三麻押し引き①
初めまして、HOMO女です(´•ᴗ•⸝⸝ก )
先日、天鳳三麻十段になる事が出来ました!
https://twitter.com/aomorino_hiyoko/status/1374872969403531269?s=19
しかし、既にワザ後段域にかなり近い所まできており生きている間に自分の戦術というか研究を書き記しておこうと思いこのノートを書いています(´•ᴗ•⸝⸝ก )
タイトルは三麻の押し引きについてですが、内容は天鳳三麻の押し引きオンリーの内容になります。
雀魂三麻はルールが近いのでほぼ同じ押し引きで問題無いと思いますが、MJやフリー三麻等の他のルールの場合は下記の押し引きより押し寄りになります。
また、十段経験×1で降段が目前の自分が○○だから押し有利だと思う、△△だからオリ有利だと思うと言っても説得力がありませんw
そこで、みーにんさんの著書、データで勝つ三人麻雀のデータを元に押し引きを考察していこうと思います。
この本が出るまでは三麻の戦術は研究する方法がほとんど無かったと言っても過言ではありません。
みーにんさん、本当にありがとうございます!
そして、具体的な局面を文字で見るよりも天鳳の牌譜のスクショで実際に見たほうがわかりやすいと思いますので、天鳳の牌譜のスクショを貼り付けてその場面での押し引き、あるいは若干条件を変えシュミレーションした場面での押し引きを考察していきたいと思います。
余談ですが、自分は天鳳の自分の牌譜を見返す事はほとんどありません。
しかし、牌譜検討はほとんどしないのかと言われるとむしろ逆で、ほとんどの天鳳民よりもおそらく多くの牌譜を見ていると思います。
天鳳では鳳凰卓の牌譜がすべて無料公開されていますので、自分の牌譜は見ていませんが他の強者の牌譜を大量に見ているという事になります。
ちなみに自分がよく牌譜を見ているのは13代目三麻天鳳位、(´へεへ`)さん(以下、吉田さん)の牌譜になります。
吉田さんは昇天後も段位戦を打ち続けた天鳳位で、三鳳南5000戦での安定段位は9を超えています。
仮想段位で天鳳位に返り咲き前人未到のR2500を達成、仮想段位では12段目前の4040/4400まで登りつめるという偉業を成し遂げた歴代最強のプレイヤーです。
しかし、吉田さんが最高段位の天鳳位が霞んでしまう程のダントツの実績を残しているにも関わらず、吉田さんの事を認知しているのは三鳳村の村人に限られるのではないでしょうか?
通常、これほどの実績を残していれば三麻を打たない四麻勢の耳に入ってきてもおかしくは無い、むしろ四麻勢に認知されていて当然では無いかと自分は思います。
鳳東を打たない鳳南民や三鳳民でも鳳東強者の名前はよく耳にしますよね?
あくまで推測なのですが、おそらく吉田さんの打ち方を見てもほとんどのプレイヤーが吉田さんがなぜ勝ち続けているのかわからない、牌譜を見ても強さがわからなかった事が原因では無いかと思っています。
三人麻雀は四人麻雀と比べ情報量が多く、手牌読みや山読みに優れたプレイヤーが三麻強者というイメージが一般的にはあると思います。
極端に言うと当たり牌以外は全部叩き切りあがり切る、しかし当たり牌はビタ止めするそんなプレイヤーが三麻強者のイメージです。
しかし、吉田さんはテンパイからあまり当たらないのでは?と言う牌を引いてすっとオリてしまうような打ち方をする事も多々あります。
また、天鳳以外の一般的な三麻フリー等は天鳳三麻のルールよりも押し有利なルールがほとんどです。
三鳳南の強者も三麻フリー出身の強者も多いと思いますので、そのような点で一見すると強い打ち手に見えなかった事が要因の1つでは無いかと思っています。
しかしながら、三麻のデータ本がこの世に出た事によりこれまでなぜ圧倒的な成績を上げているのかわからなかった吉田さんの打ち方の正当性が証明される事となります。
みーにんさんのデータ本は三鳳強者の牌譜から戦術を研究するにあたり非常に有効なツールとなっています。
みーにんさん、本当にありがとうございます!
話がかなり逸れてしまいましたが、つまり言いたいのは引用する天鳳の牌譜のスクショは自分は吉田さん以外の牌譜は見ないので、基本的に吉田さんの牌譜のスクショになると言う事ですw
あと全く関係無いですが、ロジカル動画その60、吉田観戦は必見です!
