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テアトロ・ガットネーロ フォト&レポート
もう一か月ほど前の事になりますが、カソウ舞踏団の団長であるyoikamiさんから黒猫洋品店様主催のアバター劇場テアトロ・ガットネーロへの観劇にご招待頂きました。
テアトロ・ガットネーロの名前はもちろん存じておりましたが、何かと慌ただしく過ごしている所為で行くきっかけがなく、気づいたら公演期間が終わっているという感じで行きそびれているイベントの一つでした。
今幕はカソウ舞踏団団長様直々にご招待頂きましたので、これは行かない手はないなという事で、仕事も早めに切り上げて参加させて頂く事にしました。
テアトロ・ガットネーローThe Auctionーの公演にはいくつか種類があり、写真撮影やボイスチャットの制限が公演によって変わるという事でした。
私は写真撮影が趣味という事もありますので、間違いなく良い被写体が現れるというのにカメラを制限されるのは多分我慢が出来ないと判断し、いくらでも写真撮影OKな一般記者向け公演に伺う事にさせて頂きました。
改めてyoikami団長にご招待御礼申し上げたいと思います。
この度は大変素晴らしい機会を頂きまして、ありがとうございました。
それではこれから本編のレポートを書き連ねていこうかと思うのですが、観覧し終わった人や観覧し損ねてもう見れないという人向けに書きますので、多分にネタバレを含む事となります。
またテアトロ・ガットネーロ-The Auctionーを見るチャンスがある人は、必ずそちらを先にご覧になる事を強くオススメ致します。
追加公演等も確定した様ですので、カソウ舞踏団および黒猫洋品店様のTwitter等をチェックしてみて下さい。
これからこちらのレポートをお読みになる方、およびテアトロ・ガットネーロ-The Auctionーをご覧になる方にお伝え致します。
表現上軽微なゴア表現がございますので、苦手な方はご注意下さいませ。
また重ねて申し上げますが「ネタバレ」を含みますし、劇中がほぼ無声という事もありまして、私視点でのレポートとなります。
無声劇というものは、見た人の頭の中でそれぞれの役どころの感情の機微や本編のストーリーなどが想像され、補完・演出される部分が少なからずあります。
ですので、なるべく偏った見方はしない様にしているとは言え、これから書かせて頂くレポートは、テアトロ・ガットネーロ公式だけではなく、私の脳内補完・演出が含まれている事をあらかじめご了承下さいませ。
また今回は録画OKか不明でしたので記録は残さず、一回見たのみでレポートを書いておりますので、多少なり記憶違い等があるかもしれません、そちらもあらかじめご了承頂ければ幸いです。
またとても長いレポートとなりますので、ぜひまとまったお時間のある時にでも読んで頂ければと思います。
それではフォト&レポート本編をどうぞ。
テアトロ・ガットネーロ開幕
テアトロ・ガットネーロ開催日当日、私は思いのほか遅くなってしまった時計を見ながら急いで仕事を切り上げ、自転車を漕いで家に向かっておりました。
開幕まであと30分しかなく、家についたとたん慌ただしく着替えと夕食を済ませ、いつもの様にHMDを頭に被ります。
一般記者用待機インスタンスから劇場のワールドに移動し、観劇するための案内を受けたり、観劇用のアバターに着替えたりの準備を済ませ、劇場内に案内され今日のメインイベントが始まるのを今か今かと待っていました。
その間に劇場内を歩いて拝見させて頂いたのですが、とても絢爛豪華で美しいステージとなっておりました。
思いのほかステージのキャラクターが強いんだな…という事を初見で感じたのですが、これで全く問題ない事を後程知る事になります…。
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時間になりましたので始めさせて頂きます。と、ステージにカソウ舞踏団のE-sukeさんが登場し、再度観劇についての注意事項等を案内されました。
その次に同じく団長yoikamiさん、黒猫洋品店社長のうぃりあむさんが登壇され、それぞれ自己紹介およびご挨拶をされました。
その後、黒猫洋品店の商品PRの時間があり、またVRC特有のSafetyの設定の再確認等を月鏡の灯篭のろれるさんが案内され、これで観劇の準備が全て整いました。
そして最後に残ったyoikamiさんがイベントの開始の宣言と共に深々とお辞儀をされ、いよいよテアトロ・ガットネーロ本編が開幕となりました。
