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音楽の話:JAY-Z LINKIN PARK「Collision Course」
本作はレジェンダリー・ラッパーのJay-Zとレジェンダリー・バンドのLinkin Parkのマッシュアップ・アルバムで、ラッパーといえばEminem一辺倒だった私の周辺にJay-Zの存在を教えた作品でもある。
I ordered a Frappuccino, where's my f**kin' Frappuccino.
本作は上記のチェスターの音声から始まるが、当時はFワードとフラペチーノしか聞き取れなかったので、てっきりフラペチーノ自体の文句を言っているのだとばかり思っていた。
その頃、同年代は猫も杓子もLinkin Parkを聴いていて、特に2枚目のアルバムである「Meteora」を知らないやつなんて誰一人としていない。
元々ロックや洋楽を聴かなかった人たちはMeteoraを聴いてMeteoraだけで終わったりしただろうが、私の周りは洋楽好きが多かったこともあり割と長いことチェックし続けていた方だと思う。
Meteoraのあまりのかっこよさに衝撃を受け、次に出たCollision Courseに衝撃を受け、「CCの中で知らん曲あんなおい」とHybrid Theoryに遡り、マイク・シノダのFort Minorにも手を出し、その後は順にMinutes to Midnight、A Thousand Suns、Living Thingsと聴いていった。
本作は「死ぬほどかっこいいけどシリアスで明るくはなかったLinkin Park」に「Jay-Zの洒落たバイブスと肩肘張らないしなやかさ」が加わって凄まじい魅力が生まれている。
我々にとってLinkin Parkは「ロックはロック」「ヒップホップはヒップホップ」って感じだったところに「ロックだけどロックだけじゃなく、ラップもしてるしスクラッチも入ってるしなんかよく分からんけどくそかっけえ」という概念をぶち込んできた人たちだ。
別の箱に入っていたもの同士を組み合わせてかっこいいものを作り、ちゃんとLPらしさも出すという最強のアーティストである。
フィジカルに付属していたDVDを観る限り、マッシュアップ作業自体はLinkin側(ていうかマイク)がやってJayはチェック・提案・ボーカルの再録をメインにやっていたと思われるが、最適化のために再録等々しているとはいえ個別にしっかり成立していた曲を組み合わせたとは思えないくらい違和感がない。
DVDに入ってた映像、YouTubeにも上がっていた。
もう何も言うことないでしょ。
かっこよすぎ。