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プレイリスト_音楽_202412

本稿は、近場に「作業用bgm何にしてる?」以外の音楽話のできる知人がいない筆者が、最近聴いている曲とそれにまつわるあれこれを書いて発散するための記事である。



MILLENNIUM PARADE - KIZAO feat. Rauw Alejandro, Tainy

はい、出ました。
2024年のBEST REGGAETON OF THE YEARです。

3-3-2のレゲトン、スペイン語、ミレパ。
¡El reguetón más duro del 2024!

端から端までよすぎてコメントのしようがないかもしれない。

LIVE映像も観たが、後天的な学習によるものではなく血に刻まれているとしか思えないRauwの振る舞い、かっけえ……!!!!
Rauwはレゲトンの本場プエルトリコの出身らしいが、ラテンの音感とリズム感のいくらかは先天的であるに違いない。

海外進出してからのミレパは予算が違いすぎるのか映像が格段にレベルアップして感じられるが、今回もすごかった。
GOLDENWEEK以降引き続き出演しているキャラクターたちはすっかりお馴染みになり、加えて客演の2人まで二次元化されているのが素晴らしい。

目鼻立ちのはっきりした彫りの深い顔つきはほんとにアニメ映えするね。


常田大希 - チェロ組曲『祝祭』 DAIKI TSUNETA - THE FEST SUITE FOR CARTIER

美しすぎか。
2024年で最も美しく、最も短く感じられる4分23秒だった。

私はミレパの曲も大好きだが、チェロも大好きである。

チェロを好きになったきっかけは母がよく聞いていたYo-Yo Ma(特にLibertango)で、それから数年後たまたま私自身も似たような弦楽器のコントラバスを習い聴衆の面前で演奏する機会があったが、結局弦楽器は聴く方が楽しくてピアノやパーカッションのような打楽器ほどは続かなかった。

しばらく楽器を演奏することから離れていた高校生の頃にDir en greyにハマり、そこから洋メタル(SYSTEM OF A DOWN、Slip Knot、Korn、Children of Bodom、Marilyn Manson)→ なんとなくクラシックス(Metallica、Megadeth、Pantera)→ Metalicaのストリングス・カバーをしていたAPOCALYPTICAという流れで再びチェロの魅力に取り憑かれた次第である。

さらに数年が経ったころHYDEとAPOCALYPTICAのコラボがあったおかげでチェロ熱が冷めることなく残り続けていたところに現れたのが常田大希であった。

個人的にミレパの「THE MILLENNIUM PARADE」、King Gnuの「Sympa」をLPで持っているが、それ以外にもDAIKI TSUNETA名義で出している「N.HOOLYWOOD COMPILE IN NEW YORK COLLECTION」というLPがある。

わざわざLPを取り寄せずともYouTubeやサブスク上の音源を聴くことができるが、好きなものはフィジカルで所有しておきたいというオタク心を抑えきれずにうっかり買ってしまった。

さて、本題のチェロ組曲『祝祭』はCartierのジュエリーコレクション「Trinity」100周年に際して常田大希が書き下ろした曲だそうだが、曲中で繰り返し用いられているテーマ自体は既出である。

私は「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の大ファンであるが、上の曲はその続編にあたる「攻殻機動隊 SAC_2045」シーズン2 OPの「Secret Ceremony」だ。

(2023年〜2024年はわが﨟たし罪の果実である椎名林檎と常田大希がコラボして「好きと好きの奇跡的相性マリアーーージュ……!!!」と号泣錯乱していたが、つい先日ミレパのレゲトン:前述のKIZAOが出たし、2020年と2022年にミレパと攻殻がコラボしていたしなんならさらに前の2015年にはhydeとAPOCALYPTICAがコラボしていたわけだからこの世には好きと好きのコラボっていっぱいあるのかもしれない!)