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左から、ろれるさん、Tarakoさん、うぃりあむさん、yoikamiさん、kouaさん、E-sukeさん。
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では、ここからは自分の所感等は省かせて頂いて後々まとめるとして、
私の視点で耳と目で受け取った事を読み物風に書き綴らせて頂きますね。
アバター劇の開演
暗転。
突然視界が黒に覆われ、やがてゆっくりと視界が戻った。
劇が始まった事がとてもシンプルに伝わってくる。
少し薄暗くなったステージには、銀髪で色素の薄い目をした長身の男が立っている。
いわゆるアルビノ……なのだろうか、自らをこのイベントの司会と紹介し「メビウス」と名乗るその男は、恭しく挨拶をし来場への感謝を述べた。
そして「観客」に問いかける。
「アバターとは何か?」
そして再三「観客」に問う。
「あなたの魂に合うアバターはありましたか?」と。
感情が在る様で無い様な、不思議な雰囲気を纏ったその男はひとしきり「アバターとは?」について語ると、「魂に合うアバターが見つかると良いですね。」と言い残し、ゆっくりと立ち去っていく……。
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暗転してからの明転。
そしてステージの上には、ろれるさんと二人の少女が立っている。
ろれるさんがアバターの概要を紹介し、それに合わせて二人の少女が機敏に動き回っている。
なるほど、写真だけのアバター紹介は元より、ポーズをとっているだけでの3Dモデルのペデスタルよりも、躍動的に動いているアバターというのはとても魅力的に目に映るのである。
そしてステージからフロアに降り、撮影ポーズのリクエストにも答えつつ、一通り巡った後は、ステージで「徒手空拳」および「剣舞」のパフォーマンスを見せてくれた。
それぞれ動きが洗練されていて、VRでのパフォーマンスという点においては現時点では最高レベルなのではないだろうか。
「卯兎 -MAO Tu- マオ トゥ」の紹介が終わり、ステージが再び暗転する。
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劇中劇開演
視界がゆっくりと戻るが、薄暗く不穏な空気が漂っている。
目線を前に移すと、先ほど立ち去っていった司会の「メビウス」と……、傍らに幼い少女が力無くぐったりとした様子で座っている。
所作と貧しい恰好から、おそらくはメビウスや他の誰かに日ごろから虐げられているのだろうという事がわかる。
「顔を上げなさい」
というメビウスの言葉に頭を振ってなんとか逃げ出そうとする。
そうでもしなければ、髪を掴んででも引っ張り上げられる事を解っているのだろう。必死に頭を手で抑えている様に見える。
少女が這いずり回って逃げ出そうとしている事も意に介さず、メビウスは「オークションの開始」を高らかに宣言する。
そこで「観客」はメビウスが”何の”司会であるか?という事を認識する事になるのである。
「それでは初めは…」
メビウスが提示したスタート価格からオークションが始まった。
狼狽えている「観客」の中から「客」の声が上がる。
「5000!」 「5500!!」
だんだんと値段があがっていくにつれて、「客」の声は白熱していく様に聞こえた。
「20000!」 「25000!!」
そしてついには入札を躊躇してしまう様な高値にまでなってしまったらしく、入札を諦める声が周りの「客」から上がる。
そしていよいよ……といった、その次の瞬間。
「なんだあいつは!」
といった声が客席から上がった。
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オークションもいよいよといった瞬間、ステージ奥から軍服を纏った獣人の女が入ってくる。
しかしメビウスは慌てる様子はなく、また軍人の方も暴れたりする様子は見られず、かといって互いに友好的かというとそうでは無い様だ。
その獣人の視線は厳しく、とても正義感が強い事が見て取れ、メビウスの台詞から警備隊長という役職の獣人の女性である事がわかる。
(以下、便宜上アバター名「シルヴィア」で呼称)
シルヴィアは臥せっている幼い少女を見つけるとそれを見下ろし、何かを考えている様にじっと黙り込んでいる。
それに対してメビウスは、商会が正式に許可を得てこのオークションを行っている事を説明するが、シルヴィアの耳には全く届いていない様だった。
