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With/After COVID-19は、職と住のトレードオフを解消する


暮らす場所を選ぶ自由

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため
「緊急事態宣言」が発令されて一か月が過ぎました。

私たち自身の生き方・暮らし方にも、否応なく変化が求められています。

この生き方の変化は、
ある程度この状況が落ち着いてからも、完全に元に戻るわけではなく、
変化が新たな日常(ニューノーマル)へとすり替わっていくことが
予想されています。

今回の緊急事態宣言が顕在化させたことの一つは、

都心で働かなくてもいいじゃん

正確には、「都心に通勤しなくてもいいじゃん」というこです。

緊急事態宣言下で、
否が応でも在宅勤務をしなくてはならなくなった私たちは、
不自由な状況に置かれたのではなく、
むしろ、今の仕事を続けながら「暮らす場所を選べる」自由を、
手に入れることができたと言えるかもしれません。

「二拠点生活」への憧れ

私自身は、昨年から、
二拠点生活(デュアルライフ)」というものに興味を持ち、
情報を集めたり実際に地方へと訪れたり、をはじめたところでした。
(c.f.「南房総二拠点計画」)

自然豊かな地方での暮らしに憧れつつ、
でも「移住する」ということに踏み切れなかったのには
いくつかの理由がありますが、
最大の理由は
「今の仕事を辞めてまで地方で暮らしたいとは思えなかった」。

そのため、現実的な選択肢として
“平日は都心で働き、週末だけ地方で暮らす”という、
「二拠点生活」を考えていました。

ある調査では、定住地選択の一番の条件は
「就労の機会があること」
でした。(ふるさと回帰センター調査)
これまでは、「働く場所が住む場所を決めていた」わけです。

「二拠点生活」が増加する予感

With/After COVID-19では、
この「二拠点生活」が増えるのではないか、と考えています。
なぜかというと、

平日を地方で過ごすことができる」から。

これまでの二拠点生活は、
「平日は都心で働き、週末だけ地方で暮らす」というものでした。
つまり、一週間のうち二日間しか、地方で過ごせないわけです。
そのために、都心と地方の両方に家を持つ(または借りる)ことは
経済的には「高くつく」ものでした。

(イメージは、
「お金に余裕のある方が、軽井沢に別荘を持ち、休みをそこで過ごす」、
というものではないでしょうか)

しかし、平日を地方で過ごすことができれば、
今の仕事を続けながら好きな場所に住み、かつ、
経済的に可能な選択肢が増えます。

①仕事のほとんどがリモートワークで可能 ⇒移住
 (住居費が高い都心の家を引き払い、安く地方の家を買う・借りる)
②平日の何日かリモートワーク ⇒二拠点生活
 (都心の住居は必要最低限で確保。地方により広い拠点を構える)

仕事については、
これからも、リモートワークを後押しするツール・サービスが、
どんどん出てくるでしょう。

そして、仕事だけでなく
たいていのものはAMAZONをはじめとしたECで購入できる、
ヨガやフィットネスといった趣味や習い事もオンラインで可能となり、
友人との飲み会も、オンラインで可能となれば、
ますます、都心に(無理に)住み続ける意味は薄れていくでしょう。

地方にとってのチャンス

このような二拠点生活者が増えることで、
地方にも新たなビジネスチャンスが生まれることが予想されます。

①空き家のシェア
二拠点生活者に対する家のシェアですが、
これまでは、ニーズが週末に集中するため、成立が難しかったのですが
平日にニーズが分散することで、
バッティングを回避することが可能となります。
②ハウスキーピング
家にずっといると、散らかっていることが気になったりしますよね。
地方の家でハウスキーピングのニーズが増えるかもしれません。
③DIY指南
DIY = Do It Yourself, 専門家に依頼せず自分でものを作ったり修理すること。
「あつ森」でもできますね。
例えば古い空き家を自分たちで修繕し、住めるようにする、
自分の家を自分好みにカスタマイズする、というニーズが
増えるのではないかと予想しています。
ただ、これまで経験のない人がいきなり一人でDIYというのも
ちょっとハードルが高いので、
それをレクチャーする「先生」のような仕事が増えるのでは。
④副業
通勤時間が不要になり、時間に自由な働き方ができることで、
より効率的に働くことができれば、
本業とは別に、地元の企業で副業するということも可能になるかも。
地方で人手不足に悩む企業にとっても有難い話では。

さらに、
自然豊かな土地に生活の拠点を移す人が増え、
その需要に積極的に対応することで、
インバウンド需要に頼らずに地方を活性化させる道筋が
できる可能性があります。
星野リゾートの星野佳路代表が言う
15分~30分圏内の観光」がこれからの地方を支えていく、
かもしれません。

職と住のトレードオンを探す時代に

やや単純な見方ではありますが、
ここまでの話をまとめます。

リモートワークを活用し、仕事を再設計することで、
仕事をする場所(=オフィス)のために住む場所を制限されることなく、
自分の実現したいライフスタイルに従って暮らす場所を選べるようになる。

自分の選択次第で、職と住、どちらの水準も高めることができるかも
しれません。

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