言語と私⑤スウェーデン語
Hej!
たしかスウェーデン語の挨拶はこれだったと思う。
先日IKEAでも見た。
英語、中国語、韓国語と来て、まさかのスウェーデン語だ。
なぜスウェーデン語?ドイツ語はどうした?
その辺について書きたい。
10代後半から20代前半にかけて、私は東アジアに夢中になった。
子どもの頃の憧れだったヨーロッパと距離を置くことになったのはたぶん、ヨーロッパの文化が、田舎育ちの庶民の私にはまぶしすぎたからで、自分が育ってきた環境や文化にもっと似ていた東アジアのほうが居心地がよかったのだと思う。
でも、そんな熱中した時期もいったん落ち着き、再び西洋の文化に目が行くようになった。
そして、そんな時にまず出会ったのが、北欧だった。
北欧。
パリやロンドンのような敷居の高さもなく、全体的に落ち着いている感じ。
ここはどんな場所なんだろう。
まずは児童文学の世界から、北欧を眺めてみることに。
北欧児童文学といってまず最初に思いつくのはムーミンかもしれないけれど、私はムーミンではなく、リンドグレーンの作品に惹かれた。
『赤毛のアン』以外にも、田舎が舞台の児童文学、あったんだ!と。
子どもの頃にそれに気づいていればなぁ…。
リンドグレーンから入ったスウェーデンだったけれど、当時IKEAが日本に進出し始めていたこともあり、IKEAに毎月通ってスウェーデンの雰囲気を味わったり、それだけでは飽き足らず、図書館でスウェーデン語の本を借りたりして、スウェーデンに親しんでいった。
いつかスウェーデンに行ってみたい!と、最初はフィンランドよりもスウェーデンのほうがもっと好きだった。
ただ、完全独学だったこともあり、スウェーデン語の勉強は大して進まなかった。
スウェーデンに興味を持ってから数年が経ち、ついに実際にスウェーデンを訪れる機会に恵まれた。
でも、実際に訪れたスウェーデンの印象は、
「え、ちょっと都会すぎる…」
だった。
リンドグレーンの世界から入ったので、こんな大都会は想定外だった。
『赤毛のアン』ですでにそういう経験はしていたはずなんだけど、それから10年経っても学んでいなかったんだなぁ…
とはいえ。
今もスウェーデンのインテリアやデザインは好き。
リンドグレーンの本は今も集めている。
IKEAも行く。
スウェーデン語は、それっきにりになってしまったけれど、ちょっと役に立ったこともあった。
ドイツ留学中にフィンランドに行った時に、ドイツ語に似たところがあるスウェーデン語の知識は、看板などを読むのに大いに助かった。フィンランドでは、フィンランド語とスウェーデン語の両方で書かれていることも多いので。
今後もIKEAには行くし、IKEAでスウェーデンの雰囲気を楽しむことはあるだろうし、そういう時にドイツ語に似ているようで異なるスウェーデン語の違いを比較するのも面白いかもしれない。
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