【エッセイ】私たちの離婚の形
離婚して、初めてのクリスマスイブの朝
元旦那から、プレゼントをもらった。
たぶん、これが夫婦の時だったら
「こんなの買うお金があるんだったら、もっと生活費入れてよ!」
って気持ちが真っ先に浮かんできたと思うけれど
離婚して、財産分与もキレイに終わって、
お財布が完全別になった今だから
「嬉しい! ありがとう!」
って心から言えて
そりゃ、多少は
「夫婦だったときは、こんなことしてくれなかったのに」
とかってモヤモヤした感情も、浮かんできたけれど
とにかく、素直に喜べて
「離婚して、気持ちが楽になったな」
って、つくづく思った。
中身は、元旦那・一人娘・私の誕生石が入ったベビーリング。
イミテーションかなって思ったけれど、裏にはちゃんとK18の刻印。
真っ先に刻印を確認した私を見て、元旦那が呆れたように笑ってた。
離婚して、もうすぐ引っ越しもして、約120キロ離れて暮らすことになるけれど
遠く離れて、お互いにそれぞれの生活が見えにくくなるからこそ、
きっとそのほうが、私たちはうまくやっていけると思う。
「どんな形でも、両親が揃っていた方がいい」
何人もの人から、そう言われたけれど
夫婦関係を続けることだけが、「両親が揃っている」形を保つ方法ではないと思う。
むしろ私たちは、夫婦でいるままでは、どんどん心が離れていくばかりで、「揃う」ことはできなかった。
こういうのが離婚理由No.1の「性格の不一致」「価値観の違い」というものに含まれるのかもしれないけれど
生活リズムも、金銭感覚も、描く将来像も揃えることができなかった私たち。
夫婦関係を解消することで、揃わないモヤモヤや不満がなくなって
娘への愛情という一点で、心を揃えていくことができると期待している。
夫婦として一緒に生活して、毎日どんどん憎み合い、裏切り合い、嫌い合っていくよりも
親子三人、たまにでも笑顔で会える方がきっといいから。
私が今、ここに書いたことも
元旦那が私にベビーリングを贈ってくれたことも
はた目に見たら、ただの綺麗事かもしれない。
でも、私たちは夫婦としてではなく、娘の両親として、今できる最善な選択をしたと信じたい。