前置きが長くなりましたが、本題の押し引きについて検証していきたいと思います。
愚形リーチドラ1のテンパイ
先制北1親リーチ、9巡目、残り筋8本、供託3本1本場で+3200点、3pの放銃率約12%程度
何故、見れば誰の目にも明らかな情報をわざわざ書き出したかと言うと、自分が牌譜を見る限り吉田さんはカウンティングの精度が非常に高いプレイヤーであるからです。
吉田さんのカウンティングについては本題から逸れる為、別な機会に書こうと思いますが、目に見える情報をきちんと把握する事は麻雀というゲームではとても大切な事になるかと思います。
三麻というと四麻よりかなり手牌読みなどがしやすいイメージがありますが、実際には四人麻雀と同じで(少なくとも自分には)ほとんどわかりません。
吉田さんは後手の押し引きが抜群に上手いプレイヤーですが、データと比較して損な選択をしているのに結果的には得をしているという事はほとんど無く、データと比較してみると実は吉田さんの選択が最善手だったというケースが多いです。
つまり、手牌読みを重視するタイプでは無いという事がわかります。
先程の局面、先制親リーチが入っていますが供託が3本あります。
四人麻雀であれば打3pで追っかけリーチを打つのが最善となるでしょう、ラスの比重が高い天鳳ルールでも同様です。
親リーに愚形で喧嘩したくない!ラスりたくない!と思ってしまった天鳳民の方はこの本も読んでみる事をオススメします。
みーにんさん、本当に本当にありがとうございます!
では、三人麻雀ではどうでしょうか?
三麻フリーやMJ等では迷う事無く追っかけリーチを打って問題無いと思います。
しかし、吉田さんは打8pでテンパイを外しています。
ちなみに3pは当たり牌ではありません。
この後、結果的には親のツモ和了で終局するのですが、これだけ見ると従来の三麻強者のイメージでは強い打ち手という印象は受けないのでは無いでしょうか?
仮に三麻鉄強のプレイヤーが「供託あるし残り筋多いしドラの白切りリーチだから曲げていいんじゃない?」と言えばめちゃくちゃそんな気しかしてこないような場面です。
この局面について、まずは親の北1リーチに追っかけ愚形リーチを打つ場合について三麻データ本で見てみたいと思います。
先制親北1リーチに愚形テンパイで追っかけリーチを打つのに必要な要求打点は
8巡目初手放銃率10%で8400点、15%で10000点となります。
また、11巡目初手放銃率10%で9100点、15%で10900点となります。
子の追っかけのリーチドラ1の平均打点が4700、供託3本1本場で7900点なので上記の局面はオリが有利となります。
また、どのくらいオリが有利なのか考察していきます。
押した場合の局収支=和了率30%×(和了時収入7900点-要求打点約10000点)+オリたときの局収支なので局収支700点程オリ有利という事になります。
ただし、場況を考慮するとドラの白を切ってのリーチなので通常の局面より表ドラを保有している確率が下がり、親の打点が下がります。
正確なデータがわからないのですが、おそらく北0.5枚分くらい押しやすくなっていると仮定します。
さすがに北1枚分押しやすくなる事は無いはずですし、仮に誤差が0.2枚分とかであれば押し引きの判断に影響は無いであろうと考えての仮定となります。
比較データとして親リーチが北0枚だった時のデータも見ていきます。
同じ局面で北0の親リーチだった場合の要求打点は
8巡目初手放銃率10%で6200点、15%で7400点、11巡目初手放銃10%で6600点、15%で7900点です。
この場合はベタオリと比較して局収支300点ほど押し有利となります。
おそらくこの北0枚と北1枚の数値の真ん中くらいの数値になるのでは無いかと考えられますので、場況を考慮しても局収支200点ほどオリ有利になると考えられます。
自分は正直この局面を見た時、供託あるしギリギリ押せるのかなぁ…くらいの感覚でしたが、やはり吉田さんの選択が最善手となるようです。
ですが、局収支200点はかなりの微細です。
打3pリーチとしても悪手では無いでしょう。
しかし、吉田さんはこの局収支という指標においてかなり高い数値を叩き出しています。
みんなが大好きなのどっちhttps://nodocchi.moe/tenhoulog/#
で調べてみると、鉄強と言われている三鳳強者の局収支はだいたい80点代〜90点代くらいで100点を超えるプレイヤーは数える程しか存在していません。
しかし、吉田さんの局収支は180点となっています。
普通の鉄強の2倍ですw
この200点の差をを永遠と積み重ねているからこその数値であると考えて間違いないでしょう。
もう1度、先程の局面に戻ります。
先程、追っかけリーチとベタオリを比較してベタオリが有利である事はわかりました。
しかし、打8pとした後に1249pやr5pを引いた場合にはどうしますか?
