は最近の方でもまだラクレスと繋がっている様子を見せています。
そこまでする理由って何か?と考えた時に、「トウフ国」のアイデンティティに辿り着きました。

トウフ国、農業の国。豊かな国土で食を司る国。他国にもおそらく食物を提供していることでしょう。
そんなトウフ国、もちろん必要な存在ではあるのですが、他国に比べての重要度が結構低めなんです。

その「食」というアイデンティティ。もちろん生きていく上で必要不可欠ですが、まさか食料自給率がトウフに全頼りしている国は無いでしょう。食文化的にもおそらく各国、多少は自国で食を賄える状況にあるはずです。
その上で他の国のアイデンティティを見ていきます。
まずンコソパ。インターネット、サイバー技術ですね。シュゴッダムにも通信技術があることを見る限り、おそらく他国にも技術を提供しているものだと思われます。通信技術によって各国が即座に連携を取れていることは見て分かるので、これはかなり重要な技術ですね。
次にイシャバーナ。これは医療です。言うまでもなく人類、さらにバグナラクの脅威に晒されているチキューには必須の技術です。イシャバーナの医療技術はトップクラスで重要な場所に位置しています。
そしてゴッカン。法律です。国と国が相対する時にどちらの国にも傾かない法律があるのは大切なことです。更に犯罪者を自国から遠ざけてゴッカンに送ることができるのですから、国の安定にも繋がります。
シュゴッダムに関しては少し特殊な位置付けなのですが、見たところ歴史のある、武力が強い国という印象を受けました。怖いですね。

ここまで見て分かるように、トウフ国以外の国家は基本的に「絶対無くなってはいけない技術」を提供しています。ただしトウフ国の「食」は絶対無くなってはいけない「わけではない」ことになります。娯楽としての食文化を捨て、自国で賄えるなら生きていく上では事足りますからね。
このように、トウフ国は提供技術、アイデンティティの上でどうしても他国より重要度が低くなってしまうわけです。

3.「国土」を守る
そんな農業国のトウフ。カグラギさんがあそこまで必死にどっちつかずになるのにはもう一つ理由があると考えます。それは「国土」です。

先ほども書いた通り、アイデンティティが農業のトウフ国。かなり時間をかけて、丁寧に育てないと美味しい作物は育ちません。
更に、どんなに育ててもその年の気候などの自然的な影響を受け、質が下がってしまうことも普通にある世界でしょう。他国は一度発展させたものが大幅に退化してしまうような技術ではありませんが、トウフは常に安定した美味しい作物を作れるとは限らない状況下に晒されています。
そんな中でのバグナラクの襲撃。もちろん国土、「土」に大幅なダメージを受けることでしょう。そうなれば確実に作物の質は下がります。

そんなギリギリの状況なのに、各国は協調性皆無。どころか同盟は破棄、シュゴッダムはンコソパにバグナラクをけしかけるなど、ドタバタ状態です。
さて、もしここでカグラギさんがどちらかの味方となった場合、どうなってしまうでしょうか。

答えは簡単ですね。どちらにせよ「侵略」されるでしょう。
シュゴッダムに背を向ければもちろんのこと、ラクレスの完全な味方になれば他の3国からの非難は確実です。あの王たちなら助けてくれるかもしれませんが、何が起こるかわかりません。国土、「土」を守らなければならない以上、ただでさえバグナラクだけで危ういのに人まで敵にしている暇はないわけです。

更に、この「国土」を守るというスタンス、カグラギさんが「敵」を作らないだけでなく、絶対の「味方」も作らない理由になってきます。

先ほども言った通り、農業はただでさえ繊細なもの。国土にできるだけ刺激は与えたくないでしょう。
しかし、もし親交の深い国ができた場合、必ず他国の人がトウフに入ってきます。そこに侵略の意味はなくても、文化の違う国の人が入ってきた時に、それが作物に悪影響を与える可能性は多大にあるわけです。
現実でも外来種が在来種を侵略するように、文化の違う国との交わりは自然に影響を与えてしまいます。「今の」トウフを守るためには、他国と仲良くしすぎないことも大事なわけです。



これが私がキングオージャーを見ながらカグラギさんについて感じた違和感と解釈になります。
こうやって王様達の戦い方、在り方を考えられる「行間」のあるキングオージャー、とても面白いです。
現在20話まで追っかけで視聴済となりました。最新話数とともに早めに追いつきたいですね。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
早くシャッフル・キングスが見たいです。リタ様in総長、絶対にカッコよくて好きなので…ドキドキです。


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