あれこれと説明するメビウスの口上が気に障ったのか、突然自動拳銃を取り出すとメビウスに向けて即座に構える。
銃を向けられてはもうとりなす術はないと、メビウスは口を閉じて首を垂れる他なかった。
床に這いつくばる少女の前に回り、手を差し出すシルヴィア。
それに対しておびえながらも、恐る恐るといった様子で手を取る少女。
”もう大丈夫だ。”
少女を抱きかかえたシルヴィアはオークション会場から立ち去ろうとする。
メビウスは、おそらく所属する商会にとっては高額な商品であろう少女を奪われる様を、抗議の声を上げる事や見届ける事すらせずに、ただただ首を垂れたままじっとしていた。なぜか。
正式な許可を受けて行っているオークションにおいて、人道に悖るとはいえ商品である幼い少女を連れ去る行為は、法的に違法である事は明白であるにも関わらず。
訪れた災難が去った事を確認すると、メビウスは「客」に対して謝罪の言葉と、そして場を取り繕う様にこう言った。
「警備隊長様はずいぶん正義感に溢れた方だと聞いていましたが、その通りの様ですね。」
「興を削がれる事もまた一興です。」
また次回への期待を乞う言葉を残し、メビウスは立ち去る。
再び舞台は暗転する。
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明転、舞台は小部屋へ。
シルヴィアと少女がお互い不器用ながらも少しずつ心を通わせていく。
夕食を食べさせようとするシルヴィア、恵まれた環境に慣れず戸惑う少女。
慌てて食べて咳き込んでしまい、見かねたシルヴィアが水を飲ませる。
ようやく落ち着いた少女を優しく見守るシルヴィア。
おそらくは軍人として……また女性として、持って生まれた性別からの能力差を克服しようと厳しく生きてきたであろうシルヴィアの中で、初めて母性というものが生まれた瞬間なのかもしれない。
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幼い少女との交流を図ろうとするシルヴィア、おそらくは幼年の子供との関わり方などあまり知らないのであろう。
それでも何とか打ち解けようと努力するのは、持って生まれた真面目な性格からか、それとも彼女の母性がゆっくりと育って来ているからなのか。
暗転。 別の日。
多少打ち解けた様に見える二人ではあるが、シルヴィアが少女の頭を撫でようとした時だけは、少女は身体を硬直させ逃れようとする様子が見える。
過去の経験からであることは想像に難くないが、彼女の過去に何があったのだろうか……。
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暗転。また別の日。
市場で何かを買い求めてきたのであろう、紙袋を持ったシルヴィアが帰宅するなり、そのまま少女に紙袋を手渡そうとする。
そういえば、少女はシルヴィアの家に来てからもずっと同じ格好のまま過ごしていた。おそらくは着替えの類を用意したのであろう。
他人から贈り物などされた事などない少女は受け取る事を躊躇するが、やがておずおずと手を伸ばしてそれを受け取った。
受け取ったもののやはり戸惑いが隠せない少女であったが、手を伸ばして受け取った姿勢のままパーテーションの奥に入り、しばらくした後、案の定可愛らしい洋服に身を包んで飛び出してきた。
その日を境に、ぐっと二人の距離が近づいた様に見える。
暗転。
仕事に出かけようとするシルヴィアが帯剣していない事に気付いた少女、そばに立て掛けてあった剣を持ってみたは良いが、その長剣がとても重い事を抱えてから知った様子だった。
ヨロヨロとよろめきながらも、それでもなんとかシルヴィアの元まで持って行き、無事手渡す事に成功する。
嬉しそうにしている少女を見て、少女がそれを忌避してる事も忘れ、思わず少女の頭を撫でようとしてしまうシルヴィア。
少女はやはり身を強張らせてすくんでしまうが、その後やはり立ち去ろうとするシルヴィアを呼び止め、撫でてみてとばかりに自らの頭を差し出した。
ゆっくりと優しく少女の頭を撫でるシルヴィア。
また二人の心の距離が近づいた瞬間だった。
立ち上がって少女を見やると、シルヴィアは仕事に出かけて行った。
それを手を振って見送る少女。とても幸せな憧憬だった。
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暗転。
明転するも薄暗く不穏な雰囲気が漂う。
何か良くない事が起きたという事が直感的に伝わってくる。
シルヴィアが帰宅するも、少女の姿が見当たらなかった。
