プレイリスト_McGuffin_202407
家ではほとんど常に何かの音源を再生しているが、仕事中は日本語や英語の歌詞だと集中が削がれるのでボーカルなしの曲か日英以外の言語の曲を流している。
仕事以外の時間は逆に日本語か英語でしゃべっている動画を流していて、そういうときによく選ぶYouTubeのチャンネルがMuGuffinだ。
コンセプトとしてユースカルチャーを主眼に据えているようではあるが、年齢に関係なく楽しめるコンテンツがたくさんあってバラエティに富んでいる。
全動画をくまなく観ているわけではないものの興味深い動画に出会える確率が非常に高く、かなりおすすめのチャンネルだ。
本稿ではMcGuffinの動画の中から最近のお気に入りを挙げる。
1. 【スタンガン 警棒 手錠が買える】護身用品に特化したお店で各商品について、その威力や効能について細かく解説。ヌンチャクやトンファー、手裏剣などの特殊インテリアもございます。
サムネに写っているにこやかな女性、桑原樹理さんが護身用品について丁寧にテキパキ説明していってくれるのだが、上品な雰囲気を保ったまま強めな解説をするのが面白い。
護身用品についての勉強にもなるが、何より桑原さんが魅力的だ。
スタンガンをバチバチいわせ「これすごい痛いです」「一応試します」「なんてことはないです」と淀みなく喋りながら淀みなく作業をし続ける桑原さんの佇まいが見ていて心地よい。
しかしやはり護身に関する学びもしっかりあり、護身用品を買ったり持ち歩いたりするかどうかにかかわらず興味深く聞いていられるお話である。
2. 【永野 × D.O】永野が考えるラッパーの在り方、HIPHOPへの憧れと不満をD.Oは受け止めることができるのか! テキーラ片手に業界の異端児が交わる、緊迫の40分!
「自分の〇〇はこうだ」という主義主張があるのはかっこいい。
「〇〇とはこうあるべき」という美学の押しつけは鬱陶しい。
HipHopは露悪的な面も大きいが、HipHopと露悪趣味を履き違えているだけのピーターパンを見るといたたまれない気持ちになるし、「自分の好きなHipHop」「自分の嫌いなHipHop」でいいのに「HipHopじゃねえ」は主語がデカすぎる。
この二人のHipHop論は(酒が足りてない序盤は特に)主観的であると自覚した上で「でも気に食わないものは気に食わない」「俺の好きな〇〇」「俺の嫌いな〇〇」「俺は憧れない」というスタンスで喋っているし、その美学に共感する人も多いと思う。
永野さんの着地こそ半分ネタ半分本気みたいな「HipHopじゃねえ」だったが、それはそれとして二人のノリが最高すぎてめちゃくちゃ面白い。
超好き。
3. tofubeats @ Licaxxx's studio-Show Your Room#1-
Licaxxxの声が好きすぎて少なくとも年に3回は観ている(聴いている)動画である。
McGuffinのチャンネルはRIP SLYME RYO-Z × KREVA-Tokyo Chill Out#14-がアップされたタイミングで知ったのだが、そこから遡って色々動画を観た中にこれがあった。約5年前。
すると15回は観ている計算になり、我ながら結構きもいことをしていると思う。
より最近の動画でいうとGQのスニーカー・ホリックスでもLicaxxxがたくさんしゃべってくれているので、それもよく観る。
4. 【簡易宿泊所の内部 / スーパーダモア /ドヤ街グルメ 】日本の三大ドヤ街、横浜・寿町に編集部が潜入!一泊2000円以下の宿泊施設や、更生した女性店主、街を支える格安スーパーなど、その暮らしに密着。
日本の治安の悪さを身に染みて味わったことはない。
事件はゼロではないし人通りの少ない夜道では気を張っておく必要はあるが、日本の治安の良さは筋金入りである。
この動画を観るまでドヤ街という言葉の意味も知らなかったし、川崎 ghetto cityや西成の名は聞くもののコアな部分に触れるどころか半ばフィクションの中のできごとのようにさえ感じながらエピソードを耳にする日々であった。
しかし実際に動画を観てみると、決して退廃然とした景観ではないにも関わらず「あ、ちょっと気をつけないとダメかも」くらいの雰囲気が画面越しにも感じられる。
それを「治安が悪い」とは思わない。
ただ、平和な日本の夜道に対して持つような印象を昼の寿町に抱いた。
ここで少々脇道に逸れる。
「龍が如く」というゲームを「シナリオがいい」ということでたまに勧められるのだが、ついぞプレイしたことがない。
なにせ私はDQのシンボルエンカウントでさえ気が引けて切りかかれないような非暴力主義者なので、シンプルにプレーヤーとして向いていないのだ。
高校生の頃に男の子の家で龍が如くのプレイ画面を観たことがあったが、道路標識を引っこ抜いて相手を殴りつけ血を飛び散らせるような暴力性もさることながら、NPCに対する横柄な振る舞い(という名のぶつかりおじさんムーブ)が致命的に嫌で「絶対にプレイしない」と確信した記憶もある。
しかし4年ほど前から精神科医の名越康文先生が「龍が如く7」の分析動画を出してくれるようになり、バトルシーン99%カットの分析動画を通してシナリオを堪能することができるようになった。
龍が如く7では「異人町」という架空の街が登場するが、McGuffinの動画に映る寿町の雰囲気とよく似ていて驚いた。
龍が如くでのドヤ街の描写がどこまでリアルなのか、リアルなのであればいつ頃の日本の話なのか、現代日本なのか。
McGuffinの動画では誇張されたりエンタメナイズされていないドヤ街の生々しい生活を垣間見ることができるし、観終わる頃にはそこはかとなく愛着さえ湧いている。
最後に出てきた酒場 elevenの雰囲気がすごくよくて、ママたちの感じもすごく好き。なんか久しぶりに飲み屋の人たちと喋りたいな〜〜という気持ちにさせられた。
店長おすすめの「生ビールにオロナミンC」というドリンクもめちゃくちゃ飲んでみたいが、普段はビールも甘い炭酸飲料も一切飲まないのでどんな味になるのか想像がつかない。いや、つくかも。