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ステージの上で輝く少女に寄せて 『ときのそら2ndアルバム ON STAGE!』レビュー
まずはじめに2020年11月29日 ときのそら2ndワンマンライブ『パラレルタイム』開催おめでとうございます!
この記事では、そんな彼女のライブでもセットリストに含まれるであろう最新アルバム「ON STAGE!」のレビューをお届けする。
1 Step and Go!!
アルバムの“顔”ともいえる1曲めは、今までのアルバムのそれとは少し違った雰囲気をもつ楽曲だといえる。過去のアルバムで1曲めをつとめた「Dream☆Story」や「Equation of Love」はどちらかというと弾けるような明るさと楽しげなテンポが特徴の楽曲だといえるが、今回の「Step and Go!!」はどちらかというとゆったりと歌い上げられる楽曲だ。しかしやはり、ときのそららしい元気や力をわけてもらえる一曲だ。
「素直に、前向きに、自分らしく前に一歩を踏み出そう」暖かいメロディに乗せて今までの楽曲よりもときのそらがときのそら自身へ向けて、そして同時にファンであるそらともへ向けて、同時に呼びかけているように感じた。
2 Chu-Chu-Lu
思わず口ずさみたくなるような印象的なフレーズをもつ恋のうた。
恋に奥手な女の子の視点から描いた恋の情景が、とても甘酸っぱい気持ちにさせてくる。
感想の力強いギターソロからピアノの旋律、そしてクライマックスの転調へ移り変わるまでの流れが本当に綺麗で、聴き終わったあとに爽やかな気持ちにさせてくれる。
個人的には横スクロールする女の子向けアニメのエンディング曲になっていそうな一曲だと感じた。
3 リア/リモシンパサイザー
思わず手拍子したくなるようなノリノリの一曲であり、そして今の情勢でなければ描かれなかった楽曲ともいえるこの「リア/リモシンパサイザー」。
この独特な曲名はどういう意味かと調べてみた人もきっと多いだろう。
楽曲を聴くと、このタイトルの意味は「リアル」と「リモート」という意味なのだということがわかるだろう。ちなみにシンパサイザー(sympathizer)とは同調者、共鳴者という意味があるらしい(出典:Wikipedia)
歌詞の方へ目をやると、“推し”に対するアツい思い、そしてその思いを受ける推し。昨今の情勢でリアルで会いに行くことは出来なくても、その思いはいつも一緒だということが歌われていて、ある意味今回リモートでの開催となった2ndライブにぴったりな楽曲かもしれない。
「ハピハピ!」「ベリベリ!」などのフレーズでカッコよさの中に可愛らしさも感じさせられる楽曲だ。
4 ブルーベリームーン
私がこのアルバムの中で最も好きな楽曲だ。
この楽曲を聴くと、ときのそらというアーティストのパフォーマンスの幅を実感させられるだろう。エレクトリックなベースラインとドラムが繰り出される“攻め”の中でときのそらの歌声が一段と輝く、まさに夜空に浮かぶ青色の月のようなカッコよさと艶やかさを感じさせてくれる。
歌詞をみると力強いメロディとは対象的な切ない叫びのようにも読み取れ、この楽曲の魅力がより深まるだろう。
なおこの楽曲は11月24日にShortMVが公開されている。
5 空祭り
合いの手にはさくらみこを迎えたこの楽曲はタイトルの通り“お祭り騒ぎ”するための楽曲だ。「ええじゃないか、
ええじゃないか」「たまには踊らにゃ身にじゃ!」と歌詞と音楽に合わせて身振り手振りしたくなってくること間違いなしだろう。
最も驚くのはある意味作曲者の項目かもしれない。瀬名航氏。そう、ときのそらの「おかえり」や「ゆっくり走れば風は吹く」、AZKiの「いのち」や「青い夢」を手掛ける作曲家だ。