部屋中を探し回るシルヴィア、しかしやはり少女の姿はどこにも無い。
そしておもむろにベッドに触れるシルヴィア、手のひらを見つめて思案している所を見るとおそらくまだ暖かかったのだろう、慌てて部屋を飛び出して、そこら中に居る人に手当たり次第に声を掛けて回る。
「見てないねぇ。」
「帽子をかぶった女の子??見てないよ。」
誰に聞いても少女の手がかりは聞き出せなかった。
いよいよ狼狽えるシルヴィア、誰の目に見ても普通の精神状態ではない様に見える。
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とても長く感じる暗転の後。
舞台を照らす一つのスポットライト。
願わくば事態が好転している様にと誰しも思い願うであろうが、儚くもそれは叶えられなかった。
ステージに臥せったシルヴィアと、その傍らに断ち落とされたであろう、剣を持ったままの片腕が無惨にも転がっている。
かろうじて剣を持っているが争って汚れた様子が無い所を見ると、敵襲には気付いたが不意打ちにでもあったのだろう。
大事な家族を失い焦燥した精神状態において、背後から不意打ちを掛けられれば、いかに腕の立つ軍人であろうと本来の力は発揮出来ないであろう。
少女を攫ってシルヴィアを襲ったのは誰か?
オークションを台無しにされ商品を奪われた商会か、そのオークションの客か、それとも警備隊長であるシルヴィアに逮捕された罪人やその仲間、恨みを持っていそうなやつはいくらでも居るだろう。
舞い散る蝶は鮮血のメタファーか。
(弱ゴア表現注意)
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再び、とても長く感じる暗転。
明転、ステージを照らすはスポットライト。
そしてライトの下に立つは、あのメビウス。
その傍らにはオークションの商品が力なく座っている。
そう、あのオークション会場である。
ただ前に見た時と違うのは、メビウスの傍らに力なく座っている商品がシルヴィアである…という事、そしてその傍らにはあの幼い少女がニコニコと笑いながら立っている…という事である。
そして当たり前の様にメビウスが宣言する。
「オークションをはじめましょう。」
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やはり商会はおとなしく少女を差し出した訳ではなく、取り戻すタイミングを窺っていただけなのである。
この状況から判断して少女を失って狼狽していたシルヴィアを討ったのは、やはり商会であるとみるのが妥当であろう。
残る疑問はなぜその少女が笑顔でそこに立っているのか。という事である。
彼女はオークションの商品ではなかったのか??
「今回の商品は、獣人で…」と観客にとっては今更なシルヴィアについての紹介をするメビウス。
それを遮る様に「客」の一人が言った。
「そっちの女の子は売らないのか?」と。
それにメビウスが答える。
「騙していて申し訳ありません。彼女は…リリエは最初から当商会の一員ですので。」
そこで全てが繋がる。
少女…リリエのオークション自体がフェイクで、シルヴィアが乗り込んで来る事も事前にわかっていた。
リリエを奴隷に仕立ててシルヴィアのもとに送り込み、取り入った後にリリエを失わせることで精神状態を追い込み、そのタイミングで討つ。
全ては最初から仕組まれていた事だったという事ではないだろうか。
その証拠にオークションの最中、リリエはいとも容易くシルヴィアの長剣を持ち上げてシルヴィアに差し出して見せた。
そう、シルヴィアだけでなく客たちも見事に騙されていた。全ては演技だったのである。
その剣に手を伸ばすも掴み損ねてしまうシルヴィア。
おそらくは利き腕を切り落とされ、戦意を消失してしまったのか、それともリリエとの思い出が全て偽物だった事への落胆からか……。
そんな事は意にも介さず、オークションは進んでいく。
リリエの時よりもはるかに高値がついていく。
もう出せないと悔しがる声が出始める。
さらに一声、高値の入札が入る。
どよめく「客」たちを尻目に、オークションは進んでいく。
「高給取りのお役人さんには勝てないわ」
この一連の企ての、オークションの黒幕は誰なのか。
私にはこの闇はとても深い様に思える。
そもそも奴隷商が公的に”許可”されている世界なのである。
こうなってしまっては、彼女を救う唯一の手段は入札だけだ。
「予算は多めに、使えるものをご用意ください」
このオークションで入札されるのはディナールというこの世界の通貨。
私たちは別世界の「観客」である故に、彼女を救う術を持ち合わせていなかったのである。
