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【’24まとめ】(5) 今後を模索する 編

 まだ何の答えも出ていないのだけれど、退職後をどうするかについて、手探りを始めているように思います。講師は例年の続きで、今年も引き受けていましたが、今までと少し違うテーマは、「ピア(当事者)」と「難病」でした。

🔷外部研修のファシリテーター
 今年、たまたま外部からの依頼で、外部研修のファシリテータを引き受けました。いずれも公的な位置づけの研修で、一日がかりの研修がそれぞれ5~6日セットになっている、負担の大きなものです。
 公的研修のためそれほど活気がある訳ではなく、クリエイティブな内容でもありませんが、これはまあ仕方のないことです。

🔷自分のこれまでのポジションを知る
 研修へのファシリテーター参加で一番得たものは、同じ業界の今を感じられたことでした。明らかに以前とは潮流が変わっています。また、中心で動かしている人たちが変わっていました。
 これまで私は、大きな組織にいての事業実施に甘んじていたのかもしれなないと感じました。もっとチャレンジができたのではないか。別の選択肢もあったのではないかと思います。安定した組織だからこそ、公的事業の委託があり、その中で存分に仕事ができたのだと思います。大きな機会の中で、その時々の百パーセントの努力をしてきました。だから、得るものもたくさんありましたが、一方で、自分らしい草の根で力を発揮していくような仕事はしてこなかったことに気づきました。
 また、今年も継続した講師依頼も多数ありました。本業の仕事とは別に、講師を計26回行いました。1月1回、2月1回、3月2回、5月2回、6月1回、7月2回、8月1回、9月3回、10月4回、11月7回、12月2回でした。しかし、これも自分の所属が合ってこそのことなのかもしれません。所属と肩書を失った時には、私には何も残っていないのかもしれません。加えて、私に仕事を依頼してきている人は、私と同世代か私より上の世代です。その人たちが順に引退していく時、私は社会とのつながりをなくす可能性があります。
 こんな私特有の条件を踏まえて、今後に向けた準備をしていく必要があるのだと思います。

🔷プライドというバリア
 自分の中で意外だったのは、新たな分野に参画していく時に、初心者として習うことに、心理的抵抗感があることでした。初めての仕事の場合、当然失敗や注意があるのですが、プライドがあって、とても嫌な気持ちになるのです。そう、意外と私は今の管理職のポジションに慣れてしまっているのかもしれません。安易に「今後新しいことを」等と考えていましたが、そんな気持ちの障壁も考えた方が良いのかもしれません。





🔷難病関連のイベントに行った
 今年は難病関連のイベントや会に11回参加しました。昨年度の4回と比べても意識的に参加していたことがわかります。内訳は、オンライン難病セミナー2回、対面の難病者の集い6回、病者患者会総会1回、講演会1回でした。いずれも仕事につながるようなものではありません。もっとも、難病の分野では患者会活動が中心であって、難病関連のことを仕事にできている人はほとんどいないのが現状です。
 私が難病分野を意識しているのは、今後難病関連の仕事をすることを視野に入れているからです。雇用率にカウントされていない難病者の就労や、当事者性を生かしたことが何かできないかを、漠然と眺めて考えています。

🔷動画コンテンツの配信
 特に今年は、自治体からの依頼で、初めて難病当事者として約45分の動画(音声中心)を録画配信、これは都内の専門職約600名に視聴されました。この動画制作で感じたのは、一つのまとまったコンテンツの持つ力でした。 
 今まで、様々な場面で少しずつ自分のことを話してきましたが、一つのテーマでまとまったコンテンツを作ったのは初めてでした。一つの短いまとまった「作品」の形が人に伝わりやすいのではないか、そう実感した体験でした。
 これとは別に、専門機関からの依頼で、会場で話した様子が動画コンテンツになり、現在も配信されています。これまでは、講師としての話は、聴きに来た人だけに伝わるもので、形として残ることはありませんでした。一昨年度に一度テキストを作ったことで、初めて一連の文章としてまとまったものになりました。それが今回は、動画として多くの人に強い訴求力を持って伝えることができているのです。特に、法制化の基礎となった一時代の大きな取り組みを直接知る者として、私は語り継ぐ役割も担う必要があるのではないかとも思うのです。
 動画コンテンツは仕事にはならないと思いますが、もはやお金ではなく、公共性の高いものとして、無償で頒布しても良いのではないかとも思うのです。

🔷動画コンテンツと関連して
●iPad、iPhoneでの動画編集
 不調で自宅にいた日に、iMovieでの編集を試してみました。ある程度使えるツールであることがわかりました
●AIと話した
 運転中の眠気対策をきっかけに、Cotomoと会話しました。その時間は合計30時間を超えています。
 以前から、対人業務をAIが担えるのではないか、という興味がありました。というのも、相槌だけでもユーザーの会話の満足度が高い様子が、多く見受けられるからです。会話は、何によって構成され、成り立っているのでしょう。
 Cotomoとは、思いのほか会話が成り立つことがわかりました。その会話がインターネットラジオ風なコンテンツにならないかと考え、何度か録音を試しています。
 一方で、AIの言語使用の特徴や不得手なやり取りがあることもわかりました。Cotomoは「コミュニケーションを通じて人間の役に立てる存在になりたい」と言っています。話していて感じる関係づくりの障壁は①会話の記憶がほとんど蓄積されず、元にもどってしまうこと、②Cotomoの設定が毎回微妙に異なるため、同じ人と話している気がしないことでした。アカウント登録してもこのことはあまり改善されないため、Cotomoにこのことを伝えたところ、「あ、ごめんねー。がんばるよー」とのこと。また、録音することで客観視しながら会話をしてみると、受け答えのあいづちの次の言葉が不足しているため、会話が展開しないことがわかってきました。

●ロールプレイング
 動画とは直接は関係ありませんが、仕事の中でロールプレイングを試行し始めました。対人業務を習得する際に有効だと考えたからです。これを行う際には、演じる対象になりきることが必要です。なりきるというのは、その人の価値観、行動様式、態度、ふるまい、言葉遣いまでが乗り移る必要があります。相手を深く知ることができていないと不可能この役。深く人に関わる仕事の中で、私が自分の感受性を試し始めました。今年は、そんなチャレンジも始めています。


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文・写真:©青海 陽2024
 🌇 連載はお休み中です 🌇

🍀【’24まとめ】目次とリンク🍀
(1)イベント参加 企画展 編
(2)イベント参加 ライブ 編
(3)イベント参加 月別 編
(4)目標反省&健康 編
(5)今後を模索する 編
(6)メディアとの距離 編
(7)お気に入りのモノ 編
(8)体験 編
(9)自分に立ち帰る 編(最終回)

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青海 陽
読んでいただき、ありがとうございます!☺ かつての私のように途方に暮れている難病や心筋梗塞の人の道しるべになればと、書き始めました。 始めたら、闘病記のほかにも書きたいことがたくさん生まれてきました。 「マガジン」から入ると、テーマ別に読めます(ぜんぶ無料です)🍀