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【ショートステイ】協力家庭の体験段vol.2 光岡明美さん〜「なんかビビッときた。「やってみたい!」って」〜

東京都新宿区にある一軒家「れもんハウス」。
「あなたでアルこと、ともにイルこと」をテーマに、年齢や属性は問わず、様々な人たちが集い、出会い、時間を共にしています。
そこは、新宿区の子どもショートステイの受け皿にもなっています。

〈子どもショートステイとは、保護者の方の入院や出張、育児疲れがある時に、生後60日〜18歳のお子さんを、施設や協力家庭で預かり養育する制度です。子どもショートステイの詳細については、こちらの記事をご覧ください!〉

新宿区では、2歳以上のお子さんは、「協力家庭」という区に登録している一般のご家庭でお預かりすることになっていますが、ショートステイが必要な親子がたくさんいる中で、受け入れてくれる協力家庭の数はまだまだ足りていません。

れもんハウスでは、「協力家庭になるご家庭を増やしたい」「ショートステイを利用するハードルを低くしたい」という想いから、新宿区で協力家庭をされている方のインタビューを記事にしてお届けすることにしました! 

<第一弾の記事>


はじめに

第二弾となる今回は、光岡明美(みつおか あけみ)さんにお話を聞かせていただきました。

光岡さん宅のリビング。庭に面した大きな窓。真ん中にはコタツがあり、インタビュアーの2人と光岡さんが向かい合って座っている。テレビや、子どもが遊ぶためのブロックなどが置いてある。整理整頓されている。
インタビューの様子

ショートステイを始めたきっかけ

―どういう流れでショートステイを始められましたか?

光岡さん:もともと、子どもに限らず、お年寄りの方も気軽に来てもらえるような場所を作りたいと漠然とイメージしてたんです。そのことを社会福祉協議会の職員に話してみたら、ファミサポ(ファミリーサポートの略)の研修を教えていただいて、すぐに参加しました。ショートステイのことは、その研修の中で知りました。
「子どもショートステイ」の紹介を聞いたとき、なんかビビッときました。「やってみたい!」って。一緒に生活するっていうところが、「自分に合いそう」って思ったんです。その後は、ファミサポをしつつ、ショートステイの研修を受けて、今は、どちらもやっています。
今回の話をいただいた時に、「なんで私ショートステイやってるんだろう?」って考えてみたんです。大きくなってきた自分の子どもたちが、勉強とかを頑張ってる姿を見て、私も何か自分のできることをしたいなと思ったんですよね。

※ファミリーサポートとは
子どもの送迎や預かりなどで、子育てを援助したい地域住民と、援助を受けたい地域住民が、地域で相互援助を行う仕組み

https://www.city.shinjuku.lg.jp/kodomo/file03_02_00003.html

これまでのショートステイ経験

―どれくらいの頻度でショートステイを引き受けていますか?

光岡:月に3回、4回入る時もあるかな。タイミングは、突然が多いんですよね。

―子どもの年齢は何歳くらいが多いですか?

光岡さん:小学校低学年とか、未就学の子もいますね。きょうだいで来る子もいます。

―ショートステイの日は大体どうやって過ごされていますか?

光岡さん:水遊びができる近所の公園に行ってみたり。でも、最近は、YouTubeを見てるお子さんも多いし、親御さんが気を遣って任天堂SwitchとかiPadを持たせてくれることもありますね。もう、操作も上手で(笑)。私がちょっとついていくのに一生懸命です。子どもからは、「それぐらいできなきゃダメだよ」って言われます(笑)。


習字で「笑門来福」と書いてある白い和紙。
「笑う門には福来る」、光岡さんが大切にされている言葉だそうです。

ショートの一日

―いちにちのスケジュールは?

光岡さん:うちは、朝は大体6時頃に起きるんですけど、子どもさんも割と早くて、みんな7時前後には起きているイメージですね。子どもが8時頃まで寝てるとかは、ないですね。小学生の低学年だと、それから学校の近くまで一緒に行ったりしますね。学校が終わる15時とか16時頃になると、お迎えに行きます。でも、割と、ずっと1日家で過ごす子どももいるので、バラバラですかね。
 家に帰ってきたら、1人でブロック遊びを黙々とやっていたりとか、キッチンにいる私と話したりとか。その後、ご飯を食べて、お風呂に入って、歯を磨いて、お布団に入るのは大体21時前頃かな。

―子どもが寝れないことはありますか? 

光岡さん:んー、ないかなぁ。お布団のある部屋に行くと、みんな寝てくれるんですよね。

子どもとの関わり方

―子どもと打ち解け合うときの工夫はありますか?

光岡さん:なんだろう。「そのまま」なんです。子どもが言ってきたことに対して、自分が「ああしよう、こうしよう」はなくて、本当に自然に話をする。

―本当に、光岡さんの話し方はナチュラルですよね。怒ったりはしないんですか?

光岡さん:本気で怒ることはないですけど、キッチンで危ないものを触ったりとか、一回言ったことをもう一度ふざけながらやったりとかしたら、注意というか伝えるようにしてますね。

編集後記

光岡さんは、れもんハウスメンバーのために、手作りのチョコケーキを焼いてくださっていました。とってもとっても美味しかったです。ちなみに、このケーキは「チョコレート」と「卵」のみでできているそうです…(メンバー全員、びっくりしました)

木のお皿に乗ったチョコレートケーキの写真。テリーヌ系のぎっしりとした濃厚そうなケーキ。
手作りチョコレートケーキとお茶

きっと、子どもにとって光岡さんのお家は「また来たい」と思える場所なのだと思います。自分が住む地域の中に、光岡さんがいたら、とても心強いだろうと感じました。

新宿にも、東京全体にも、もっともっとショートステイの根が広がっていってほしいです。

語り手:光岡明美さん
聞き手:れもんハウス(藤田琴子、村上琴香、なお、長谷川拓人)
執筆:長谷川拓人