生きているのかわからない
私の住んでいるアパートの前には、
事故物件がある。
それを知ったのは引っ越してきてから
すぐのことだった。
ゴシップ好きのアパートの住民が
教えてくれたのであった。
本題に入る前にここで
俺の住んでいるアパートの
クレイジーなメンバーを紹介するぜ。
引っ越し初日にずっと荷物の搬入を外で見守り、
自転車に触るなと過敏に反応する
横の部屋のおばちゃん。
私が引っ越してきてすぐに速攻で
深夜にクレームを入れてくる
一個下の階のシングルマザー。
私の自転車が雨風に吹かれて倒れたり、
カバーが風で膨らむのを過剰に嫌がり
天気の悪かった翌日にはビニール紐で
ぐるぐるに自転車を結んでしまう老夫婦。
(これにより自転車に乗る回数がかなり減った)
一生玄関の前のゴキブリを片付けない
見たことのない住人。
あと一人よく知らないおじいちゃん。
そしてメンヘラほぼ無職の私。
の六組で現在アパートに住んでいる。
(これを書くことによって身バレがあるかもしれないが、わりかしもうどうでもよい)
目の前のアパートの話なんてよく知ってるな…
と思っていたのだが、私が引っ越してくる前
向かいのアパートの一室で
ご老人の孤独死が起こってしまったらしい。
辺りには謎の臭いが漂い、
たまらなくなった住人が通報したところ
発見されたそうだ。
入居前に知りたかった、
その部屋ベランダからよく見える場所にあるから…
最初はその部屋が怖くて
ベランダに出られなかったり、
帰宅する際はそちらを見ないようにしていたのだが
幸い私には霊感が全くないようで
何も見えることはなかった。
私が引っ越してきてしばらくは空室であったが、
ある日急に生活の灯りがつきだした。
お、あそこ入ったのか…..
何もないといいな…..
と、勝手に考えていたがすぐに変化が起きた。
わずか二ヶ月を経たずに住居人が
引っ越してしまったのだ。
こっっっっわ、何?
なんか合ったとしかいいようがない。
詳しい事情は全くわからないのだが、
その事故物件は再び空室になってしまった。
そしてさらに二ヶ月後くらいに
また新しい住居人が引っ越してきた。
調べてみると事故物件だという
開示する必要がある年数は三年だそうだ。
知ってるのに入ってくる猛者、強いな。と思った。
しばらくはカーテンが空いていたり、
灯りが見えていたのだが、
ここ最近はカーテンが締め切られ暗く、
生活を全く感じられない。
果たして住民は生きているのか、
常にそこに意識が向いてしまう。
どんな理由であれヤバかったら
すぐに逃げてほしいし、
なるべく怖い思いはしてほしくないなと思っている。
もし引っ越しを考えている皆さん、
これを読んでいたら確認してほしいのは
どんな人がアパートに住んでいるのか。
どれほど長い期間住んでいるのか。
(長い人間がいるほどだるい)
周辺の治安はどうか(向かいに怖い物件はないか)
どれほど教えてくれる不動産屋かどうか。
あまり喋られすぎると、
自分の情報が簡単に漏洩してしまうので
逆に注意してほしい。
部屋はしっかりクリーニングされているか、
暗くて見えないところは
裏までしっかり灯りで確認しよう。
できたら明るい時間と、人がいる夜の時間の
二回は行くべき。
壁が薄いかはその時にわかる。
おすすめは築浅で壁がしっかりしている所…
古い建物には味があるが、
その分苦労することも多い。
なるべく定期的に清掃が入ってくれる
アパートもいい。ゴキブリを毎日見なくて済む。
あと頼りになる人と同伴で行くのも良い、
メジャーを持っていくのベスト。
色々話が脱線したが、
とにかく目の前の事故物件
今度こそ何もないといいね……..
毎日少し心臓に悪い。