vol.44 もうすぐひなまつり!ひなまつりがテーマのゲームアプリ「hinadan」で遊んでみた。
さいきん
最近、駅構内を歩いていると立派なひな壇が飾ってあったり、スーパーで「うれしいひなまつり」の曲が流れていたり。先日まで街中がバレンタインムードでしたがいつの間にか、ひなまつりモードに!
ひなまつりのこと考えていたら、ひなまつりがテーマのゲームアプリ「hinadan(ひなだん)」のことを思い出しました。「hinadan」を開発したのは、「世界最高齢のアプリ開発者」である、当時81歳の若宮正子さん[1][2]!驚くことに若宮さんは「hinadan」を開発するまで一切プログラミングをしたことがなく、80歳からプログラミングを始めました[3]。
「hinadan」リリース後、瞬く間に「hinadan」が世界中に広まり、若宮さんはApple社のイベント「WWDC」に招待されたり、国連でスピーチをすることになりました[3]。自分が作った作品が海外に渡り、大きな場所で発表するってすごいことですよね!今回は、世界中で注目されている若宮さんが制作した「hinadan」について書こうと思います。
ゲームアプリ「hinadan」について
「hinadan」は、ひな人形(お殿さま「男雛」やお姫さま「女雛」、三人官女、五人囃子、仕丁)をひな壇に正しい位置に並べるシンプルなゲームです。若宮さんはなぜ「hinadan」を制作したのでしょうか。
「hinadan」を作るきっかけ
若宮さんが「hinadan」を開発しようと思ったきっかけは2つあります。
若宮さんは「スマホを使うシニア世代も増えているけれども、彼らが楽しめるゲームアプリがない。」と思ったそうです。そこで若宮さんは、アプリ開発者に「何かシニア向けゲームアプリを開発してよ!」と言ったら、開発者は「僕たちはシニア世代にとっての”おもしろポイント”が分からないので作れない。」と返されてしまいました[3]。
「若宮さん、自分が作ればいいじゃないですか。」[3]
と開発者に言われたのがきっかけで、若宮さんはアプリ開発に取り組みました。開発者に言われて、やったことのない開発に挑戦する若宮さん、好奇心旺盛であったり、根性がないとできないことだと思いますし、私も見習いたいです!
「hinadan」で遊んでみた
実際に「hinadan」で遊んでみました!ひな人形をタップし、ひな壇のどこに置きたいかをタップするというシンプルな作りですが、内容はとても難しかったです。お恥ずかしながら、私はひな人形の配置が全く分からず…….。
「このひな人形(三人官女の「三方」)は、食べ物を置くためのトレーみたいなものを持っているから、真ん中では?!食べ物は真ん中にあるとテンション上がるし!」
と私の謎な思考回路で置いてみたり。それはたまたま当たりましたが、あとは不正解続きでした。
「男雛(お殿様)は一番上の段だよねー。うーん右・左どっちだろう….えーい、左だ!」
「不正解」の表示。私は男雛の位置を間違えるほど、雛人形の知識ゼロでした。若宮さん曰く、シニア世代にとって、ひな人形は親しみがあるため、多くの方がひな人形の並べ方を知っているのだそうです[3]。シニア世代にとって有利なゲームアプリですね!私の祖母にすすめてみたいです。
シニア世代に寄り添ったUI
私が特に興味深く思ったことは「hinadan」のUIです。
1.全ての操作はタップのみ!
「hinadan」の操作はタップのみとなります。その理由について若宮さんはインタビューでこう答えました。
私の祖母はシニア向けスマホを持っており、私が祖母のスマホ操作を手伝ったことがありました。画面をタップする時「カチッ」とボタンをしっかり押すようにタップしないと操作できない仕様になっていました。シニア世代にとって、「タップする=ボタンを押すような感覚」があると操作しやすいのかもしれません。
私が「hinadan」で遊んだ時、無意識にひな人形をひな壇へスワイプしようとしていました。「タップなのか!」と少しあたふたし、ゲームを開始しました。世代によって操作しやすい方法が変わるのが面白いです。
2.音と文字表示のダブル使い
若宮さんはUIについてもう1点、気をつけたことがあります。
確かに、電車内アナウンスのように、同じタイミングで視覚・聴覚情報があると、より分かりやすいよな〜と思いました。
また「hinadan」アプリを立ち上げると、画面にゲーム説明文が表示されるのと同時に、音声にて説明文を読み上げてくれます。画面上の説明文が小さくても音声を聞けば、ゲームの内容が分かりますね!
