見出し画像

高校生クイズに出た話④会場へ

学生証も無事作成でき、
そのまま安心してS子宅で眠りについた二人。

・・・***チュンチュン***・・・

すがすがしい朝。
お約束どおり、寝坊する二人。

もぉ、ハプニング多すぎ(全部自業自得)
40秒で支度しな!と言われたかのようなスピードで
S子はパジャマの短パンの上に
そのままパーカーをはおってごまかし、
私はぼさぼさの髪を帽子でごまかし、
A子の待つ国道のツタヤへダッシュ。

そしていざ、ヒッチハイク開始。
「今治」と書いた画用紙をもって親指を立てること5分。
さっと停まってくれた1台の車。

なんと、本当は松山に行く予定なのに、
今治経由で連れてってくれる、とのこと。
ヒッチでとまってくれる人って基本的にめちゃやさしい。
遠慮なく、ありがとうございます!と乗り込む。

「今日高校生クイズの予選があるんですよー」
と話しながら出発。

会場は今治のしまなみ街道。
その年はちょうどしまなみ街道が開通した年だったので、おそらくそのおかげで会場が今治港になったのだろう。

今思えばこれもラッキー。
地区予選では四国となぜか岡山県の5県の代表を決めるらしく
会場が今治じゃなくて岡山だったりしたら、
前日に思い出したんじゃー行けなかったかもしれない。

・・・

や、あの時の私たちならなんとかしていたか。
前言撤回。

そんなわけで、
「しまなみ街道にちなんだ問題とか出るんじゃないん?」
「じゃぁ開通した日くらい覚えていこや」
ということになる(安直)

が。私たち3人はもちろん、運転手さんも知らないって。
そういえばまだスマホがなかったので
スマホで調べるわけにもいかない。
じゃぁ・・・わからんね!!
まぁ、私たちに思いつくような予習が簡単な問題でんか。

ということで、考えてもわからない問題は即捨て。
「そんなことより、
 偽学生証に貼る写真を撮らないといけないんです。」
と、途中で証明写真撮る機械があるところを
見つけてもらって寄ってもらう図々しさ。
ボサボサの髪も帽子でなんとか落ち着いている。
そういえば、学生証の写真なのに制服じゃないけど、そこは気にしなかったな…高専でよかった。

写真撮ってる間も車内で待ってくれてる運転手さん。
あの時の運転手さん、ほんとーにありがとうございました。
この場をお借りして改めてお礼を・・・
言ったところで届かないのだろうか。
この記事を読んでくれていたらいいのにな。

そんなこんなで偽学生証も完成し、もうすぐ会場。
会場が近づくにつれしまなみ街道って書いたのぼりがたくさん目に入る。

よく見ると、そののぼりにはなんと
「しまなみ街道5月1日開通」って書いてある。

それ今知りたかったことNo. 1!
見つけた時点で大盛り上がり。
私たち3人は、到着までの間
「問題!しまなみ街道が開通したのは
 5月1日である。マルかバツか?!」
「マル!!」
「正解!ファイヤー!!!」

というやりとりを車内で繰り返し会場へ到着。
運転手さん、さぞうるさかったことでしょう。
乗せるんじゃなかったと後悔してはいなかっただろうか。
松山の予定は大丈夫だったのだろうか。
今となっては色々心配になりますが本当にありがとございました。

運転手さんにサヨナラをしていよいよ会場入り。
会場には予想以上にたくさんの人。人。人。
ななんと岡山・四国から
927チーム、2781人が集まっていたらしい。

ここから5チームに絞られるのか・・・
なんてことは思うこともなく
手作りのおそろい衣装やら顔に落書き・・・
じゃなくてペインティングしているグループとかを見て
「あ、こんな感じで挑まないといけないのか」
と、自分たちが浮いていることに恥ずかしさを感じた次第。

統一感のかけらもないわたしたち。
共通点といえばなんとなく格好がゆるいこと。
・・・すでに敗北感。

なんてそわそわしていると最大の難関が立ちはだかる。

そう。

受付!

ドキドキ・・・

「あ、この学生証?実は紛失してて仮発行中なんですよー」と、さりげなく言う練習を頭の中で繰り返しながら学生証を提示。

ドキ・・・ドキ・・・

ファイヤー!!


つっこまれることも怪しまれることもなく
頑張って作った甲斐がないくらい、なんなくクリアだ。
やった!
それどころか私の苦労をねぎらってか、今治のタオルをくれた。
ありがとう!

こうして私たちはさまざまな苦難を乗り越え、
やっと、地区予選のスタートラインに立ったのであった。

つづく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?