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18歳の恋人たち

まだ年齢が一桁の頃、強烈に「18歳」という年頃に憧れていた。
18歳の自分ではなく、18歳のどこかの誰か。

夜寝る前に今夜はなんの夢を見ようかと考えて、浮かぶのは「18歳」の恋人たち。
その頃、お小遣いで「りぼん(少女漫画雑誌)」を買っていて、それなりに恋愛の話に憧れていたのだと思う。

思い浮かべるシチュエーションはいつも同じ。
冬。2階建てのアパートの1階に住む恋人の元へ男性が会いに来る。
ドアを開けて入り口で抱き合う。それだけ。
その先を知らなかったから。
その映像は今も頭に焼き付いていて、美しいまま。
決してその先には行かない恋人たち。
今もその先を作り出さない私。

実際の自分の18歳はどうだったか。
恋愛はしていた。
バイトばかりしていた。
かつやのカツ丼にはまっていた。
冬には誰かと抱き合っていた。
それはアパートの入口ではなかった。

どこかの18歳の誰かに、また憧れてみようかな。
アラフォーでそれができるなら、私の想像力の勝利。





#戯言



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