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SpotLight #11 – 4人組バンド「hardnuts」インタビュー

青学にゆかりのあるアーティストにインタビューを行う「SpotLight」。今回は、2022年結成の4人組バンド・hardnutsのギター/ボーカルであり作詞作曲も手がける上條雄飛さん(文学部3年生)、ベースの坪田さん(総合文化政策学部OB)にオンラインでインタビューを敢行。9/23にCDリリースされた1st Mini Album「meltaway」のお話や、結成のきっかけ、青学での思い出なども伺いました。


hardnuts
2022年結成。
Vo.Gt.上條雄飛さん、Gt. 竹本侑生さん、Ba.坪田さん、
Dr.野中基克さんによる4人組ロックバンド。
2023年9月、1st mini album「meltaway」レコ発がソールドアウト。
リリース作品に1st single「日々を/Abendrot」
2nd single「サンチマンタリスム」がある。


これまでのhardnuts

hardnuts結成のきっかけ

 __現メンバーでバンドを始めたきっかけを教えてください。
 
坪田さん(以下敬称略)「僕と上條が同じサークルなんですけど、僕が上條に声をかけたのがきっかけでやろう、となった気がします。青学なのが上條と僕だけで、ギターの竹本(侑生)に関しては大学の別のサークルで知り合って声をかけました。元は別のドラマーが叩いていたんですけど、メンバーチェンジが何回かあって今はTwitterで募集かけて加入希望が来たドラマーの人と四人でやってます」
 

__坪田さんがオリジナルバンドを組もうと思ったきっかけはなんですか?
 
坪田「ずっとオリジナルはやりたいなと思ってたんですけど、大学卒業してサークルやめちゃうと、僕は曲とかも作れないので楽器を触る機会がすごい減っちゃうと思ったんですよ。それが嫌だったし、せっかく高校からベースをやってるから続けたいなという気持ちもあって組む人をずっと探してたんです。僕がちょうど3年の時に上條が入学してきて、上條がめちゃくちゃいいギターボーカルなので誘いました」
 

__上條さんは誘われたときのことを覚えていらっしゃいますか?
 
上條さん(以下敬称略)「元々そういうバンドは組もうと思っていたので、いいタイミングだしやろうかな、とは思いました」
 

__曲作りは、バンドをやる前からやっていたんですか?
上條「結構昔から曲は作ってて、曲を作っているっていうか、ちまちま一部だけ作ってTwitterとかであげていたのを坪田とかも見ていたと思います」
 
 

青学での思い出

__二人は青学出身ということですが、入っていた軽音サークルとか、そこでの定例ライブなどの思い出をお聞きしたいです。
 
坪田「んー思い出、そうですね。思い出としては、僕が3年生の時の新歓ライブが結構思い出に残っています。コロナ禍で1年ぐらい軽音サークルの活動ができなかったのが、3年生になったときに急に活動再開になって、一気に新入生が入ってくるチャンスだし、1年空いてると新入生側の先入観もないと思うので、気合い入れてライブしたらいっぱい人が入ってくれるんじゃないか、みたいな気持ちで頑張ったのはすごい思い出に残っています。そこで上條とか他の後輩も入ってきて、結構賑やかなサークルになりました」
 
上條「サークルの思い出かぁ。(少し考える)ああでも、去年のAOYAMA ROCK FESTIVAL(青山学院講堂で開催されたライブイベント。ARFが企画)は、ああいうでかいところでやるのが初めてだったので結構印象に残ってます。ちょうど僕と坪田が出ていましたし」

__嬉しいです(笑)。ありがとうございます。

hardnutsの音楽制作

__サークルの定例ライブの時は、オリジナルバンドも(すでに)組んでいたと思いますが、オリジナルバンドで出ていたんですか?

坪田「全部コピーです。オリジナルはサークル活動とは別でやっています。オレと上條がやったやつだと、NUMBER GIRLとハヌマーン、あとなんだっけ、なんかやったよね、」
 
