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【ようこそ夢街名曲堂へ!】「リンダ・キャリエールと音楽シーン Part.1」2024/10/19 O.A.

K-mix『ようこそ夢街名曲堂へ!』少しお久しぶりの青野レギュラー回です。
1977年に細野晴臣さんのプロデュース作品として制作されながら、お蔵入りになっていたリンダ・キャリエールの幻のアルバム「リンダ・キャリエール」が今年7月にリリースされました。
私的には今年一番のこの重要作と、その関連作や70年代後半頃の音楽シーンについて深掘りしたく、2週にわたって番組で特集いたします。
ここではO.A.曲からいくつかピックアップしてご紹介します。

発売から少し時間が経ってしまったので、今更の特集はどうかな、、と企画の時に迷ったのですが、ちょうど先週・先々週の細野晴臣さんのラジオ番組『Daisy Holiday!』山下達郎さんゲスト回でリンダ・キャリエールの制作裏話をされていて、まさかの絶好のタイミングとなりました。
夢街の収録後の放送でしたが、疑問に思っていたことの答え合せができたり、貴重なお話が本当に面白くて、Radikoで3回も聴いてしまいました。

1:Sunday Girl/リンダ・キャリエール
細野さんの作曲・編曲。ティン・パン・アレーの演奏に、ローラ・ニーロを思わせる歌声。どこか吉田美奈子さんの歌にも似ている。とにかく私としては大好物のサウンドです。
もしかしたら、美奈子さんがデモで仮歌を歌っていらして、その影響があるのかもしれないね、と土橋店長と話していたのですが、先日の『Daisy Holiday!』にて謎が解けました。
ゲストの達郎さん曰く、デモは無くて、レコーディングの時にそれぞれの作家がリンダの側に付いて、歌って聴かせながら歌入れしたとのことです。曲によって歌い方が美奈子さん風だったり、達郎さん風だったり、キャラが変わるのはそうゆうことだったんですね!納得です。

2:Up On His Luck/リンダ・キャリエール
山下達郎さん作曲・編曲。かっこよくて私は大好物ですけど、アルバムの1曲目にしてはかなり地味な印象です。まだ未完成のデモのような感じ。
このアルバムが発売中止になった理由の一つにリンダの歌の弱さが挙げられていたようですが、この曲のキーがあと1音くらい高かったら、歌がもっと明るい響きになってキャッチーになっただろうなと思います。
キーはボーカルを生かしも殺しもする。今みたいに音源をデータで送ってやり取りなんてできない時代ですから、海外にいるリンダとのキー合わせは特に難しかっただろうと想像します。

『Linda Carriere』

3:Proud Soul/リンダ・キャリエール
4:猫/吉田美奈子

このアルバムが発売中止になったことで、各作家陣によるセルフ・カヴァーが多く誕生しました。(カヴァーのほうが先にリリースされたのでどちらがオリジナルか、ややこしいところではありますが)
こうして聴き比べてみると、やはり美奈子さんの歌のオリジナリティが凄いなと思いました。ブレない強さがあります。ギターのDavid T. Walkerなど、L.A.の敏腕ミュージシャンをバックにレコーディングされた作品で、こちらのほうが洋楽っぽいかもしれませんね。
一方、リンダの歌はデビュー作品なので真っさらで新鮮そのもの。細野さんがボーカルに望んだ〈何色にも染まっていない歌声〉にぴったりだったんですね。

『愛は思うまま(Let's Do It)』

5:Vertigo/リンダ・キャリエール
6:It Isn't Easy/佐藤博

こちらは佐藤博さん曲のセルフ・カヴァー。永遠の名盤『AWAKENING』に収録。佐藤さんが手がけると、オリジナルよりさらに洗練された印象です。ゲストボーカルのWendy Matthewsの歌もクールで素敵。
こうして聴き比べると、リンダの歌には素朴な人間味がありますね。

『AWAKENING』

〈青野りえの音夢語り〉
8:鏡の中の十月/小池玉緒

1983年にアルファレコード/YENレーベルからリリースされた小池玉緒のデビューシングル。作曲・編曲のクレジットに細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏の御三方の名前が並んでいます。
この曲のセリフの部分「生きてることも 誰かの夢ね」というフレーズは、青野りえ3rdアルバム『TOKYO magic』のコンセプトを考える時のヒントになりました。夢も、嘘も、ときめきも、全部TOKYOの魔法…。この曲には魔法の粉が振りかけられているみたい。
私がものづくりをする時に大切な“色気”を思い出すために聴く曲でもあります。

◆第1228回放送「リンダ・キャリエールと音楽シーン Part.1」
(K-mix:2024/10/19 21:00~21:55 O.A.)
 出演:土橋一夫/青野りえ
1:Sunday Girl/リンダ・キャリエール(from『Linda Carriere』)
2:Up On His Luck/リンダ・キャリエール(from『Linda Carriere』)
3:Proud Soul/リンダ・キャリエール(from『Linda Carriere』)
4:猫/吉田美奈子(from『愛は思うまま(Let's Do It)』)
5:Vertigo/リンダ・キャリエール(from『Linda Carriere』)
6:It Isn't Easy/佐藤博(from『AWAKENING』)
□土橋一夫のMagical Pop Selection
7:愛の雨粒/emily hashimoto(from 7inch Analog Single「愛の雨粒/流れ星ビバップ」)
□青野りえの音夢語り
8:鏡の中の十月/小池玉緒(from『TAMAO - Complete Yen Years』)
□エンディング
9:Loving Makes It So/リンダ・キャリエール(from『Linda Carriere』)

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次回は10月26日(土)「リンダ・キャリエールと音楽シーン Part.2」と題して、引き続き、リンダ・キャリエール特集をお届けします。どうぞお楽しみに!


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