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【ようこそ夢街名曲堂へ!】「リンダ・キャリエールと音楽シーン Part.2」2024/10/26 O.A.

今週のK-mix『ようこそ夢街名曲堂へ!』は前回に引き続き、細野晴臣さんプロデュースのリンダ・キャリエール『Linda Carriere』を聴きながら、参加アーティストによるセルフ・カヴァーの聴き比べ、70年代後半の音楽シーンや関連作についてお話ししました。
ここではO.A.曲からいくつかピックアップしてご紹介。ラジオで伝えきれなかったことも補足して書いています。

1:Love Celebration/リンダ・キャリエール
2:バイブレイション(Love Celebration)/笠井紀美子
3:Love Celebration/山下達郎

山下達郎さん作曲の「Love Celebration」を聴き比べ。リンダのアルバムがお蔵入りになったことで色々なヴァージョンが生まれました。それぞれ格好いいですね。
達郎さん仕込みのファンキーなメロディラインですが、リンダも笠井紀美子さんもソウルフルに声を張り上げるのではなく、程よく力が抜けて少しだけ声がかすれるくらい。この力加減、すごく好みです。私も張り上げるタイプのボーカルではないので、こうゆう黒っぽい曲をカヴァーする時は真似したいと思いました。

笠井紀美子さんのアルバム『TOKYO SPECIAL』には、同じくリンダ・キャリエール「Laid Back Mad Or Mellow」のカヴァー「待ってて」も収録されていて、重要な関連作だと思います。制作時期のタイミングだと思いますが、77年にリンダのアルバムが予定通りリリースされていたら、笠井さんのヴァージョンは存在しなかったでしょうね。
ちなみに、アルバムタイトルにTOKYOが入っているところが、『TOKYO magic』というアルバムを作った私としては、そのコンセプトに興味津々です!

笠井紀美子『TOKYO SPECIAL』
山下達郎『GO AHEAD!』

4:I'll Play The Fool/ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド
76年の作品。コリー・デイの豊かで品があって明るい歌声。大好きです!
リンダ・キャリエールのアルバムを作るにあたり、細野晴臣さんに大きく影響を与えたであろうサヴァンナ・バンド。細野さんがクレオールのシンガーを希望されたというのも、このボーカル、コリー・デイのイメージがあったからでしょう。
オールドジャズやキャバレーミュージック、カリブ音楽などをNYのクールなディスコのビートと融合させた魅惑のサウンド。サヴァンナ・バンドはアレンジャーにも人気だし、こうゆうのを目指して作る人もいるけど、どうしてもラテンの明るいノリが強すぎてベタになったりしませんか?こんな風に上品に仕上げるのって本当に絶妙なバランス感覚ですよね。やっぱり唯一無二の憧れのバンドです。
ああ、こんなバンドで歌いたいなあ!

『Dr. Buzzard's Original Savannah Band』

6:東京ラッシュ/細野晴臣&イエロー・マジック・バンド
『Linda Carriere』のリリースにあたりマスターテープを確認したところ、未発表の11曲目のトラックが発見されたそうです。それが後に『はらいそ』に収録されたこの「東京ラッシュ」のモチーフでした。元はリンダのために作られた曲だったんですね。
今聞いても全然古くならない、ずっと新鮮な音楽。
細野さんのインタビュー記事で「リンダ・キャリエールのアルバムがお蔵入りになったことでYMOが始まったんですよね」というくだりがあり、つくづく重要な作品なんだなあと思いました。

細野晴臣&イエロー・マジック・バンド『はらいそ』

〈青野りえの音夢語り〉
7:Rain Rain/青野りえ

リンダ・キャリエールのアルバムについて知れば知るほど、じつは私のソロアルバム、関美彦さんがプロデュースされた1st『PASTORAL』と2nd『Rain or Shine』のことをすごく思い出すんです。
関さん率いる参加メンバーの伊賀航さん(B)、北山ゆう子さん(Dr)、山之内俊夫さん(G)のチーム(EASY PIECES)は、現代のキャラメル・ママだと私は思っていて、アルバムの作り方とか、スタジオにメンバーの皆さんが集まってセッションしながらアレンジを作っていくところとか、曲作りからアレンジ、レコーディングから完成に至るまでが早くて、そのスピード感も含めて、すごく似ているところがあるなと思ったんです。
楽曲が似ているわけではなくて、発想の仕方とか、プロデューサーとしての関さんの視点が、リンダのアルバムを作るときに細野さんが思い描いていた景色と重なるところがあったんじゃないかなと、今になってやっと私はそれに気づけたような感覚がありまして、今改めてですね、この関美彦さんプロデュース作を聴いていただきたいなと思います。

青野りえ『Rain or Shine』

ラジオでは放送されませんでしたが、「Rain Rain」を改めて聴いた土橋店長の見解は、「関さんや伊賀さんがシティポップを作ろうとして思い描くのが、達郎さんじゃなくて細野さんだからじゃないか?」とのことで、これを聞いて私はすごく腑に落ちた感じがしました。
彼らの根幹に細野さんの音楽が根付いているからこそ、私はそこにキャラメル・ママを感じる。そんなメンバーの側で音楽を作れて、ほんとうに幸せなことだとつくづく思います。

◆第1229回放送「リンダ・キャリエールと音楽シーン Part.2」
(K-mix:2024/10/26 21:00~21:55 O.A.)
 出演:土橋一夫/青野りえ
1:Love Celebration/リンダ・キャリエール(from『Linda Carriere』)
2:バイブレイション(Love Celebration)/笠井紀美子(from『TOKYO SPECIAL』)
3:Love Celebration/山下達郎(from『GO AHEAD!』)
4:I'll Play The Fool/ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド(from『ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド』)
5:All That Bad/リンダ・キャリエール(from『Linda Carriere』)
6:東京ラッシュ/細野晴臣&イエロー・マジック・バンド(from『はらいそ』)
□青野りえの音夢語り
7:Rain Rain/青野りえ(from『Rain or Shine』)
□土橋一夫のMagical Pop Selection
8:May/桐ヶ谷仁 feat. yoshie(from『Azulet』)
□エンディング
9:Laid Back Mad Or Mellow/リンダ・キャリエール(from『Linda Carriere』)
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