子を産まないと後悔する?という噂は嘘か誠か
「結婚しないの?」「子どもほしくないの?」
という質問はもうされなくなったけど。
こんな私でも私も30代のころ「いつかは産まなくては」と
なんとなく思っていた頃も…一瞬、ある。
「子を産んだほうがいいのでは!」
という叫びが一度、
頭の中からはっきりと聞こえたことを
覚えている。
それはいつものように(?)
夜中までだらだら起きてマンガを読んだり
テレビを見たりしていて、
次の日の朝はなかなか起きずだらだらとベッドの中で
過ごしていた自堕落な日々を送っていた時のことだった。
トイレに起きると「まだ10時(朝)か」と思い、
再び眠りにつこうとしたとき。
なんて非生産的な生活をしているのだ!私は!と情けなくなった。
マンガを描きたいけど、常に仕事の依頼が無い。
そうすると、「だらだらする」という選択肢しかないのだ、
そのときの私は。
結婚でもして子どもでも作ったら
なにかを成し遂げている、と
世間が認めてくれるんじゃないか?と思った。
私が仕事がなくてマンガを描かない時間も、
子どもは成長してくれる。
要は「時間だけが過ぎなにも成し遂げられない」という状態から
逃げるために、「子どもがいればなぁ!」と
なんとなく思ったというわけだ。
もちろん、そういう気持ちは、そのとき一瞬わいてきただけで、
結婚したいわけでもなかったし、子どもがほしいという
わけではなかった。
私のような人間が一時の気の迷いで
子どもを作らなくてよかった。
本当によかった、と思ってる。
つまり
今の私は、「子どもを産まなくて後悔」なんて
一ミリもしていない、ということだ。
それよりもマンガが描きたかった。
描きたいのに、描けない、描かせてもらえない、という
辛い気持ちをなにかで埋めたかった。
でも、解決策は
恋愛やら結婚やら子どもやらで埋めなくても
ただ、ストレートに、
マンガが描きたければ描けばいいじゃない?と
いうことだったのだ。
それに気づいてからは
もう「子を産んだほうがいいのでは!」という
声は聞こえなくなった。
もちろん…
結婚して子どもを産み育てることは
立派なことだし、素晴らしいことだと
思う。本当に、思う。
子どもはかわいいだろうなぁ、と本当に思う。
でも、「素晴らしいことだ」と認めることと、
「私もそうしなければ」と思うことは、違う。
ほとんどの人が「子どもを産み育てることが正しい生き方」と
信じているということも、わかる。
それに、「子どもを産めない年齢になって後悔するのでは」と
恐れる気持ちも、なんとなくわかる。
でも、
人生一度きり。
だからこそ、
自分が一番自然だと思える生き方をしたい。
ていうか、私には出産、子育てをする力も勇気も覚悟もない。
なので、それらを経験してきた女性には
尊敬の念しかないのだ。
私は私ができることを精一杯しながら
生きていくしかない。
現在は仕事でも趣味でもいくらでもマンガを描いてよいので、
マンガを描くために早起きをしてるし、
ヨガと瞑想もしている(鶴太郎を目指している)。
もう以前のように、昼までだらだら寝ることはない。
自分の生き方はとても好きだし、満足している。
不満はというと、もうちょっと、マンガが売れたい。
もう、いいかげん売れてもええんちゃうか?
と、いうこと。売れたい!
なんでこんな話を今更長々と書いたかというと…
ウォーカープラスで連載中の「メンエス嬢加恋」第8話
「愛を売る男」に登場する、
ホスト・渋沢イーロンの母親のことについて語りたかったから。
イーロンの母親は、恋愛体質で、しょっちゅう若い男を
連れ込んで、その間は幼いイーロンが邪魔だから
500円渡して「これで遊んできな」と追い出す女だった。
そして男から連絡が途絶えると、荒れて
お酒をのみまくり酔っぱらっては
イーロンに対し「あんたなんて産むんじゃなかった」と
言い放つ。
イーロンはその後成長して17才で家出して
歌舞伎町でホストになった。
疑似恋愛で愛を金に変えるイーロンは、
かつて母親からもらった500円を
使いきってしまうことが怖かったことを思い出す。
だから、500円を一瞬で何千倍にも増やすことが
できる男になろうと決めた。
と、いうお話。
母親に向いてない女性はいる。絶対いる。
でも、そういう女性でも、子どもを産めば母親になって
しまうし、子どもは
母親として愛を求めてしまう。
この母親は、イーロンのことを愛していないわけでは
なかったんだけど、
どうしても「男優先」になってしまう。
「母親になるつもりなんてなかった」というのが
この女の本音だろう。
ただ愛した男の子どもを産んだだけ。
その男は、イーロンが生まれてすぐどこかに
いっちゃったんだけど。
切ないなぁ…と思いながら描きました。
子を産むにしても産まないにしても…
どっちにしろ「後悔しない生き方」を
選ぶことが誰にとっても大事なことではないでしょうか。
そうでないと、イーロンのように
悲しみを抱えたままになってしまう…。
でも悲しみを背負った男は嫌いじゃないです。
誰だって何かしら悲しみを抱えているもんだ。
「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」は
そろそろクライマックス。
次回第9話は「メンズエステに来た女」
次回の客は、女性です!