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2度目の世界一周で見えた、新しい観光の視点

2024年6月4日から7月6日まで1ヶ月弾丸の世界一周の旅に行ってきました。1ヶ月と短い期間だったのですが、8カ国、17都市、22フライトと怒涛の旅でした。

途中、インドで病院に行く事態やヘルシンキでフライトに乗り遅れつつも、大きなトラブルに巻き込まれることなく、無事帰ることができました。

率直に、このタイミングで行くことができて本当に良かったです。改めて今回の旅を進めてくれた経営陣、会社のメンバー、株主、旅で出会ったみなさん、そしてサポーターやパトロンの方に感謝をしたいです。

このnoteでは、なぜ今回旅に行ったのか、そこで何を気づいたのか、日本の観光で活かせる視点について言葉について書きました。


きっかけは、役員からの一言

きっかけは去年の末、自分自身のエネルギー量が落ちていたことから。理由は書かないですが、誰しもそんな時ってありますよね。そんな時に役員から

「青木さん、1ヶ月旅に行ってきてください」

そういう言葉をもらいました。正直最初はショックだったのですが、よくよく考えるとチャンスだなと。自分自身を見つめ直すきっかけになるし、新たな気付きやエネルギーの獲得になると思いました。

自分自身と向き合う中で、13年前の世界一周を思い出しました。大学生の時に7ヶ月の世界一周に行ったことが、自分自身の原体験になり、MATCHAの創業になりました。

自分自身の原体験に触れ直す上でも、またインバウンドの事業を行う中で新たな視点を獲得する上でも世界一周の旅に行くのがいいのでは?と思いました。株主にも連絡した所、好意的な反応が多かったのも嬉しかったです。


今回の目的と挑戦

今回の旅の目的は何か?は下記3つでした。

①僕自身が外国人目線を持ち直すこと(原点回帰)
②新しい体験を通じて、日本の観光、事業に活かすこと
③会社として旅に行くカルチャーを作ること

①はいいきっかけを得られたので、②と③はこれからという形です。

今回の旅では3つの挑戦をしました。

1つは着物で旅をすることでした。海外を回る中で、着物がコミュニケーション上の武器になると思ったからです。結果として、多くの方に声をかけられ、話のきっかけになりました。着物を一着、浴衣を一着持っていったのですが、夏用の着物が一着あっても良かったです。

2つ目は映像での発信について。いつも以上に映像発信をしていたのですが、旅+仕事に編集の時間を取るのはなかなか難しくて、少し落ち着いたあたりに編集+発信をすることにしました。

3つ目は、ファーストクラスの世界一周航空券で旅をすることです。自分自身の体験の幅を広げようと思いました。今回初めて使ったのですが、おそらく普通の正規料金で乗っていたら500-600万した世界一周航空券が136万円で収まりました。(サンフランシスコ⇨東京のANAファースト便で、片道200万円するので)体験としても、なるほどお金持ちの人たちはこういった所に価値を感じるのか、というのを体感できてよかったです。


世界一周のルートと写真たち

旅のルート:
東京 → シンガポール → デリー → ラダック → バンガロール → デリー → ヘルシンキ → エストニア → ヘルシンキ → バーゼル → チューリッヒ → ツェルマット → ビルバオ → サンセバスチャン → バロセロナ → パリ → NY → オーランド → ラスベガス → ロサンゼルス → 東京

本当はアメリカ周りで行こうと思ったのですが、フロリダでお会いしたかったセントラルフロリダ大学の原先生の予定が合わず、シンガポール経由で行きました。結果としてこの回り方だったことで、スイスのアートバーゼルやLAのANIME EXPOに行くことができました。

