夏の終わり
陸橋の上から眺めた上弦の月は雲一つない夜空で存在感をはなっていた。
すれ違う法定速度違反の車が生み出す対流が髪型を勢いよく崩しにかかる。
頭に手をやると、スプレーで固めていないゆるふわセットは、風で脆くも崩れ去っていた。
いつになく夜風が寒く感じられた。
半袖で露出した肌に触れるひんやりとした外気は夏の終わりを告げていた。
そういえば、蝉のオーケストラもいつの間にかしんと止んでいて、道端でセミファイナルに遭遇することもなくなった。
歩道には街路樹の落葉がうっすらと層を成し始め、サンダルで外に出たので家に落葉を少し持って帰ってきてしまった。
9月の終わり頃まではサンダルでもギリ耐えられそうだが、それ以降は秋の装いを準備しないと季節感のない服装になってしまいそうだ。
秋服にブラウンカラーを取り入れるため、今週末はUNIQLOとGUに買い物にいく予定をスケジュールに組み込んだ。
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