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2021年10月の記事一覧

荒井良二の絵本の魅力

荒井良二の絵本の魅力

今まで考えてみたことがなかったが、私は彼の作品のどこに魅かれているのだろう。そこで改めて彼の作品二十四冊を読んでみた。

 まず気づくのは、前の記事の『そりゃあもういいひだったよ』のように、その世界に没頭できることだ。淡くても伝わる強さを持つ絵と、選び抜かれた言葉によって、絵本の空気の中に入っていく体験ができる。それが例え荒唐無稽な空想の世界であっても、現実的なことを一切考えずに没入できる強い世界

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本『ぼくの絵本じゃあにぃ』荒井良二

本『ぼくの絵本じゃあにぃ』荒井良二

 荒井良二は、私が好きな絵本作家の一人です。今まで何度も買っては人にあげてしまい、私の手元には彼の絵本がほとんど残っていません。
 この本は、荒井良二が彼の創作活動のスタンスについて書いた本ですが、意外にも仕事のやり方の大きなヒントを教えてもらうことになりました。

 

  大好きな絵本ベスト5を選ぶとしたら、私は間違いなく、荒井良二の『そりゃあもういいひだったよ』を入れると思う。
 この絵本を

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