盛夏音祭'20“私視点”の「全容」
もう盛夏音祭が終わって一か月半も経ちますね。
今日は少し時間を見つけたので、少し朧気になってしまった記憶を頼りに、盛夏音祭の思い出を辿ってみたいと思います。
(※今回は裏方“私視点”での回想録となりますので、表舞台の方はTwitterだったり、Youtubeにアーカイブが残っていますので、そちらもご覧になってみて下さいね♪)
私と盛夏音祭の最初の接点。自分のワールドで山田のアニキに声を掛けて貰った事がはじまりでした。
「会場のモデリングをして欲しい。」
そんな大役を依頼して貰える事をとても嬉しく思い、同時にそれに即応できない自分の技術の無さを少し情けなく思ったのを覚えています。
その時、私には自信をもってメイン会場を作りますと言える技術はありませんでしたので、ワールド製作の申し出は丁重に辞退させて頂きました。
ですが複数会場同時開催のサーキットイベントの会場として、自分が運営するオープンマイクバー“SpotLightTalks”(以下、SLT)も盛夏音祭に参加させて頂く事になります。
これが私の盛夏音祭'20のはじまりでした。
ディスコードサーバーに参加させて頂くと、盛夏音祭主催のTnohitoさんが先導をとって、すでにコクリコさんをはじめとするワールド製作班が動き出していました。
えこちんさんがラフデザインを数枚仕上げて来たと思ったら、皆の意見を取り入れてその後またすぐに3Dでのラフも上がってくる。
三日坊主さんの3Dアイデアラフもすごい造形で、各モデラーさんの特徴が上手くまとまった素晴らしいメインステージになったと思います。
そのステージに、今度はステージギミック班の手が加わります。
コクリコさん・ハツェさん・VoxelKeiさん・TylorShineさんが、Hubを使って交互にワールドに手を加えていく様子は、プロの仕事を間近に見る事が出来て、なるほどこうやって進めていくのか!と感心しながら見ていました。
その後も調整に調整を重ね、開催直前までワールドをより良いものにしようと努力されていましたね。
と、この時点で本番一週間前。感心して見ている場合ではありません。
私は私で自分のワールド二つを、それぞれ盛夏音祭と盛夏音遊び(SLTとKu.Ambientflowさんとのコラボイベント)に対応させる必要があるのでした。
といっても、控室の増設やポスター・注意書きの掲示、ギミックを少し追加するだけでそこまで大変ではないはず…だったんですが、なぜか本番直前まで作業する事になってしまいます。
ある日の作業する合間、ディスコードで盛夏音祭主催のTnohitoさんと話していた時にワールドの負荷の話になりました。
会場に入ってから公式アバターに着替えるのではなく、前もって公式アバターで会場に入って貰えれば、ロード負荷がかなり低減されてインスタンス崩壊・同期ズレの防止に効果がかなり有る。
ただし、それを実現するには予めポータルになる様な別のワールドを作製する必要が出て来ます。という話をさせて頂きました。
どうやらそれはTnohitoさんもすでに考えていた事らしく、実はラフのワールドもすでに作ってあったが納得出来ずお蔵入りにしている。という事でした。
上記の話を出した時点で、もし作る事になれば今動けるのは自分しか居ないな…と思っていたので、その場で申し出て許可を得て、ポータルワールドを作製させて頂く事になりました。
つまり本番までの一週間で三つのワールドを仕上げないといけないというタスクを、自分で背負ったという事になります。
ポータルワールドは盛夏音祭への期待感を高めるため、また公式アバターの存在をあらかじめ周知する目的があるため、早急に作る必要があります。
そこでいくつかの工夫をしました。
アセットをインポートする時間を削減するため、既に作成済みのワールド(さざなみ荘)のプロジェクトをそのまま利用する事。
同形のオブジェクトを複製し、スケール比を変え色々な場所に流用する事。
ライトベイクのマップが荒くても、また、もしライトベイクが失敗していても結果が影響しにくいメタリックなマテリアルを多用する事。
その他諸々、相方のソルテのアイデアも取り入れながら、出来るだけ早く仕上がるようにと作業し、本番三日前になんとかパブリックへ公開する所までこぎつけました。
開催前週ともなると、ディスコードの関係者チャンネルもかなり慌ただしくなっており、各関係者・各ワールドオーナーの山田のアニキやOzさんもバタバタしてましたね。
その中でも出演者でありながら、各種資料を作製してスムーズに進行する様に流れを作ってくれたもいさんと、あれだけの完成度のポスターをいくつも短期間に作ってくれたあいぽさん。
本業や出演の準備もある中でギリギリまで、本番前数日は深夜まで作業してくれていました。本当にありがとうございました、そして本当にお疲れ様でした。
そんな感じであっという間に運営関係者、また出演者の努力が実る日がやってきます。
盛夏音祭Day1
司会の三十個さんの声で始まった盛夏音祭'20本番。
クリーヴァさんが配信してくれている、メインステージでの演奏をサブモニターで横目に見ながら、自ワールドSLTの盛夏音祭への対応作業を続けていました。
小さなトラブルに画面の前で焦ってみたり、あの時皆が作っていたギミックがちゃんと働いてる!とか感動してみたり。
Unityでは当日のスタッフ・出演者・来場者の動きを頭の中で想像しながら、どこに何があるべきか?を考えながら作業をしていきます。
しかしながら私の本番前日は、あと少しの作業を残したまま空が白んできた頃に私の体力が尽きることになりました。
もし違う世界線があったならば、ここが分岐点でしょう。
盛夏音祭Day2
ついにSLTの晴れ舞台です。
昼に目を覚まして、残した作業して会場をVRで最終確認して再調整してからのアップロード。
アップロード!