上條「アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)」

坪田「ああそう、アジカンと、toeっていうインストのバンドとか、(コピーは)いっぱいやったけどその辺が結構印象深いっちゃ印象深い。ちょうどそのアジカン、ハヌマーンとかNUMBER GIRLとかは、hardnuts、上條が曲作る上で影響を受けているかなと思います」

__曲に影響を受けるということについてですが、音楽性も影響を受けているし、歌詞に関しても影響を受けているということですか?
 
上條「歌詞はー、あまりその、意味を込めてないです(笑)。10割込めてないっていうとあれなんですけど、この歌詞が良くてこういうのを書きたい、っていうので影響を受けたアーティストはいないです。でも、読んだ本は結構ありますね、僕、日本文学科なんで、結構近代文学を読むんですけど、太宰治とか、印象に残ったフレーズとかから連想して作ったりとかはあります」

__上條さんが作られた曲を受け取ったあと、その曲をどのようにブラッシュアップしていくのでしょうか?
 
坪田「そうですね、ブラッシュアップ、上條が作ってくる曲のデモは9割くらい完成していて、全部の楽器が入った状態で来るので、それを聴いて、おおまかには上條が作ってきた方向性のまま、自分の変えたいように一回変えてみて、他のメンバーに聞いてみて採用されたら採用、されなかったら他を考えるっていう感じです。上條の曲が9割ベースっていう感じです」

 (1st single『日々を/Abendrot』より『Abendrot』MV)

1stミニアルバム『meltaway』について

SNSの力

__ここからは、8月23日に配信リリースされた、ファーストミニアルバム「meltaway」のことについてお話を伺いたいと思います。リリースしてからおよそ2ヶ月、CDリリースからだと1ヶ月ほど経って、環境や皆さんの心持ちになにか変化はありましたか?
 
上條「リリースした時は、6曲入りのミニアルバムというそれなりに長いものを生み出せたっていう点で、最初の一歩みたいな感じのイメージがすごくあって、ようやく踏み出したっていう感じになりました。CDリリースして、HOLIDAY! RECORDSっていうオンラインのCDショップで取り扱っていただいているんですけど、そこのX(旧Twitter)で『meltaway』のアルバムの中に入っているという『サンチマンタリスム』という曲を取り上げていただいて、そのツイートにすごい反響をいただいておりまして、それきっかけで結構人に聞いてもらえるようになった感じがします。曲を作ってる自分としてはすごくうれしいんですけど、自分の中でハードルがすごい上がってる感じはあるので、その期待を超えるものを作れるかっていうのを最近はずっと考えていますね」

坪田「CDはサポートしてるバンドとかで出したことはあるんですけど、自分のバンドでこうやって出すのはそれが初めてだったのですごく嬉しかったです。ライブとかで、全然知らない人が来てくれて、CD買いますとかサブスクで聴いてますとか言われるのでそれが新鮮ですごい嬉しかったですね。さっきのHOLIDAY! RECORDSの話でいうとリスナーが3倍ぐらいになったのかな。500人ぐらいだったんですけど、今月間1500人ぐらいになって」

上條「ね、すごいよね」
 
__すごい伸びですね!
 
坪田「SNSの力ってすごいなと思いました」

上條「知らない人がライブに来るようになったってのがすごく嬉しくて。サークルの知り合いとか頑張って呼んで、その人達に聞いてもらうことはできるんですけど、知らない人が来るって本当にゼロから見つけてもらって来るってことなんで、それはすごい嬉しいです。それがだんだん増えてきてて、聴いてくれる人とかも、Spotifyで、聴いてる人がどこから聴いてるかとか見れるんですけど、デンマークかな?デンマークに27人ぐらいリスナーがいるんです。なんかそういうのすごい良いですよね。海外でちょっとだけ聴いてくれる人がいるってだけでも、曲が羽ばたいていってる感じがしてすごく嬉しいです」

(『サンチマンタリスム』MV)