どちらかというと“エモ曲”を手掛ける印象があっただけにこんなポップでハイテンションな楽曲を書くことが予想外でその手腕に驚かされてしまう。
こんな魅力的な楽曲を会場のみんなで“お祭り騒ぎ”できる日が今から心待ちだ。
ちなみに歌詞カードには合いの手として、「さくらみこ、カバーとビクターの愉快な仲間たち」とあるが、一体誰が合いの手を担当しているのだろう…
6 ぐるぐる・ラブストーリー
アルバムに先行して楽曲が公開されたのがこの「ぐるぐる・ラブストーリー」だ。AZKiとのユニットライブ「刹那的クロニクル」でも先立って披露されている。
ハイテンポ、ハイトーン、ボーカロイド楽曲のような特徴をもつ、ある意味“ときのそららしい”楽曲だ。
普通の人には難しいメロディもときのそらは軽々と歌い上げる。今までの積み重ねや練習の成果が現れていて成長を感じさせられる。
歌詞は“ツン”から“デレ”へ、“嫌い”から“好き”へ。目まぐるしく入れ替わる恋の駆け引きをポップでコミカルなメロディに乗せて表現しており、一度聴いただけで頭に残るインパクトを持っている。
7 マイオドレ!舞舞タイム
SEGAの運営する『maimai』とのタイアップ曲として提供されたさくらみことのコラボ楽曲が満を持して収録された。作曲家はキノシタ氏。そう、「キノシタ節」ともいわれる電波ソングをつくらせたら右に出る者はいないクリエイターだ。そしてキノシタ氏謹製のマイネームイズエリート☆を歌うさくらみこ。ここまで面子が揃ってノリノリにならないわけがない。そんな楽曲だ。
楽曲の制作経緯もあって音ゲーにぴったりなハイテンポ、リズミカルにときのそらとさくらみこの掛け合いが繰り返される構成となっている。ライブ会場で聴きたい一曲だ。
8 青空のシンフォニー
5月15日、ときのそらの20歳の誕生日にリリースされた“作詞作曲:ときのそら”楽曲が今回のフルアルバムにも再収録となった。
作詞作曲がときのそら本人ということで、ときのそらからそらともさんへ向けたメッセージとなっている。あの日走り出したときから見守っているひと、あの時に、そして今この瞬間に声をかけてくれるひとたち。そんなみんなと一緒に夢の先まで-。
音楽というものは心を震わせたり、落ち着かせたり、心に関する色々な効果があるといわれることもあるが、きっとこの楽曲はときのそらの心そのものを表しているのだろうと感じさせられる。
余談ではあるがこの楽曲はシングルアルバム版とONSTAGE版で若干異なる仕様になっているらしい。どちらも持っている方はぜひ聴き比べてみて欲しい。
試しに聴いてみたところ、突然流されてもどちらがどちらなのか判別がつくほどの違いではないように感じるが…ONSTAGE版の方が若干ベースのギターやベース、ドラムなどの楽器類の音が強く、シャキッとしているようには感じる。
青空のシンフォニー制作裏話
おわりに
それぞれの楽曲が作詞作曲をしたクリエイターの特長を強く持った素晴らしい楽曲で、ときのそらの良さや魅力を更に加速させるものしかない。そしてその組み合わせも考え抜かれた最適解だと感じました。
ときのそら自身が作詞作曲した「青空のシンフォニー」というそらともへ向けたメッセージで締めくくられるところもポイントのひとつです。
そしてここまでのときのそら楽曲と、今回の「ON STAGE!」楽曲を携えていよいよ当日を迎える2ndLIVE「パラレルタイム」。ときのそらのワンマンライブとしては初の無観客ライブとなる今回のライブですが、その表題のとおり、今回はすべての観客が、そしてバーチャルとリアルが、同時に平行してステージ上のときのそらを応援し、一緒に楽しむ時間を共有できる、共有したい。そんな思いを感じさせられる気がします。
そんな夢の時間に再び出会えるのが楽しみです。
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