先程の場面でも局収支200点しか差が無かったので、結論から言うとすべて追っかけリーチを打つべきとなります。
14p引きは好形テンパイになっているので押し有利となりますし、2p引きは残り5枚で好形とは言い難いですが平和の1ハンが増えていますので押し有利となります。
r5p引きは打点が上昇している事から押し有利、9p引きは愚形テンパイに変わりはありませんが、安全牌の1pを切って追っかけリーチを打つ事が出来る為、押し有利になるという事になります。
押しにもベタオリにも属さない回し打ちという打ち方、損な局面が多いとされ現代麻雀においてもほぼ未開拓なブラックボックスとなっているのでは無いでしょうか?
押し引きの期待値が微細で押し有利くらいの場面でテンパイ復活が容易である局面においてはベタオリより有利になる押しよりもさらに有利となる回し打ちという選択が最善手となってくる場合があります。
吉田さんはこの現代麻雀においてもほとんど未開拓の回し打ちについてもかなり深い所まで突き詰めているプレイヤーです。
先程の局面では押しとベタオリの局収支を比較して200点ベタオリ有利という結論となりましたが、打8pにはテンパイ復活しての押し返しがありますので、局収支の差は200点よりもさらに大きくなります。
吉田さんの回し打ちについてはオリ有利となる今回の局面では本題から外れてしまいますので、また別な機会に書いていきたいと思いますが、吉田さんのように回し打ちまで使いこなす高精度の押し引きを実行する為にはやはり多くの局面をどちらの選択がどのくらい有利なのか検証し、感覚に落とし込んでいくしか無いのでは無いかと思っています。
手牌読みに自信のあるプレイヤーであれば、この感覚を身に着けた上でさらに先程の局面でいえば3pの放銃率が通常の局面より低いから押し、または高いからオリなどより正確な押し引きを体現出来るようになるでしょう。
データ本がこの世に出る前にこれほど高精度な押し引きを吉田さんが如何にして身に着けたのか全く謎ですが、ロジカル動画その60の序盤でアバンテス三麻天鳳位とシゲノリ三麻天鳳位に師事しており、2人のハイブリッドと考えると納得の成績というような内容の説明があります。
以前は実力で三麻天鳳位になれたのはくうた、アバンテス、シゲノリの三者のみと言われていたそうで、4000戦安定9段のアバンテスさんと三麻ダブル天鳳位のシゲノリさんの最強の天鳳位×2のハイブリッドですからドラゴンボールでいえばベジットのようなものであり、三麻データ本がこの世に出る前からこれだけの高精度の押し引きを身に着けている事も納得です。
しかし、データ本で1つ1つの局面を検証し押し引きの感覚を身に着けていくのはかなりの労力を必要としますので、実際に吉田さんの牌譜を並べて吉田さんの押し引きを感覚に落とし込みにいく方法も非常にオススメとなっています(´•ᴗ•⸝⸝ก )
吉田さんの話ばかりでほとんど押し引きの検証が出来ていないので、ここからはテンポよく押し引きを考察していきたいと思います!
先程の場面をもう1度見てみます。
この局面では微細で打8pが有利である事がわかりましたが、押し引きを感覚に落とし込むには、北の枚数や初手の危険度、待ちの強さや供託、点棒状況を変えてシュミレーションし、考察していくしかないと思います。
そのような研究にデータ本は非常に役に立ちます。
みーにんさん、本当に本当に本当にありがとうございます!
上記場面では初手放銃率が12%の3pを押す場合には打8pが局収支200点程の微細で有利という結論が出た事で、初手放銃率が安牌の場合やリーチドラ2の場合、好形リーチドラ1の場合などは押し有利となる事は回し打ちのくだりで説明した通りになります。
では供託が3本では無くて上家が出した1本だけだった場合に押し有利となるラインはどの辺りになるのでしょうか。
愚形リーチドラ1では明らかにオリ有利となる為、リーチドラ2の場合を検証していきます。
子の追いかけリーチドラ2の平均打点は6800点、リーチ棒1本と1本場で8000点となります。
親の北1リーチに愚形追っかけリーチを打つのに必要な要求打点は8巡目初手放銃率10%で8400点、15%で10000点です。
11巡目では初手放銃率10%で9100点、15%で10900点です。
初手放銃率12%、9巡目の追っかけリーチを打つ為の要求打点は約9400点と考えられ、ベタオリと比較して局収支約420点ほど不利になると考えられます。
しかし、この局面では字牌のドラ切りリーチの為、北0.5枚分押しやすくなると仮定します。
親の北0枚リーチに愚形追っかけリーチを打つ為の要求打点は8巡目初手放銃率10%で6200点、15%で7400点です。
11巡目初手放銃10%の場合は6600点、15%で7900点です。
北0の場合の初手放銃率12%、9巡目の愚形追っかけリーチの要求打点は約7000点程と考えられます。
よって上記局面での要求打点は9400点と7000点の真ん中の8200点程と考えられますので、局収支60点程の微細で打8pが有利となります。