夏のアルバムにしよう

__「meltaway」のテーマやコンセプトは何ですか?
 
上條「まあ、コンセプトとしては夏のアルバムっていうか夏の音源にしようっていう話をしていたので、まあほとんど夏のイメージですかね。『サンチマンタリスム』だけちょっと違うんですけど」
 
坪田「先にできてたからね」
 
上條「そう、先にできていて。他の5曲にはバンドを組む前に作った曲とかも入ってるんですが、それに関しては夏頃作った曲ばっかりなので、夏の終わりぐらいの感じを出したくて書きました」
 
 
__夏の終わりを意識して制作されたとのことですが、アルバムを通して伝えたいメッセージなどは意識されましたか?
 
上條「そういうのはないですね」
 
坪田「メッセージ性はないですね」
 
上條「メッセージを伝えるってよりは、こう、なんだ、恥ずかしいですけど、情景を浮かべてもらう、みたいな(笑)。なんていうんだろう、外向きに何かを発信するってよりは内向きに何かを発信する音楽を作ってると思うので、まあ今後もそれは変わらないんじゃないかなとは思います」

いい曲ができたなって

__アルバムに収録されている6曲のなかで、お気に入りの曲や思い入れのある曲はなんですか?
 
坪田「『溶ける』はさっき言っていた上條がバンドを組む前に作った曲で、『サンチマンタリスム』はアルバムを作ろうって決める前にできてた曲なんですけど、(『サンチマンタリスム』は)バンドで初めて合わせたとき、これめちゃめちゃいい曲ができたなって実感した曲だったのですごい思い入れがあります。『たゆたう』っていう4曲目の曲は、上條がレコーディングの2週間ぐらい前に、できたからレコーディングしたいって言われて、いや、無理やんて思って(笑) まあでもこれ(『たゆたう』)が結構このアルバムのキーになってるかなって感じがあります。これも合わせた時になんか名曲感っていうのはありましたね。『たゆたう』は結構ライブに来てくれる人からの評判もいいです。『サンチマンタリスム』と『たゆたう』はすごい思い入れがありますね」
 
上條「僕もこの6曲の中だと『たゆたう』が一番好きです。僕は鎌倉に住んでいるので海がすごい近くて、海の曲作ろうと思ったときに、歌詞も海沿いを散歩してるだけなんですけどなんかその……自分の中のそのインプットのルーツになる音楽みたいなのの、良い出方をしたっていうのはすごい感じてて」
 
坪田「うまくアウトプットできたってことね」
 
上條「そう。うまくアウトプットできたなって思ってて。『サンチマンタリスム』もその自分の聴いてる他のジャンルとかの曲のアウトプットのしかたとしてすごい良いものができたと思うんですけど、『たゆたう』の方はもう本当に深いルーツの最初の方に聴いてた音楽みたいなのに近いところから作った感じがしてて。これ本当にすごいうまくできたなって思うし、レコーディングの時のパッと思いついた時アイデアとかでもちょっとやったところが、音源聞くとちょっといい感じに効いてるなっていうところがすごいあるので、この曲はめちゃくちゃ気に入ってます」

制作過程で大変だったこと

__制作の途中で苦労したことや、こだわったことは何ですか?
 
上條「制作で言うと6曲中3曲ぐらいは本当に直前に作って、ほとんどバンド内で合わせていない状態でレコーディングをしたので、曲のイメージの擦り合わせとかそういうのがちょっと大変でしたね。レコーディングの準備が全然できていなかったのでエンジニアとかの人にもそういうのはやってから来た方がいいよって言われました(笑)」
 
坪田「あははは(笑)」
 
上條「あとはそれこそさっき言ったように『たゆたう』は作り込みたくてちょっといろいろ考えてレコーディングしました。あとは曲順ですね。作る時は曲調が激しかったり遅かったりするので、だんだんグラデーションになっていくようにしようって話してはいたんですけど、それは結構うまくできたんじゃないかなって思ってます」
 