若宮さんだからこそ、シニア世代の気持ちが分かり「hinadan」のUIに反映できたのだと思います。
若宮さんの他の作品
「若宮さんがアプリを作ったら?」の一言で「hinadan」を開発した若宮さん。プログラミング未経験にも関わらず、アプリを作った若宮さんは本当にすごいことだなと思います。年齢や経験は関係ないし、本人が作る気持ちがあれば何でも作り出すことができるんだなと勇気をもらいました。
「hinadan」の他にも、さまざまな制作をしていて、若宮さんは興味のあることにとことん挑戦されている姿が素敵だなと思いました。
例えば…….
ゲームアプリ「NANAKUSA」
どの葉物野菜が七草粥に入るか当てるゲーム。
実際に遊んでみたのですが、「この葉物野菜は七草粥に入ってるだろうな」と思ったものが違ったりとなかなか難しかったです。ゲーム内で「この葉物野菜はビタミンが豊富」など効能も教えてくれるので、勉強になりました。これでばっちり七草粥が作れそうです(笑)!
Excel Art
Microsoft Excelのセルの色付け・網掛け機能や色のグラデーションを使い、刺繍のような柄を作ります。私はExcelはたまに使いますが、セルの色付け機能は仕事で表作成するときに使う程度で、このような美しい作品ができるのかと驚きました!
エネルギッシュな若宮さんを目指して!
私もプログラミングで音やグラフィックを制作することに興味があり、プログラミングソフトや書籍は持っていますが、いつも三日坊主で終わってしまいます。そして半年から一年後にちょろっと再開し、また三日坊主で終わってしまうという繰り返しです。若宮さんの活動を知り、若宮さんのようにどんどん挑戦したいと思いました!いつか皆さんにお見せできる何かを制作したいです(できるかな)。
<引用>
[1] 高見和也. “世界最高齢83歳プログラマーが現役のワケ人生100年時代、セルフラーニングのすすめ”. 東洋経済ONLINE. 2018-11. https://toyokeizai.net/articles/-/252055, (参照 2023-02-18).
[2] 梶原龍,芹川美侑. “教えて先輩! 若宮正子さん【前編】アップルCEOに「どうしても会いたい」と言わせた87歳”. NHK. 2022-06. https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/senpai/senpai111/, (参照 2023-02-18).
[3] コネクティプス編集部. “アプリを作ったら、人生が一変! 国連本部で講演した、プログラマーおばあちゃんのAI生活。”. Connect Tips. 2018-07. https://www.fmworld.net/connecttips/healthcare/tips000031.html, (参照 2023-02-18).
[4] logmi Tech. ”「自分が作ればいいんじゃない」で始まったiPhoneアプリ開発85歳の現役エンジニア・若宮氏が「hinadan」を開発した背景”. logmi Tech. 2021-09.
https://logmi.jp/tech/articles/324910, (参照 2023-02-18).
<参考文献>
[5] ブローバンドスクール協会. “マーちゃんのアプリ第2弾!“NANAKUSA(七草)”公開”. ブローバンドスクール協会. 2020.12.
https://broadbandschool.jp/blog_articles/1607581111.html, (参照 2023-02-18).
[6] デジタル寺子屋つづき. “シニアのための楽しい電子工作セミナー Enjoy!プログラミング ①「hinadan」について”. YouTube. 2018-11.
https://www.youtube.com/watch?v=djAZDJ75nTw,(参照 2023-02-18).
[7] MarchanTR. “ExcelでArtを”. Microsoft. 2014-02.
https://answers.microsoft.com/ja-jp/msoffice/forum/all/excelでartを/07ecce7d-0337-4d4e-b433-9a57c88344fb(参照 2023-02-18).
[8] 若宮正子. “エクセル (Excel) で楽しい手芸を”. Excel ART MUSEUM.
http://marchan.my.coocan.jp/excel_art/excelart.htm, (参照 2023-02-18).
[9] 若宮正子. “EXCELで手芸”. “EXCELで手芸”.
http://marchan.travel.coocan.jp/shugei/shugei.htm, (参照 2023-02-18).