非弁行為を条文と生成AIとで考える ~行政書士の業際問題 第4回~
はじめに
こんにちは!
行政書士の業際問題の第4回です。
行政書士の業務は補集合であるという話は第1回第2回で説明させていただきました。
補集合であるという事は他士業の業務を知らなければいけません。
私の法律理解のレベルでは業際のグレーな部分の解釈はわかりようもないですが、条文に書かれていてわかりやすい部分だけは避けておきたいものです。
そこで今回からは各士業の非○○業務に関する条文を中心に生成AIの力を借りながら見ていこうと思います。
非○○業務の条文とはこういうものですね
こちらは行政書士の条文となります。
※業際問題について自分なりに調べていますが、内容を保障できるものではありません。
第一回にも書きましたが、
①この記事は私個人の調査に基づくものです。間違いがあるかもしれません。
②一部AI機能を活用して作成しています。間違いがあるかもしれません。
③業際問題のグレーゾーンに関しては意見が分かれる場合があるため、ご自身で全詳に確認してください。
非○○業務の罰則
その前になぜ業際に注意する必要があるのか?
その辺を説明します。
第一回で非行政書士業務に触れましたが、各士業も同様に非〇〇業務に対する罰則が定められています。
こちらが罰則ですね。
私は法律に詳しくないのでなぜ各士業罰金額が違うのか?とか不動産鑑定士さんのみ併科もあるのか等の細かい事はわかりませんが、おおむね100万クラスの罰金となかなか厳しい金額になります。
(中小企業診断士さんは独占業務がありませんので、罰則もありません。)
この表は業際を侵した場合の罰則についてまとめていますが、
行政書士同様名称についても罰則が定められています。
勝手に士業を名乗ってはダメという訳ですね。
と、いう訳で本題へ進みます。
今回は有名である弁護士法にある非弁行為の条文について見ていきましょう。
弁護士さんといえばその業務範囲はめちゃくちゃ広いです。
他士業様のように具体的な業務が指定されている訳ではないので
補集合である行政書士から見たら一番気をつけないといけない部分ですね。
自分は非弁行為を避けるため『争いごとには関わらない』ぐらいしか知識がないのですが…
弁護士法七十二条
条文
こちらが有名な非弁行為の条文ですね。
こちらを文言ごとに区切った形にして生成AIに解説させてみました。
1.『報酬を得る目的で』とは
「報酬を得る目的で」とは、金銭や物品、サービスなどの対価を受け取るために法律事務を行うことを指します。
無償での助言や善意の支援は該当しない
実質的な利益がある場合は「報酬」に含まれる可能性あり
2.『訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件』とは
訴訟事件は裁判所での紛争解決、非訟事件は家庭裁判所の相続手続きなど、不服申立事件は行政庁への処分取消や減免請求等が該当します。
訴訟事件:離婚訴訟、損害賠償請求訴訟
非訟事件:後見人選任、相続放棄手続き
不服申立事件:税務署への異議申立、建築確認取消請求
3.『その他一般の法律事件』とは
権利義務や法律上の関係に影響を及ぼす事案全般を指します。
契約書作成
解雇や労働問題の相談
金銭貸借契約のトラブル対応
4.『鑑定、代理、仲裁若しくは和解』とは
法律事務の具体例として以下を含みます。
鑑定:専門的な法律知識に基づいて事案を分析し、判断を提供する行為
代理:依頼者に代わって法律行為を行うこと
仲裁:当事者間の争いを中立的立場から調整する行為
和解:紛争を解消するための合意形成を支援する行為
5.『その他の法律事務』とは
法律事務に関して具体的に列挙されていないものの、同様の性質を持つ業務を広く含むための表現です。
『法律事務』とは法律に基づき権利義務や法律関係に影響を与える行為全般を指します。
この文言により、条文に明記されていない活動も法律事務として扱われ、無資格者が業務として行うことを防ぎます。時代や社会情勢に応じて変化する法律問題にも対応できる柔軟な規定と言えます。
