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iPhoneとQC30

通勤時のお供として愛用しているBOSE QC30。
Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンで、ノイズキャンセリング機能付きが売りなモデルです。

ノイズキャンセリングの話も色々あるけど、今回はiPhoneで使うBleutoothイヤホンについての話を書いてみましょう。

まず、音質を重視するなら、有線一択だと思います。ワイヤレスになっただけで相当色々なものを失います。今まで普通に享受できていたものも含めて。

Bluetoothはそもそも汎用的な近距離通信手段として設計されたもので、音楽用途を念頭に置いて作られたものではないのです。利便性というものは何かの制約の上に成り立っているものだと理解しましょう。

Bluetoothには規格があります。

今使っているiPhone 8はBluetooth 5。QC30はどうやら4.2らしいです。これは世代であり規格の一つ。

相互に対応状況が異なる場合、互換性の問題が生じるので、古い(小さな数字の)方が使われます。つまりこの組み合わせではQC30の対応しているBluetooth 4.2でしか使えないというわけですね。

他にもAAC、aptX、LDACといったコーデックと呼ばれる規格があって、オーディオ用途に使う場合はいずれかのコーデックを使って通信をしています。

こちらも送信側(スマホ)、受信側(イヤホン)双方が対応してなければ使えないものです。

iPhoneはAACにのみ対応していますが、やや古い規格なので今となっては高音質とは言いがたいと思います。

何を採用するかは政治的な思惑も絡む問題なので難しいところですが、今のApple社はそれほどオーディオに力を注いでないので、優れているからといってaptX(Qualcom)やLDAC(Sony)に対応することはないでしょう。AACベースの進化版が出て来るのを待つしかないかな?と思います。

iPodで携帯音楽プレーヤーの雄になった会社でも現状はそんな感じです。より高音質で楽しみたい方は高音質なコーデックに対応したAndroid端末を選びましょう。

Bluetoothの大きなネックとなっているのは通信帯域です。つまり、車線が狭くて一度に送れるデータ量が限られるのです。おまけに電波状況は周囲の影響で常に変化するもの。規格の上限まで出せるような理想的な環境は少ないです。

そもそも最高速度を維持できたとしても、現在のBluetoothではCD相当の音源を無圧縮で送ることはできません。

なので、常に圧縮してデータ容量を減らして送信されます。コーデックとはその圧縮のやり方を定義したもの。いずれにしても不可逆圧縮なので、常に間引かれた音源が耳に届きます。これがBluetoothオーディオの実態です。

音質重視なら有線一択と言った理由はこの辺にあります。信号の伝搬ロスはあっても、意図的に間引くというのは別の話だと思います。

さて、実際の使い勝手ですが、電波のひしめく2.4Ghz帯を使うBluetoothなので、通勤ラッシュ時の池袋駅などではブツブツ切れます。電波状況が良くないので通信が持続できないのでしょう。まあ、そんなものです。

たまに聞かれるのでついでに書いておくと、ネックバンド式のQC30を選んだのは、回路の搭載スペース(=ネックバンド)が大きい方が、物理的な制約から解き放たれ、結果いいものに仕上がりやすいからです。(あとバッテリー)

搭載スペースが限られると、収まるものしか採用できないですからね。高音質なオーディオ機器って大抵大きいんですよ(笑)

オーディオ機器として見た場合、Bluetoothレシーバーで受けた後は、DAC、アンプといった構成が必要だと思います。

これらの機能は一応Bluetoothレシーバーのチップに統合されていますが、オーディオ用DACとの実力差はかなりのものになるでしょう。統合DACのSN比は96dBとかです。オーディオ製品なら今時見向きもされないようなスペックですね。

スペースがあってもオーディオ用DACが別途積まれているとは限りませんが、スペースがなければレシーバー統合DACに任せるしかないでしょう。そういう話です。

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