【随筆】色物って言うのは簡単だが、なかなかできることじゃねえ

いつだって何かを書きたくなる時は、それは心が揺さぶられた時が、常だ。

さあ、何の話かと言うとだね、僕の住まいのところで、もうすぐ市議選挙がある。そして彼はね、毎朝駅の改札で、大声でみんなに挨拶するんだよ。

だけどさ、それはいいことだけど（どういう視点で、ということは難しいがｗｗ）、明らかに色物なんだよ。それは、すぐにわかる。彼は色物だ。

でも彼は毎朝、朝の、クソ寒い時間に、僕らはただ通り過ぎるだけだけど、彼は違う。いったいいつからいつまで居るのだろう。彼は、いつも

「おはようございます」
「お仕事頑張ってください！」
「お寒い中お疲れ様です！！」
「大声でご迷惑おかけします」
「みなさまの今日が、最高の日でありますように」

と、
もはや叫びにも近い声量で言っては、頭を下げる。

僕もそれに、「おはようございます」と返せば、「いつもありがとうございます！　元気、もらえました。行ってらっしゃいませ！」と返してくれる。

感心する。
いつか早く帰った時のことだ、彼は改札にいた。それは少し怖いぐらいだった。もちろん、朝からずっと居たということはないと思う、帰り際を狙ってここにきたんだ。きっと。でもね、

「おかえりなさいませ！！」
「お仕事お疲れ様でした！」

って、言うんだ。彼は、すごいよ。
この前のクリスマスの日は、たしか休日だった。だから、いつものように駅に、会社に行くことはなかったが、代わりにジムに出かけた。ジムは、駅前にあるんだけど、そう、ご想像のとおり、彼はサンタの格好をして、いつものように、声をかけていた。ね、色物だろう。というか、もしかして土日も彼はいるのかもしれない。

さすがにサンタである必要はないと思うけど、やっぱりすごいと思ったね。

これはね、ずっと前からのことだったんだよ。で、最近、彼はある党を立ち上げて、市議会議員に立候補するのだろうことがわかった。彼が立ち上げただろう党の名前と、そこにたしかに彼の写真と、名前がある。その旗が駅前に並ぶ。彼の名前も、その時はじめて知った。

ちなみに政党名は、とてもいい名前だと思った。
うまいこと考えたと思った。これは、言えない。

とにかくだ、
彼は、明らかに色物だ。パッと見、近づいてはダメな人間だよ。外見はね。でも、僕の心が、たしかに揺さぶられた。

彼の政策は、お花畑かもしれない（知らないが💦）。
でも、それでもいい気がした。
いち有権者として、彼の、その頑張りや、姿勢には、ただの感心しかない。

元来、政治家にもとめられるのは、まずは人の心を動かす、動機だと思う。いな、もはや、それが全てだとさえ思ってくる。あとは、二の次なんだよ。

とか、知ったようなことを言ってみた💦
ようはね、彼に投票しようと思っている。
※そもそもだ、ほかの候補者の顔は、ただの誰一人知らない。おかしくないかい、朝の、駅に、顔も出さない立候補者など、土俵にさえ立っていないと僕は思うね。

僕は毎朝、期待している。この駅前１番の有名人に、今日も会えることを。
朝の挨拶は気持ちいい。
僕は思う、

色物って言うのは簡単だが、なかなかできることじゃねえ

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⇩　続編を書いた。というか、顛末だ。こちらも読んでくれると嬉しい。