実際のルートはこちら。オレンジがフライトの直行便で、黄色の便がトランジット含めた便です。なかなかハードでした。

チャンギ空港にある「Jewel」空港が目的地になる@Singapore

MATCHAのユーザーとの嬉しい再会@Singapore

5000mの山からダウンヒルへ@Ladakh, India

日本食を絡めたおもてなしに感動する@Ladakh, India

Pizza 4P'sオーナーの益子さんと@Bangalore, India

朝7時に病院へ。緊急時の病院の安心感@Bangalore, India

本場のフィンランドサウナを味わう@Helsinki, Finland

夜23時の景色。白夜で世界の違いを感じる@Helsinki, Finland

周遊パスアプリの存在に助けられる@Tallinn, Estonia

街並みや建築はタリンが最もきれいだった@Tallin, Estonia

北欧家具の美しさ@Helsinki, Finland

Airbnbで地元の人の生活に触れる@Zurich, Switzerland

Artbaselで感じる世界のアートマーケット@Basel, Switzerland

山岳ガイドの価値の高さと値段の高さ@Zermatt, Switzerland

今までにない客層を感じたCEREVO Mountain Resort@Zermatt, Switzerland

バスク地方の食への熱量、フードガイドの存在@Bilbao,San Sebastian, Spain

今回泊まった中で一番の宿「Akelare」@San Sebastian, Spain

身体的な料理体験「Azurmendi」@Bilbao,Spain

1on1での旅程作り@Bilbao,San Sebastian, Spain

サンセバスチャンでSushiを食べる@San Sebastian, Spain

オーバーツーリズムを全身で感じた@Barocelona, Spain

同フライトだった人のインスタグラムのフォロワーが8Mだった話@Paris, France

13年前に世界一周の旅であったフランス人の友人との再会@Paris, France

異様な空気を纏ったホテル「maison souquet hotel」@Paris, France

部屋にサプリやCBDが溢れていたエナジティックホテル「Equinox Hotel」@NY, US

日本食の伸びしろを感じたFancy Food Show@NY, US

梅澤さんとまさかのNYで落ち合い、Voicy収録@NY, US

世界の富裕層の日常に触れる@NY, US

人形町で知り合ったアメリカ人「Kian」との再会@NY, US

オーランドは実は湖だらけ@Orlando,Florida

セントラルフロリダ大学の原先生から学ぶ@Orland, Florida

ディズニーで感じた二重価格@Orlando,Florida

着物きっかけでフライト中に声をかけられる@NY, US

圧巻の360度のエンターテイメント@LasVegas, US

大谷選手応援民泊を運営されている服部さん家族と@LA, US

大谷選手人気の熱狂度と2ランホームランに震える@LA, US

ANIME EXPOの日本コンテンツへの熱狂度 @LA, US

超洗練されたスーパー「EREWHON」@LA, US

GLOBAL WIFIには世界一周中、本当に助けられた@All

深夜4時に羽田に到着@Tokyo, Japan


これからの日本の観光に繋がる3つのキーワード

インバウンド観光に関わっている身として、何が活かせるだろうか?を考えました。沢山あるのですが、3つに選べと言われたら下記が浮かびました。どれも日本の観光においてとても重要なことです。

1.Diversity Friendly

1つ目はDiversity Friendlyです。今回出会う人出会う人にインタビューをしました。「日本に来たことがあるか?」「日本の印象は?」「日本に行きたいと思うか?」「行きたいけれど、行かない場合はなぜか?」

インド人の起業家にインタビューした時に回答が印象的でした。

「日本は行きたいけれど、行けないんだよね?」
「なぜ?」
「精神的な準備のコストがかかる。」
「ということ?」
「日本の食事のメニューに、VegとNon Vegが分かれていない。正直怖くていけない。家族連れだと特にね。」

この言葉を聞いた時に、確かにそうだなと思いました。日本に行きたいけれど、情報の整理ができていないことで行けない事態になっている。今後日本が観光立国を目指す中で、また地域として海外の人をより良く受け入れる上で、彼らのDiversityを理解し、対応していく必要性を強く感じました。

2.Pricing

2つ目はPricingです。ラスベガスのスタバでバナナとコーヒーを頼みました。そこの金額が1,500円したんですね。僕はあまり怒りを感じることがないのですが、ちょっとこの金額にはちょっと堪えました。自分の中では「アメリカ=高い」という意識があったのですが、自分の中での価値と価格がマッチしていないなと思ったんですね。