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劇中劇終演
最後の暗転をもって劇中劇は終幕となるのでした。
その後、舞台上に劇中劇役者のお三方が現れてご挨拶をされました。
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そしてマオトゥの時と同じく、ろれるさんのアバター解説とともにステージ下に降りてのファンサービスおよびフォトセッションが行われて、劇が終幕となります。
ここでもポーズリクエストを受けたり、ファンサービスがたくさんでとても撮りがいがありました。
以下に私が撮影したフォトセッションの写真を掲載します。
もちろん飛ばして貰っても問題ありません。
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アバター劇の終演
アバター劇が終演した後は、今回紹介されたそれぞれのアバターを試着する時間があり、その終了を持ってイベント自体も終了となりました。
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テアトロ・ガットネーロ-The Auction-を見終わっての所感・感想
ここからは完全に私の所感・感想となります。
まず見終わった瞬間、これは賛否両論巻き起こしそうだなと思いました。
テアトロ・ガットネーロはアバターの宣伝の為のイベントである。
そういう事が漫然と認識されている状況で、このシナリオというか企画を観客にぶつけるのはなかなかチャレンジャーな事をしたな~と。
アバターを宣伝するためのイベントにおいては、ごく普通のイベンターならばアバターのイメージを守るために、ポジティブかつ少なくともハッピーエンドのシナリオを用意するでしょう。
それなのに、今回の劇中劇では思いっきりバッドエンドかつ下手したらアバターのイメージが悪化する様なシナリオでした。
まさかアバターの腕落とすとは思わんもんね~普通。
実際そういう声を会場でも聞きましたし、自分もそう思いました。
そう、アバター販促イベントとして劇中劇を評価するならば、タブーを踏んでるどころかガッツリ踏み抜いちゃってるイベントとして酷な評価をされると思います。
劇中劇をただの販促のイベント劇として評価するならば。です。
まぁ多分そんな事は百も承知でしょう、主催の黒猫洋品店さんも3Dモデルでお仕事してる訳ですから、そんな事言われなくてもって所だと思います。
今回のテアトロ・ガットネーロ-The Auction-において、カソウ舞踏団がやっていた事というか意図していた事を、パッと見るだけで正しく理解出来る人・・・というか、そもそもそこまで考える人は多くないんではないでしょうか。
まず劇中劇とは?って所からになるかと思うのですが、読んで字のごとく劇中の劇なんですよね。
劇中の劇、つまり劇中劇の外にはもう一つの劇が大きい括りとしてある訳で、今回のテアトロ・ガットネーロは三重構造になっている訳です。
各出演者がどういう役どころなのか、代表してろれるさんで説明すると、最初の開幕の挨拶のろれるさんはVRChatterのろれるさんで、アバター劇が始まってアバター紹介をしているろれるさんは、ろれるさん本人役のろれるさんって事になります。
もし万が一、劇中劇に出演しちゃったりなんかしたら、ろれるさん本人役のろれるさんが、ろれるさんがろれるさん本人役として出演している劇中でさらにろれるさん本人役として劇中劇に出演するようなものです。いや、わかり辛いわ。。。
わかり辛かったのでyoikamiさんで説明し直します。
ええそうです、ろれるさんのポジション面白いなって思ってたから書きたかっただけです。はい。
それでは気を取り直して。
舞台での挨拶時のyoikamiさんはカソウ舞踏団の「yoikamiさん」で、アバター劇(劇中劇以外のアバター紹介・フォトセッション等)でyoikamiさんが演じているのは「アバターのシルヴィア」、そして劇中劇でyoikamiさんが演じているのは「アバターのシルヴィアが演じている警備隊長」って事ですね。
劇はつまりフィクション・作り話であるので、劇中の事である限り役どころの性格や、やった事も何もかも全てフィクションなのです。
つまりカソウ舞踏団がアバターそのものとして演じている部分というのは、アバター紹介およびフォトセッションの部分だけなのです。
例えばお気に入りの俳優さんがある映画で悪役になったとして、その人は悪い人になると思うのでしょうか?なりませんよね??
