各士業の目的条文がかっこいい～行政書士の業際問題 第３回～
はじめに
こんにちは！
行政書士の業際問題の３回目です。
今回は少し本題を外れた内容になります。
行政書士の業務は補集合であるというのは第１回・２回で述べさせていただきました。
業務を知るには他士業の業務を知らなければいけません。
そのためには各士業の法律を見なければいけませんね。
で、色々見ていて思ったのですが、目的条文がみんなかっこいいんですよね。
かっこいいですし、その士業が何の士業なのかわかりやすいのが目的条文です。
目的条文とは…法律の目的が明記されている条文で、通常は第一条に規定されています。
目的条文を理解することで、その法律が何のために定められ、どのような考え方に基づいているのかが明らかになります。（AIによる説明）
今日はそれを紹介していこうと思います。
行政書士
（目的）
第一条 この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資することを目的とする。
まずは私の行政書士法からです。
『国民の権利利益の実現に資することを目的』ってかっこいいですよね！
弁護士
（弁護士の使命）
第一条 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
２ 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。
流石法律家である弁護士ですね『基本的人権』『社会正義』『社会秩序』と言った凄い言葉が並んでいます。
不動産鑑定士
（目的）
第一条 この法律は、不動産の鑑定評価に関し、不動産鑑定士及び不動産鑑定業について必要な事項を定め、もつて土地等の適正な価格の形成に資することを目的とする。
不動産鑑定士は土地の鑑定の専門家ですが、おそらく多くの人にとって人生で一番の買い物をする事になる分野ですので適正な価格は本当大事ですよね。
公認会計士
（公認会計士の使命）
第一条 公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。
弁護士が法律の専門家・不動産鑑定士が不動産の専門家ときたら
公認会計士は経済の専門家ですね。
経済の専門家だけに『国民経済の健全な発展』が入ってますね。
税理士
（税理士の使命）
第一条税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
お次は税理士です。
税と言うと取られる嫌なイメージが湧いてしまいますが、税理士さんが公正な立場で支えてくれています。
司法書士
（司法書士の使命）
第一条 司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。
司法書士さんもかっこいい言葉が並んでます
『自由かつ公正な社会の形成に寄与』ってかっこいいですよね！
弁理士
（弁理士の使命）
第一条 弁理士は、知的財産（知的財産基本法（平成十四年法律第百二十二号）第二条第一項に規定する知的財産をいう。以下この条において同じ。）に関する専門家として、知的財産権（同条第二項に規定する知的財産権をいう。）の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを使命とする。
理系＆文系のハイブリッド弁理士さんです。
『経済及び産業の発展に資する』かっこいいですね
土地家屋調査士
（土地家屋調査士の使命）
第一条 土地家屋調査士（以下「調査士」という。）は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界（不動産登記法（平成十六年法律第百二十三号）第百二十三条第一号に規定する筆界をいう。第三条第一項第七号及び第二十五条第二項において同じ。）を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もつて国民生活の安定と向上に資することを使命とする。
土地家屋調査士です。
表題部の登記は登記のスタートと言う事で衣食住の住の大切なポジションであります。
『国民生活の安定と向上に資する』はまさにその通りですね。
中小企業診断士
（目的）
第一条 この法律は、国、都道府県等及び独立行政法人中小企業基盤整備機構が行う中小企業支援事業を計画的かつ効率的に推進するとともに、中小企業の経営の診断等の業務に従事する者の登録の制度及び中小企業の経営資源の確保を支援する事業に関する情報の提供等を行う者の認定の制度を設けること等により、中小企業の経営資源の確保を支援し、もつて中小企業の振興に寄与することを目的とする。
中小企業診断士は中小企業診断士法というのはないらしく、
中小企業支援法と中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則によって成り立っているようです。
日本の企業の多くは中小企業と言いますし、『中小企業の振興に寄与』することは日本全体を成長させるのに必要不可欠ですね。
社会保険労務士
（目的）
第一条 この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もつて労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。
社会保険労務士です。
社労士さんの立ち位置って企業側なのか労働者側なのかどっちなんだろう？って素朴な疑問があったりします。
この条文を見る限り双方どちらの立場にも立っているという事みたいですね。
海事代理士
（業務）
第一条 海事代理士は、他人の委託により、別表第一に定める行政機関に対し、別表第二に定める法令の規定に基づく申請、届出、登記その他の手続をし、及びこれらの手続に関し書類（その作成に代えて電磁的記録（電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。）を作成する場合における当該電磁的記録を含む。）の作成をすることを業とする。
実は海事代理士だけ目的条文がないんですよね。
何でなのでしょう？
終わりに
いかがでしたでしょうか？
海事代理士のみ目的条文がないのは謎ですが、それぞれかっこいい文言とその業務が何なのかわかりますね。
目的と使命と二つに分かれているのはなぜなのでしょう？
と、言うことで目的と使命の違いを生成AIに聞いてみました
以下引用です。
法律の目的条文における「目的」と「使命」の違いについては、法律用語として明確な定義があるわけではありませんが、立法趣旨や法律の性格に応じて使い分けられていると考えられます。それぞれの言葉の一般的な使い方と文脈から、その違いを整理します。
「目的」条文の特徴
定義: 「目的」は、その法律全体を通じて何を達成しようとしているのか、つまり法律の存在意義や方向性を示すものです。
使用例: 行政書士法第1条では、「目的」が使われています。
行政書士法第1条（目的）
「この法律は、行政書士の業務及び行政書士会等について必要な事項を定め、これにより行政書士の業務の適正な運営を図り、もって国民の利便に資することを目的とする。」この場合、法律が定める内容や仕組みがどのような目標を達成するために存在するのかを示しています。
主なニュアンス:
法律が設定する「制度」や「仕組み」の意図を明らかにする。
全体としての「方向性」を示す。
「使命」条文の特徴
定義: 「使命」は、その法律によって規定される職業や組織、活動が果たすべき役割や責務を明確にするために使われます。
使用例: 弁護士法第1条では、「使命」が使われています。
弁護士法第1条（使命）
「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」ここでは、弁護士という職業そのものが果たすべき役割を明示しています。
主なニュアンス:
法律で定められた職業や活動の「社会的責務」や「役割」を示す。
法律そのものではなく、規定される主体（職業や機関）の行動指針を強調する。
違いのまとめ
法律的な意味合いの違い
**「目的」**は法律全体の指針として、立法によってどのような社会的意義を実現するかを示す。
**「使命」**は法律により規定される主体の具体的な役割や責任を表し、倫理的・社会的な責務に重きを置く。
立法者は、法律の内容や性格に応じてこれらを使い分けています。例えば、特定の職業や個人が果たすべき役割を強調する場合は「使命」を用い、制度や仕組み全体の目標を示す場合は「目的」を用いる傾向があります。
なるほどわからん(笑)
ではまた！
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