日本のスタバの比較でいうと、約3倍になります。ここに含まれるのは円安だけではなく、インフレの影響が大きいです。最低時給がアメリカのLA等では20ドル(約3000円)を越して、資源高、不動産価格の高騰が価格に反映されています。

何がいいたいかというと、この水準の人からすると、日本は3分の1くらいなんですね。よく日本が安い、と言われていますが、その意味をよく理解することができました。

この物価感覚の認識を持った上で、Pricing(価格設定)をする必要があることを感じました。これは決して海外の人に割高に設定するべきというより、価値に対して価格を適正化するイメージです。

悔しくて、映像を撮ってしまいました。

3.DX/AI

3つ目はDX/AIです。今回の旅では、世界各国の観光DXに触れる旅でもありました。

例えば、インドのBloom Hotelというホテルではチェックインする際にSMSの登録を求められます。そこで情報を渡すと、SMSにリンクが届きます。そこをクリックするとWifiやアメニティの情報がチャットベースで自動で回答されます。真ん中の写真では「Laundry」というキーワードを打った所、「朝8:30-10:30に出してね。48時間後にお返しします。」というメッセージが返ってきました。これによって、スタッフの販管費の抑制に繋がります。

他にもUberのアプリがあると、電動自転車やキックボードのLimeがそのまま利用ができたり、旅がデジタルによってどんどん滑らかになるのを感じました。アプリを新たにインストールせず、目の前にある自転車にサクッと乗れてしまうのは正直めちゃくちゃ気持ちがいい体験でした。


13年前の世界一周とどう違ったか?

いろんな人に今回の旅は13年前とどう違ったか?と聞かれました。

当時と違ったのは、起業をしたこと、インバウンド業界にいること、人との縁がベースとして変わり、それ故の出会いや気づきも沢山ありました。あとは円が当時は1ドル75円だったのに対して、今回の旅中は160円台だったこと。上記にあるように世界のインフレ化は、正直堪えるものがありました。

今回の旅を一言でいうと「価値と価格の相対化」です。様々な国の文化やサービスの価値に触れ、その価値に対する価格を自分の肌感覚にすること。日本標準ではなく、世界標準で考える感覚を改めて持ち直す事ができたことは大きいです。

13年前の世界一周と変わらないものとしては、「原体験にこそ価値がある」と思えたことでしょうか。情報を見聞きしただけではわからない、その場に行くからこその体験が自らの人生を作っていくことを改めて感じました。

13年前のエントリーはこちらです。


最後に

ここまで読んで頂きありがとうございます。

繰り返しになりますが、このタイミングで行けて本当に良かったです。何より楽しかったですし、自分自身が日々作っていたバイアスから外れるいい機会になりました。

なかなか日本だと1ヶ月間、このような旅をするのって難しいです。ただ、海外だと1ヶ月、1ヶ月半休みがあることは珍しいことではなく、観光業界にいる身としてこのような時間の使い方ができる会社にしたいなと思いました。

今回の世界一周で得たことを日々の仕事、観光業界、世の中に還元していきたいと思います。改めて、このような機会をくれた会社の経営陣、メンバー、株主の方、そしてパトロンやサポーターのみなさん、旅出会った一人ひとりに感謝をしています。

最初の世界一周をした時が22歳、2回目が34歳なので次回は46歳でしょうか。その時に世界や自分自身がどうなっているか?楽しみです。

※パトロン、資金周りに関しては別エントリーで掲載することにしました。


【期間限定のお知らせ】

9月19日のインバウンドサミット2024の17:20-にて、今回の旅を通じた話を山田桂一郎さんする予定です。オフライン限定になりますが、よければぜひご参加ください。


【おまけ】より詳細の情報を知りたい、世界一周に行こうと思っている人向け

ここから先は、報告会の先の資料と費用明細や持ち物リスト等を整理したスプレッドシートになります。主にパトロン、サポーター向けではあるのですが、今後旅に行く人に参考になるのではと思っています。(世界一周航空券のtipsは半年後ぐらいに公開しようと思います)

またパトロン、サポーター向けのFBグループもあり、そちらも参加頂いて大丈夫です。応援的な意味合いでももちろん歓迎です。次回の旅に使わせてもらいます。

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