
ゲルハルト・リヒター展@国立近代美術館











先週の日曜日、興味があったゲルハルト・リヒター展へ行ってきました。場所は竹芝の国立近代美術館。
今回、普段とは違ったアートの見方をしました。それは2時間半、他の作品を一切見ずに、一つのアート作品を見続けるというもの。
きっかけはこの本を読んだことから。とある章で、ハーバードの授業の話がありました。その授業の最初では、美術館に行くそうです。その時にスマホをロッカーに預けて、一つのアート作品に3時間見続けるというもの。
現代の人はスマホに注意力が奪われていて、目の前のことを我慢して見続ける力が足りなくなっている。しかし、待つことで見えることがあって、それに気づかせようという授業です。
自分自身、インドで10日間ヴィパッサナー瞑想をしたり、待つことの恩恵を知っている身だったので、気軽にできて、面白い体験だなと思って早速真似してみました。
今回は時間がなかったので2時間半ほどだったのですが、それでも色んな言葉が自分の頭の中に生まれました。

最初のうちは、黄緑色がよく目につきました。(MATCHAの色に近い)。だんだん白に目移りしてくる。面白かったのが、緑に意識を入ると、全体の緑色が飛び込んでくる。白を意識すると、全体の白が見えてくるのも同様。
1時間位たった時に、黒の存在が突然見えてきて、え、黒あったの?と驚いたりする。見ているようで、全然見ていないんだなと思いました。普段自分たちは何を見ていて、見ていないのか。見たものを見ているんだなと思いました。
グレーが弱いなと思いつつも、別に色に対する優劣はなくて、それごとに意味や役割があると認識するようになる。明るい色には人を惹きつけ、暗い色には人を吸い込むような力がある。
色んなお客さんがいるけれど、写真を撮っているときは、そのアートそのものを見ているのではなく、撮った後の人の見せた時の反応を求めて、撮っているようにも感じました。もちろん、人によると思うのですが。
時間を気にすると、時間が長く感じて、そこに意識が持ってかれます。まだ5分しかたっていないのか、という変な期待とギャップに心を持ってかれる。
時間を意識から外すと、心身ともにリラックスし、自由にアイディアが浮かぶ。
アート作品の感想や気付き以外にも、仕事のことややりたいことが沸々と頭に浮かんでくるので、それは手元のノートに書いたりして、思考の整理の時間の上でも良き時間でした。

終わった後に、大手町を自転車で抜けたのですが、いつもよりビル群が立体的に見えました。一つのものをずっと見続けたこともあり、物事の注意力が上がっているのを肌で感じました。
一つのアート作品を2時間、3時間と見続ける。結構面白い体験なので、興味がある方がいれば、ぜひ週末にでもやってみてください。
ゲルハルト・リヒター展もおすすめです。休みの日の当日も難なくチケットを買えました。17時に閉館と少し早いので、そこだけ注意が必要です。
いいなと思ったら応援しよう!
