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小説-「今夜あなたは、どんな夜を過ごしますか」

 こんばんは。今日も一日お疲れ様です。
2025年、飛躍の年になりますように。

小説-「今夜あなたは、どんな夜を過ごしますか」

file22 田口浩之の友達

 田口浩之は明日月曜日から今年初の仕事だ。お正月休みも今日で最後。今日は珍しく友達のけんちゃんが家に遊びに来るという。今回は休みが1週間あり、少し持て余し気味になっていたので丁度良かった。
 けんちゃんは人見知りが激しく、自分と同じく友達も少ない。ただ、一旦仲良くなると、本当に優しくて一緒に居ると安心する。彼女いない歴更新中も自分と全く同じだ。

 母が階下から呼んでいる。

「けんちゃんが来たわよ〜。まぁまぁ、お久しぶり。元気にしてた?明けましておめでとう。今年もよろしくお願いしますね。」
けんちゃんと話している。

「居間でもいいし、僕の部屋にでも行く?」
「うん。そうだね。」
持ってきてくれた、お菓子やジュースを持って二階に上がる。
あれっ。なんか雰囲気が違う。
「けんちゃん、髪型変えた?」
「うん。」
「彼女出来たんだ。多分、、、」
「えっ!!そうなの!?」
けんちゃんに彼女は出来ないだろうって勝手に思っていたので、すごくショックだった。
「でっ、でっ、その〜、多分ってどういうこと?どこで知り合ったの?」
聞きたいことが、山程あった。
 どうやら会社の先輩に連れられて行った食事会で、出会ったらしい。けんちゃんは人見知りが激しいので、勿論、けんちゃんからは誘えない。朴訥とした人が好きなの。っていう女の子がたまたま隣だったらしい。ボソボソと彼女の質問に答えていたら、いつの間にかライン交換して、数回会って、
「私達、付き合お。」
って言われたらしい。
羨ましすぎる。そんな夢のようなことが僕にもあるんだろうか。取り残された気分で寂しくなる。

「マジ〜!?羨ましいよ〜。どんな子?写真あるの?」
「うん。」
年は同い年。すごく可愛らしい。これは僕も勇気を貰えるんじゃないだろうか。

 話しを聞くうちに、少し不安になっているという。
「ちょっと緊張するんだ、、、」
「そっかぁ。でも、けんちゃんを気に入って付き合おって言ってくれているんだから、大丈夫だよ。」
「うん。大丈夫だよ。」
同じ言葉を繰り返した。

 一人取り残された不安と寂しさはあるけれど、僕たちみたいな者でも、大丈夫。って、思えてきた。けんちゃんを応援しよう。

幸先のいい一年になりそうだ。

続く。
 

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