契約書・遺言書作成
訴訟準備書面の作成
紛争解決に向けた助言
新しい法的分野(デジタル資産の管理)に関する助言
6.『周旋』とは
当事者間の調整や取り持ちを行い、問題解決を図る行為を指します。
例:貸主と借主の条件交渉、トラブル解決の調整役
7.『ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。』 行政書士の該当業務
行政書士は、行政書士法に基づき、次の業務が認められています。ただし、紛争性のある事案や法的代理行為は弁護士法第72条により禁じられています。以下、行政書士が行える業務を具体的に説明します。
認められている業務の例
官公署提出書類の作成
例:建設業許可申請、会社設立に関する定款認証の書類作成官公署提出手続の代理
例:許認可申請の代行、行政庁への意見書提出権利義務・事実証明に関する書類作成
例:契約書、示談書、内容証明郵便、事業計画書書類作成に関する相談(法律相談は含まれない)
例:申請書の作成手順、必要書類の確認と助言不服申立手続の代理(特定行政書士のみ)
例:審査請求、再調査の請求
行えない業務(紛争性のある業務)
訴訟代理や紛争解決のための調整
裁判所への書類作成や法的判断を伴う助言
他者間の争いを含む交渉や仲介
行政書士の業務範囲は明確に法律で定められており、特に紛争性のある案件には注意が必要です。他士業(弁護士や司法書士)との協力を視野に入れることで、適切な業務の遂行が可能です。
生成AIの解説をみた感想
7.は行政書士法の条文を載せたうえで生成AIに生成させてみました。
それにしても『ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。』って困りますよね。
行政書士法にも第一条の二 2 『行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。』
とあってバッティングしてたらどっちが優先なの?ってなるじゃないですか。
こういうところは法律の解釈の部分となって判例やら解説書を読まないとわからない部分なんでしょうね~。
詳しい方はどのように感じられましたでしょうか?
各都道府県の弁護士会のHPをいくつか軽く見ましたが、概ね同じ感じだったように感じます。
報酬がお金のみでない事は知らなかったです。
鑑定はお宝鑑定と同じ意味と勘違いしてました。
あと周旋はその言葉自体初めて知りました(笑)
勉強になりますね。
他士業と違って弁護士業務との違いを把握するのは大変ですよね。
結局のところは『紛争性』に帰結するのですかね~~???
さて、弁護士の条文をもう一つ紹介したいと思います。
弁護士法七十四条
先述したとおり弁護士も行政書士と同様勝手に名乗ってはいけないのですが(おそらく他士業も同様の事と思います。)弁護士と名乗るだけでなく、
法律事務所・法律相談も弁護士以外は使用する事が出来ないんですよね。
例えば行政書士事務所の場合ですと『法務事務所』はありますね。
私はオーソドックスな名字行政書士事務所です
法律相談は気を付けないといけないですね。
我々は書類作成に関わる相談をうける事は出来ますが、法律相談は出来ません。
たまにSNSでその辺をやらかしてしまう行政書士の先生を見る気が…。
終わりに
と、言うことで今回は非弁行為の条文を生成AIと共に見てみました。
結論としてはやはり『争いごとには関わらない』がわかりやすい判断なのかなと…
最後に『法律事務』と『法律事件』について生成AIにちょっと長めに文章を書いてもらいました。
この2つの言葉の表す範囲が広すぎて自分にはよくわからないんですよね。
おそらく解釈等あると思いますので、色々意見はあると思いますが、
生成AIの解答ですのでその辺ご容赦ください。
ちなみに自分は読んでもよくわかりませんでした(笑)
それではまた!!
法律事務について生成AIに聞いてみた
質問『弁護士法で定められている法律事務とは何ですか? 』
法律事件について生成AIに聞いてみた
質問『弁護士法にある法律事件の定義を教えてください』