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【ホラー】甘いマスクは、イチゴジャムがお好き

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マスクと呼ばれる怪物の捜査・排除を担当している特殊捜査局の、梓藤冬親の日常のお話です。ある日、遮光カーテンの片側を閉め忘れて寝起きが最悪なところに、親友で同僚の斑目鷹瀬が仕事の話…
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記事一覧

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第37話

『  梓藤冬親 様  最初に始まる言葉を、色々考えたのですが、思いついた言葉は一つだけで…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第36話

 一ヵ月後、冬本番が訪れた。凍てつく寒さのその日、梓藤は西園寺のお見舞いにきた。本部にい…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第35話

 静間の自殺から、二週間が経った。  また、冬が来た。  既にこの一係に来てから、何度目の…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第34話

 この日、梓藤は医務室へと顔を出した。人生で二度目だ。  あの榎本という医師は、もう己の…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第33話

 それから二週間が経過した。  あれ以後、嶋井と宝田が真面目に取り組むようになり、西園寺…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第32話

 人員が漸く補充されたのは、次の秋が深まった頃だった。 「初めまして、嶋井弘庸です。宜し…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第31話

 翌日――実を言えば、梓藤は珍しく本部に行くのが億劫だった。  身内を疑いたくはないが、潔白を確認しておく必要がある。坂崎の例があるからだ。そのため、到着してから、二人がいるのを見て取り、指輪を外すタイミングを探った。同時に、自分が指輪を日常的にしていて不自然ではないかと考え、二人の指を見てみれば、静間は右手の人差し指と薬指にいくつか嵌めていて、意外なことに西園寺も左手の薬指に指輪を嵌めていた。これならば、己が嵌めていてもおかしくはないだろと、梓藤は判断する。  そしてその

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第30話

 坂崎の葬儀は、行われなかった。  ひっとりと火葬場に運び込まれた後、今は無縁仏として処…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第29話

「坂崎さん、その手、どうしたんだ?」 「――ん?」  唐突に梓藤に問いかけられ、顔が強ば…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第28話

 その日の帰り道、無表情でスーパーに立ち寄った坂崎は、イチゴジャムとブルーベリージャムと…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第27話

「よーし、お疲れ」  坂崎が今日も定時で帰ろうとした時だった。梓藤が顔を上げる。 「あ、…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第26話

「よぉ、おはよう」  坂崎の声に、既に本部にいた梓藤が頷く。 「おはようございます」 「…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第25話

 火葬場の煙突から、煙が空へと溶けていく。それを見上げていると、鴉が横切っていった。まだ…

【甘いマスクは、イチゴジャムがお好き】第24話

 翌日は、よく晴れていた。  本部に向かった坂崎は、荷物を置いてから、その足で梓藤の元へと向かった。 「梓藤、明後日有休を取ってもいいか?」 「ん? ああ、それは定められた権利だから、待機という形になるにしろ、書類さえだしてもらえれば――……ただ、珍しいな、坂崎さん」  梓藤は坂崎に視線を向けると、小さく首を傾げた。理由は簡単で、ここに配属されてから、過去に一度も、坂崎が休暇願を出した姿を見たことが無かったからだ。 「書類に記載欄があるから、問題ないと考えて聞くけど、何