さらにこの局面では打8pとしたあとにテンパイが復活して押し返せる可能性がありますのでもう少し打8pが有利という結論に傾くと考えられますが、局収支60点程の微細なのでこのあたりが押し引きが均衡するラインであり、これより有利な場面であれば押し、不利であれば引きと体に染み込ませておくのが良いのでは無いかと思います。
また、上記場面では放銃率12%程の無筋3pを押す必要がありましたが、初手放銃率がもっと低い場合はどうでしょうか。
わかりやすいようにもう一度先程の局面をはります。
例えばリーチ宣言牌が3pでは無くて筋の7sの場合で、供託は上家のリーチ棒1本、1本場、自身は愚形リーチドラ1テンパイの場合を考えてみます。
7sは筋ですが、ペンチャンやシャンポンには普通に当たりますので、放銃率を7%と仮定します。
親の北1リーチに対して愚形追っかけリーチを打つのに必要な要求打点は8巡目初手放銃率5%の場合は6900点、10%の場合は8400点です。
8巡目初手放銃率7%の場合の要求打点は7500点程と考えられます。
11巡目初手放銃率5%の要求打点は7500点、初手放銃率10%の要求打点は9100点です。
11巡目初手放銃率7%の要求打点は8100点程と考えられます。
よって9巡目初手放銃率7%の要求打点は7700点程と考えられます。
子の追っかけ愚形リーチドラ1の平均打点は4700点でリーチ棒1000点と1本場200点で合計5900点となり、ベタオリと比較して局収支600点程オリ有利になるという事になります。
しかし、この局面ではリーチ宣言牌がドラの白なので北0.5枚分、押しやすくなります。
毎回同じ事繰り返してない!?と思ってしまった方が多いと思いますwが、実はあえてこうする事で北0の場合、北1の場合、北1だが表ドラが見えている場合の3パターンを同時に検証しています。
また、初手放銃率12%や7%を検証する事で、同時に初手放銃率5%、10%、15%を検証し、9巡目を検証する事で8巡目11巡目を同士に検証しています。
天鳳三麻のルールは頭がおかしくなるレベルで押し引きが非常に複雑なルールとなっていますが、文句は@tsuno_sまでお願いしますw
話が逸れましたが、親の北0リーチに愚形テンパイで追っかけリーチを打つ為の要求打点を見ていきます。
8巡目、初手放銃率5%の要求打点は5100点、11巡目は5400点です。
8巡目、初手放銃10%の要求打点は6200点、11巡目は6600点です。
9巡目、初手放銃率7%の要求打点は約5600点である事がわかります。
北0の場合だと局収支100点程追っかけリーチが有利となりました。
表ドラが見えている北0.5枚の局面では局収支220点オリ有利になるという事になります。
ではリーチ宣言牌が安牌の場合はどうでしょう。
何度も貼ってますが、わかりやすいようにまた貼りますw
この場面でリーチ宣言牌が3pでは無くて安牌、供託が3本では無くて1本という事になります。
先制北1親リーチに愚形テンパイで安全牌を切って追っかけリーチを打つのに必要な要求打点は8巡目で5600点、11巡目で6000点です。
9巡目は5700点程になると考えられますので、子の追っかけリーチの平均打点が4700点、上家のリーチ棒で5700点、1本場で5900点なので1本場の分、局収支30点程追っかけリーチが有利となります。
ただし、ベタオリの場合はとりダマで危険牌を引けばオリでダマテンのうちにたまたまツモあがるケースがあるので、通常はとりダマが有利になるのでは無いかと考えられます。
また、上記局面では上家が表ドラを保有していない可能性が高い為、北0枚のデータを見て、北0.5枚も検証していきます。
親の北0枚リーチに安牌を切って追っかけリーチを打つ場合の要求打点は8巡目で4200点、11巡目で4400点となりますので、9巡目は4300点程と考えられます。
この場合は局収支480点程追っかけリーチが有利となります。
北0.5枚の要求打点は5000点程と考えられますので、局収支270点程リーチが有利となります。
だだし、北が残っている場合や好形変化がある場合には安牌切り愚形テンパイでとりダマにして危険牌引きでオリ、北抜きや好形変化でリーチという選択が有力となる事があります。
ロジカル動画その40、キタ観戦に類似の場面が出てくるのですが、こちらも吉田観戦と合わせてご覧頂ければと思いますw
本当はもっと多くの場面の押し引きを考察して書こうと思っていたのですが、吉田さんの話が長過ぎて思ったよりかなり長くなってしまったので、残りは別な機会に書こうと思いますw
しかし、天鳳三麻の戦術を語る上で天鳳三麻のバイブルである吉田さんの話を避けて通る事は出来ないので致し方無い事だったかもしれません。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました(´•ᴗ•⸝⸝ก )