もっとも、常田大希は自身の関わるプロジェクト内でシームレスにテーマを行き来させているので、実はSecret Ceremonyより前にSrv. Vinciで当該テーマで一曲やってました〜とか普通にありえる。初出の確証なし。


越冬 / ICE BAHN

越冬というタイトルを馬鹿正直に受け止めているため、寒い時期になると聴きたくなってプレイリスト入りする曲である。

フリースタイルダンジョンに出ていたモンスターの中で一番好きだったのがFORKだ。FSDが終わってから彼のフリースタイルを耳にする機会が激減してしまって寂しい。

FORKは超人的な韻踏みで有名であるが、個人的には硬派なフローが非常に好みである。

同年代の女性の中ではFSDを観ていた方だと思うが、番組のメインはいわゆるHipHopに"ありがち"なタイプのFlexやセルフボースティングあるいは貶し合いであることも多く、正直なところそういうものを全然かっこいいと思わない。

みんなちがって、みんないい。とまでは言わないにしても他のやつをこき下ろしている暇があったら自分を磨くことに注力せえやと思ってしまうので、お前はダメだのしょぼいだのセルアウトだの韻踏んでねえだの日本語でラップしろだのダセェラップ嫌いなヤツぁ手叩けだの言い合っているあのコンセプト自体は非常に苦手である。

しかしFORKやR-指定のように矛先に関係なくその一節だけを切り取っても名匠をして唸らせるほどのラインが生み出される瞬間があり、私はその瞬間に出会うためにあの番組を見続けていたといっても過言ではない。

FORKのラインは以前にも別の記事で取り上げているが、

余談:韻/鑑賞録 #25 「ハズビン・ホテルへようこそ シーズン1 第2話:Radio Killed the Video Star」

我ながらまさに首ったけといった様子である。


キングギドラ - 大掃除

まさに私が全然好きじゃない「お前はダメだのしょぼいだのセルアウトだの韻踏んでねえだの日本語でラップしろだのダセェラップ嫌いなヤツぁ手叩けだの」勢の元祖というか権化のキングギドラであるが、年末だし大掃除くらいは聴いとこうと思う。

キングギドラやその流れを汲んだ一派の主義主張には概ね同意も共感もできないので「大好き♡」とはならないが、トラックやフローはかっこいい。

私はそこそこHipHopが好きなのに致命的にカルチャーが合わないというジレンマがあるので、どうしてもこういうツンデレみたいなコメントになる。

でもさ〜だってさ〜「公開処刑」のリリックとか激ダサ黒歴史じゃね?って思っちゃうんだけど。かっこいいのかなあ〜〜〜〜
音はかっこいいけど意味がかっこよくないからさ〜〜〜〜〜

大掃除もラストのSkitみたいな部分で危うく曲のかっこよさが台無しになりかかっているが、大掃除リリース当時(1995年)のK-DUBさんは30手前、ジブさんは20代中頃という年齢ゆえの尖りを加味すればギリ曲の良さが勝つので許容範囲内である。

ちなみにこの曲を流しながら「この年末 今 世紀末 くらえ天罰 大掃除」部分を口ずさみつつ掃除したり皿洗いしたりするとわりと楽しい。


GADORO / クズ

EDMやレゲトンばかり聴いている生活なので、なかなか日本人が歌う泥臭く心に突き刺さるような曲を聴く機会がない。

そんな中、META TAXIに世界で一番かっこいい男 窪塚洋介が出演し、その相手がGADOROだったことでこの曲に出会うこととなった。

META TAXIではGADOROの「クズ」にぶん殴られていたく感銘を受けた様子の窪塚洋介の吐露を聴くことができるが、窪塚フォロワーとしてはまず曲を介してこんな貴重な話を引き出してくれたGADOROに感謝の念がある。

曲そのものに対してもちゃんとコメントしたいが、いつかの自分の境遇と重なる部分がしんどすぎてPlaylist発表記事ではなくなりそうなので割愛したい。それをメインテーマに文章を書く日は、少なくとも数年内には来ないと思う。

この曲はPlaylistに入れてはいるが、気軽に聴ける曲ではないなとも思った。
心身が弱っている時に聴いたら励まされるのかもしれないし、逆にバッド入って1時間くらい寝込むかもしれない。

共感できる部分も多い一方で私には歌詞ほどの熱さやハングリー精神や「見返してやる」みたいな気持ちがないからもっとだめだ。(バッド)