人口減少時代を見据えて、4つの戦略のうち一番の悪手、変動費downを良手に変えるアイデアを思いついたので惜しげもなく公開させていただきます
人口減少時代と言うにはまだ早いかもしれませんが、確定している未来の話なので何かしら準備はしなければなりません。
さて今日は、売上を上げずに利益を出す手法についてお話したいと思います。
というか、20年後にはこの手の話ばかりになるのは間違いないです。全体最適化によって利益を確保する。今まではあまり議論されてこなかった手法なので、徐々に頭のトレーニングをしましょう。
今回の事例は飲食店です。
飲食店において、どうやって売上を上げずに(売上が下がっている状況下でも)利益を増やしていくのか?という問いに対する回答例です。
その前に、飲食店における構造的問題をお話します。
飲食店はF/L率という指標があります。そのお店の構造を把握するための指標です。
FLコストとは、F=food(原価、材料費)、L=Labor(人件費)を足した費用のことを指します。 F/L率とは、FLコストの合計を売上高で割ったものであり60%程度が一般的な目安となります。 (F30%+L30%)
しかし、年々増加する最低賃金。Lを抑制する事は接客の機会を奪う事であり、提供するサービスから情緒的サービスを削り取ることになります。
では、Lに手は付けられないからF(食材原価)を削ろう!となるわけですが、そうすると安い外国産食材中心の食材構成になるわけです。
安い食材を使っても、シェフのアイデアとレシピでより美味しくできれば問題ないのですが、それは全員にできる事ではありません。食材の置き換えは顧客満足度の低下を招く可能性大です。
飲食店の経営は、構造的限界を迎えつつあるのです。
そこで、現状を打破するアイデアを思い付いたのでシェアさせていただきます。
それは、自社で農業を手掛け食材原価を下げる事です。
お米を例に取ると、農家は生産したお米60キロを12,000円~15,000円でJAなどに買い取ってもらっています。
そこから中間マージンが乗って、飲食店はお米60キロを30,000円ぐらいで仕入ているのです。
自分たちで農業生産法人を作り、既存の飲食店事業に60キロ20,000円で買い取ってもらえば、売上約1.5倍であり、飲食店は仕入が35%節約できます。しかも、自分たちで生産から行っているので目に見えて安心安全。
育っている模様をHPなどに随時UPすればブランド化にもなりますね。顧客に田植え・稲刈りなどを参加してもらうイベントにすれば更に盛り上がります。
お米でも蕎麦粉でも、葉物野菜でもなんでも展開できるモデルだと言えます。
このように、流通(バリューチェーン)における上流と下流
生産と販売をダイレクトに経営に落とし込むのです。
これは飲食店じゃなくてもできます。
できない理由ではなく、どうやったらできるのだろう?というバックキャスティング的思考で事業をトランスフォームする必要があります。
頭のトレーニングです。
なお、農業をやれば良いという訳ではありません。
農業を経営する側の課題として、生産はできるけど営業ができない。というものがあります。お米60キロを20,000円で買ってもらう営業力がないのです。
なので、飲食店が農業をやる必要があります。同一グループ(資本提携)でやる必要があるのです。
はい!という訳で、変動費downを良手に変える。というお話でした。
ではまた!