悪役と言えど役を受けたのはその俳優さんですので、良い演技が出来る様に応援してあげたいと私は思います。
いや、一部には推しの俳優が悪役で出演したらイメージ悪くなる!!ってTV局に電話する人も少なからず居るらしいですが。まぁそれは別の話。
今回の公演をネガティブに捉える人には屁理屈に聞こえるかもしれませんが、道理は通っていますので私はそれで納得しました。
念のため申し上げますとこれは私の解釈でありますので、公式がどういった意図で劇中劇というものを作ったのか?はまだわかりません。
二幕にはパンフレットがありましたので、もしかしたら今幕のパンフレットも追々出るのではないでしょうか。
そして少なくとも私はシルヴィアさん欲しいなぁ・・・ってなっています。
まぁそういう事ですよね。
アバター紹介については、アクターが中に入る事でとても魅力的に見える事に驚きました。各アバターに合わせた動きでしっかりパフォーマンスされていて、さすがカソウ舞踏団だなぁと思いました。
劇中劇も完成度が高く素晴らしかった。
動きの所作が綺麗で、二人合わせて動くタイミングもバッチリでしたね。
声だけでなく効果音もないのに、動きだけでこれほどまでに伝わってくるものがあるのかと感心しました。
正直劇中劇のリリエちゃんには完全に騙されてしまっていて、剣を手渡す所で前が見えねぇ・・・ってなってました。
シナリオについてはハッピーエンドフリークの私にはちょっと辛かったですが、まぁそれもまた一つの物語ですよね。
少し気になったのは無限歩行の時の間でしょうか、無限歩行でハケる時にちょっと間延びした感があったのがテンポ的に気になったぐらいですが。
あとは入れ子構造を強調する為に、ろれるさんも別アバターで別キャラとして出るのも良かったかもしれませんね。
ステージはリアルタイムライトを効果的に使われていて、とても素晴らしいと思いました。自分自身ライブステージではリアルタイムのスポットライトは割とよく使うので、他の人も効果的に使われている所を見れたのは勉強になりましたし実際とても良かったです♪
また、写真撮影を趣味としている者として、これほどまでにクオリティの高い被写体をがっつり撮影できる機会はなかなかありませんので、ぜひぜひ次回以降も撮影無制限回は続けて欲しいなと思いました。
撮影とても楽しかったです。
最後に、アバターとは?という問いについてなのですが。
劇中劇を終えた後のシルヴィアさんとリリエちゃん見ている時の自分はとても不思議な感覚を感じていて、劇を終えて役が外れた役者さんを見ている時の様に、そこに居るのはアバターのキャラクターそのものとして認識していた様に思います。
おそらくですがネームプレートの非表示、そして無言劇であったことがポジティブに作用した結果なのだと思います。
アバターのキャラクターとして演じているアクターがアバターに入っている時、それはもはやそのアバターそのものと言えると思いますし、前述の様に実際にそう感じました。
ならば自分自身がアバターに入っている時も、間違いなくそれは自分自身なのだろうと思います。それにどれだけ良いアバターを使っても、結局は中身の自分次第ですよね。
そういえば最近フレンドの一人が初めて可愛らしい女の子のアバターを購入しました。
そしてそのアバターを使っている時の様子を見たら、他の人との距離が近くなったり、VRでの振る舞いが少し女の子らしくなった様にみえました。
もしかしたら「この容姿であればこういった振る舞いをするだろうというイメージ」が、その中の自分自身にも変化をもたらしているのかもしれません。
実際に私自身もたくさんのアバターを使い分けますが、容姿によって動きに変化がある事には気付いていましたし、何ならそれを意図的に行っている時もあります。
そういう観点からみると魂に合うアバターというのは、パズルの凸凹がはまる様に、アバターを着ても魂が何も変化しない、完全に素の自分そのままで居られるアバターという事なのかもしれませんね。
残念ながら今の所は、私自身の魂に合うアバターは見つけられておりませんが、見つかった時の為に魂の方を磨いておきたいと思います。
それではフォト&レポートは以上となります!
長々とお読み頂いてありがとうございました。
青猫