無感情、スッキリ、寂しい、空虚。気持ちの変化。
こんにちは、福井です。
noteで廃業のことを発信すると宣言して、早10日以上が経ちました。
今やってることを書こうと思いましたが、法律が絡むところは非常に書き難く、書いては消してを繰り返し今日に至りました。
この際、法律が絡むところは専門家に任せて、今は私の心情や日記的なものをリアルタイムで発信していこうと思います。
しばらくは「おまえポエマーかよ」って感じになると思いますが、お付き合いいただければと思います。
先週からマスコミの取材を受けております。
早速、新聞に掲載していただいたり、テレビでも放送され始めています。
おかげさまでビジネスで知り合った方々や、友人からも久しぶりに連絡をいただてる状況です。
※掲載されるメディアは『メディア掲載情報』をご覧ください。
会社の清算作業と取材対応でバタバタした生活を送る中、先日5月16日(土)に2店舗で厨房機器の撤去を行いました。
当日はマスコミの方もいらっしゃって、取材対応しながら片付けです。
と言っても、厨房機器が撤去される様子をただ眺めてるだけで、「厨房機器がどんどん搬出されていくなー」程度で取材を受けてました。
気持ちとしては、なんというか、ほぼ無感情。あえて言うならスッキリです。
なぜかというと、
私の感情の山はとうの昔に越えていたからです。
外出自粛の影響が大きかった3〜4月は、店の数字が全然上がらず、頭抱えて眠れなくなるほどでした。
従業員にどう伝えようかとか、これからどうしようかとか、家族に会社をたたむことを打ち明けたり、周りからどう見られるだろうかなど、様々な悩みや葛藤で頭がぐちゃぐちゃ。感情がとても忙しい時期でした。
それらを乗り越えて会社をたたむ決断をしてきましたし、寂しい、悔しいといった感情は過ぎ去ったものだったので、厨房機器を撤去する当日は非常にスッキリしていました。やっと2店舗の片付けが終わる!という感覚に近かったと思います。
しかし、です。
マスコミの方から、
「厨房機器が撤去されているところを見て、今のお気持ちはいかがですか?」
と、あらためてマスコミの方から自分の感情を問われると、
「あれ、ちょっと寂しい。」と思いました。
▲取材でも寂しいと答えました(青森放送 2020/5/20放送)
そして、マスコミのみなさんが帰った後、寂しさのピークを迎えます。
▲館のご厚意により内装はそのまま。
ガランとした店内に、一人ポツン。
抜け殻のような厨房。
つい先日まで料理を作って忙しく働いてたスタッフがいて、会話で賑わうお客さんがいました。
思い出さないわけがありません。
その瞬間、どわっと寂しさが押し寄せてきました。
「おぉぉい、寂しいぞぉ!帰りたくないよぉ!」
とどめはシャッター。
ガガガガガガ、ガシャーン。
頭の中では『閉店』を理解しているつもりでした。
しかし、
「まだ店があるんじゃないか?」
「元気なスタッフがいるんじゃないか?」
と、現実を受け止められていない自分もいました。
閉まるシャッターを見届けた時、「本当に閉店したんだ」と現実を認識することができました。
「あー・・・終わったんだ・・・。」
寂しい気持ちの山を通り越して、心の中は空っぽに。
人間、こうも感情が変わるのかと。
先日投稿したこのツイートに対して、こんなリプをいただきました。
私も閉店を経験したことがあります。
何とも言えない気持ちになりました。(意訳)
何とも言えない気持ち。
まさにそれだなと。
寂しいような、悔しいような、でも心にポツンと穴が空いて、そこから感情が漏れてしまったような、そんな感覚でした。
こうして思い出しながら書いていますが、今では寂しさが少しありつつ、まだ心が空っぽでいるような感覚です。
それだけこの店が楽しかったし、辛かったし、大変だったし、たくさんの感情が動いた場所だったんだろうなと。
まだまだ店の片付けは残っています。それぞれの店に、それぞれのストーリーがあるので、これから先も感情の起伏を経ながら、会社は最後に向かっていくのだと思います。
創業の店は一番最後に片付ける予定です。自分はどんな気持ちで最後を迎えるのか。ちょっとだけ怖さもあります。
いつかこの経験がいい思い出になり、借りていた場所にも違う店が入って、新しい気持ちでお店を訪問できればいいなと思います。
新型コロナウイルスの影響により会社経営が立ち行かなくなると判断したため、2020年5月に会社を清算することにしました。この経験を広く伝えていきたいと思いますので、応援よろしくお願いしますm(_ _)m