__坪田さんが大変だったなと感じていることは何ですか?
 
坪田「そうですね、これも上條と被っちゃうんですけど全部直前(だったことです)。これレコーディングしたときは、5月、ゴールデンウィークだったんで、ちょうど社会人になりたての時で研修とかぶっちゃって。だからベースラインを仕事終わったら考えて10分休憩の間もちょっと考えたり結構やってたので、結構精神的に大変なとこはありましたね」
 

これからのhardnuts

いつかは憧れの舞台に

__最後に、今後の目標について教えてください。大きなものでも小さなものでも構いません。
 
坪田「目標か……バンドの目標……そうですね、バンドの目標ってわけじゃないんですけど、バンドをやる上でBAYCAMPっていうフェスにすごいずっと出たくて、今はちょっと室内なんですけど、2019年までは川崎の工場地帯にあるすごい大きい野外の公園でやってるフェスで、オールナイトってやつなんですけど、そのフェスがすごい好きで、そこに出たいなーってのはずっと思ってますね。この話他の人にしたら目標がちっちゃいなって言われたんですけど。ちっちゃくはないんですけども、もっとなんかでかいというか、ロッキンとかもっとバンドをやる人は武道館とか言うのかもしれないですけど、僕はBAYCAMPに出たいですね、はい。まあ僕だけだと思います(笑)」
 
__そんなこと言わずに(笑)
 
上條「他の人行ったことないから」
 
__あはは、そうなんですね。
 
上條「僕は、そうですね、結構やりたいことはあるんですけど、まあ坪田が言ってたように(フェスなどに)出るつながりだと、その僕の地元の鎌倉に鎌倉芸術館っていうちっちゃいホールがあるんです。そこで僕の好きなASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンドが何回かライブをしていて今度もするんですけど、そこの舞台に自分も立てたらなっていうのが一つですね。わりとあこがれの舞台です。一回中学の吹奏楽部のときに立ったことはあるんですけど、バンドで立ってみたいというのはありますね。あとはなんだろうな。フルアルバムを作りたいっていうのは直近では特に無くて、まあそれこそ今回みたいに6曲でもっとまとまりのあるものをというか。なんだろう、ミニアルバムっていうと、短編小説みたいなイメージだったので、もっと読後感が良いものを作りたいなとは思います。もうちょっとコンセプトを煮詰めたようなものをつくってみたい気持ちはあります。あとあれですね。アジカンのオープニングアクトに抜擢されたいです」
 
坪田「そうだね、確かにね。オープニングアクトっていうかね、対バンしたい」
 
上條「ぐらいかな?」
 
坪田「まああとは、月並みですけど、たくさんの人に聞いてもらえたらいいなと思います」
 


おわりに

いかがでしたでしょうか。坪田さんの音楽を愛する気持ち、上條さんの現役文学部生ならではの創作のルーツを感じられるインタビューとなりました。
SpotLightでは、これからも青学にゆかりのあるアーティストの音楽を掘り下げていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



RELEASE INFO.

hardnuts 1st Mini Album「meltaway」

各種ストア・サブスクリプションサービスにて配信中
HOLIDAY! RECORDSにてCD販売中(現在SOLD OUT)
ヨムキクノム オンラインストア・店舗にてCD販売中

LIVE INFO.

12/12(火) 渋谷LOFT HEAVEN sweet rain pre. 「廻る」

開場18:30/開演19:00
一般 ¥2,500(+1D)
学割 ¥2,000(+1D)

w/
sweet rain
SleepInside

and more...

12/14(木) 西永福JAM「BEDEDOROOMOaikoTALKSFES」

OPEN/START 18:00/18:30
ADV/DOOR ¥3,000/3,500

w/
Jr.alcohol
リュベンス
クリオネ方程式
Fairy Ferry

12/30(土) ERA×近道 presents 「A Day in The Now 2」

OPEN/START 12:00/12:30
TICKET ¥2400(+1D)
会場 ERA /近道 /Rinky Dink Studio下北沢 1st 3F 5st
出演アーティスト多数


詳細はhardnuts公式X(旧Twitter)をご覧ください。

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