あれ?
アップロード完了の画面出るのに会場更新されない!?
数回の再アップロード、キャッシュ消してから再ロードしてもダメで、これはなんか根本的におかしいな?って事で方向転換、既存の自ワールドとの置き換えでアップロードする事で、なんとかアップロードが成功しました。
メインステージも同様の理由で開場が押していた様ですが、原因は全くわからず不明のままです。
出演者様・来場者様には大変ご迷惑をお掛け致しました。改めてお詫び申し上げます。
さて、この時点で開場直前、本来なら出演者さんを会場に入れて音声のテストを完了していなければなりません。
慌てて出演者様にワールドに入って頂いて音声テストを始めたのですが、ここでもトラブルが起きる事になります。
一人の出演者様が、入力音量を最大にしても音量が少し足りず、どうする事も出来ない。どうやってもこれ以上は上がらないという事でしたので、ワールド側の音量設定を変えてアップロードし直して対応する事にしました。
こうしてSLTの晴れ舞台は定刻から30分ほど押した状態でスタートします。
この本番中、割と困った事がありました。
来場者様が参加するには、私にリクエストインバイトを送って入場して頂く形をとっていたのですが、おそらく慣れていない方なんでしょう、リクエストインバイトを何回も連続で送ってくる方が結構いました。
これは仕方ないです。リクイン送るとエラー音ぽいのが出ますから、送れてるのかわからなくなりますよね。
私の場合、リクインを照明の操作などの裏方をしながら随時承認する事になるわけなんですが、長時間のサーキットイベントという事もあって人の入れ替わりが多く、リクインが途切れる事は終盤までほぼありませんでした。
一番困ったのが、リクエストインバイトの中に紛れ込む普通のインバイト。
リクイン!承認!
リクイン!承認!
リクイン!承認!
インバイト!承認!
目の前に広がる見なれた画面いっぱいの深緑。
多分本番中に4回ほどこの深緑のロード画面を見たかと思います。
タイミングによっては大事故になるし本当に焦るので、リクイン形式でのイベントに参加される時は、お間違えの無い様、リクイン送信前に再度ご確認頂けますと大変助かります。
閑話休題、30分押しで始まったSLTの晴れ舞台でしたが、休憩返上で働いてくれたスタッフや柔軟にご対応頂いた出演者様のおかげで、ラストのDJパートが始まる前に、定刻まで巻く事が出来ました。
頑張ってくれたSLTスタッフのどっこいさん、UMAさん、みずなんには本当に感謝しています。
今回のSLTの舞台は、彼ら無くしては成功しなかったと確信しています。本当にありがとう。
本当に余裕が無くて、DJパートしか写真を撮る事が出来ませんでした。
盛夏音祭Day3
Day2が終わって一山越えた安心感からか、電池が切れた様に昼過ぎまで眠っていました。
Day3がスタートし盛夏音祭を見ている人の反応が見たくなったので、VoxelKeiさんのDepthFieldStreamerを使った、サテライト配信ワールドのパブリックインスタンスに向かいます。
適当に選んだパブリックなのにえこちんさんが居て、気が付いたら運営関係者やフレンドだらけのインスタンスになっていました。
飛び交う挨拶が「こんばんは!」じゃなく「お疲れ様です!」だったのが面白かったですね。
今やVRchatの音楽シーンになくてはならなくなったTopazChatを開発してくれたよしたかさん。SLTも初期の頃からとてもお世話になっています。
最後は立体映像の主催Tnohitoさんを挟んでの記念撮影で幕を閉じました。
なにはともあれ、これで三日間のお祭りが終了しました。
ここからは後日談。
盛夏音祭が終了してすぐの事、主催Tnohitoさんの体力が燃え尽きた為に休養に入られました。
流石にこのまま流れ解散でさようならというのは名残惜しいと感じ、関係者チャンネルに打ち上げをしませんか?と提案させて頂きました。
最後に良い思い出をしっかり形に残したい。そういう思いからの提案です。
場所はポータルワールドを改修して打ち上げ会場とする事にします。
音祭が終わってから打ち上げまで少し間が空きましたので、本番当時の気分に戻って貰った後に場面を転換させ、少しノスタルジックな気分になれる様な演出を組みました。
(これについては、盛夏音祭ポータルワールドがそのままの仕様になっていますので、気になる方は行って体験してみて下さいね♪)
打ち上げ当日
開場時間になると、一人また一人と参加者が集まり始めました。
開口一番に「夏が終わっちまったぁ!」とか「エモいんだけど…」とか皆が言ってるのを聞いてる時は、フフフ…計画通り…ってなってたんですけどね。
なんかもうみんなそれぞれ音祭への名残り惜しさを口にするもんだから、だんだんこっちも涙腺が緩んで来てしまって、感極まって泣き出しちゃう子も居て。視界がにじんで仕方がありませんでした。
色々あったよね。ほんとに大変だったね。みんながんばったね。
そんな気持ちで見守っていました。
一通り落ち着いた後、皆で輪になり乾杯をします。
こういう時にさっと音頭を取ってくれる山田のアニキ、ほんとに助かる。
それでは、各々手に杯を持って。
「乾杯!!」
この瞬間。これまでの苦労がすべて報われた様な気がしました。
私の盛夏音祭'20はこれで終わりです。
ここまで読んで頂いた方、本当にお疲れ様でした。
最後に盛夏音祭'20に関わられたすべての人達に感謝を。
本当にありがとうございました!!!
2020/9/17 AONEKO/青猫