ratel mountain works
地方公務員という職業がありながら、自分を含めた5人が猟師として活動しています。
公務員。職種はいろいろありますが、私たちが所属しているのは、かなり世間的にはイメージの良い人のために働く職種です。
でも、所属する私たちが安定を捨てて次の場所で闘おうとしているのか。
理由は5人様々だとは思います。
自分だけの話を、今はさせていただきます。
所属する組織において、出過ぎず、出なさすぎず。
これが、公務職場における最も賢い生き方です。
それが、私が17年かけて見つけた答えです。
生きながら腐りたくない。
死ぬまで生きたい。
そう心の中で叫びながら、酒と女に溺れ自分の20代は終わりを告げました。
30代になり、大好きだった先輩の急逝を経験し、私の腐れは最高潮を迎えました。
そんな折に立ち寄った実家で見つけたのは、小さな頃に貪るように読んだシートン動物記でした。
動物が好きだった私は、全巻を読破し、吉村昭先生の羆嵐を読んで夜眠れなくなりました。
行き詰まった自分が生きれるのは、山なのではないか。自由になれるのではないか。
退職の日に向かって、腐りながら、腐り落ちながら生きていくのは耐えられない。
ならば、誰も気づかない北海道の山の中で、命が燃え上がるような闘いをして死にたい。
生きたい!と願いながら、最期まで闘いたい。
そうして、濁った瞳を抱えたまま、私は狩猟免許と猟銃の所持許可を取得し、単独忍び猟という究極の狩猟方法にのめり込んでいきました。
元号が令和に変わる年、私の山での孤独な闘いは始まったのです。