ディスクレビュー:『FIERCE-EP』/lynch.
簡潔に表すと、黒夢やLUNA SEAに影響を受けていることを隠さなくなったなあと。
でもちゃんとlynch.の音になってるでしょ?という自信が垣間見える作品。
今作はわたしにしては珍しく歌詞カード見ながら聴いたんですが(普段からそうしろよ)葉月さん曲、悠介さん曲以外は、玲央さんと葉月さん、明徳さんと葉月さんの共作クレジット。
そして歌詞カード最後のクレジットにはlynch.のサウンドには欠かせない存在となったЯyo TrackmakerことЯyoさん。
そしてAll sequence programmingとして悠介さんの名前が。これって『FIERCE-EP』以前もそうだった? だったらすみません。
「UN DEUX TROIS」も「EXCENTRIC」もアヴァンギャルドなモダンヘヴィ
でもキャッチーさも忘れてない
「EXCENTRIC」で激しいのにどこかキャッチーに聴こえたところはラップメタルというらしいです。
「EXCENTRIC」のラップメタルは葉月さんのアイデアだとROCK AND READ 113(音楽雑誌)で読みましたが、そのアイデアをブラッシュアップさせたのはЯyoさんの辣腕によるところが大きいと思ってます。
ゴリゴリのサウンドなのにどこかキャッチーにも聴こえる。
それで昔の音楽雑誌でЯyoさんが、
「あんまりゴリゴリなのは好きじゃない、メロディーがたってるのが好き」
みたいなことを話していたのを思い出し。別のインタビューで葉月さんも昔同じようなことを言っていたなあと。
(昔の話なので記憶が混ざっていたらすみません)
「UN DEUX TROIS」「EXCENTRIC」は特にその言葉どおりの仕上がりの曲になっているなあと。
まさに葉月さん曲とЯyo Trackmakerマジック。
「EXCENTRIC」については下の記事でも語ってます。
「斑」というと『夏目友人帳』のニャンコ先生を思い浮かべるオタクですが。
「斑」はlynch.お得意のエロい歌詞だった!
そしてBメロでは悠介さんの声があああああああああああああああああ(荒ぶる下手の民)
以前、バンドのイニシアチブを悠介さんも握れるようになっていればと、悠介さんがイニシアチブをとったlynch.も見てみたいと生意気にも思ったことがあって。
だけど、葉月さんがイニシアチブを握るバンドのスタンスは変わらずに、他のメンバーにまかせられるところはまかせるスタイルに少しずつ進化しつつあるのかな?
これについては下の記事でも語ってます。
悠介さんのボーカルパートはライブで良いフックになりそう。
明徳さんと葉月さんの共作で、Aメロのベースがゴリゴリ。
だけどベーシストの作る曲ってもっとベースの音がゴリゴリ前に出てるという勝手なイメージがあったんですが、この曲「斑」はそれほどでもない印象。葉月さんとの共作だから? でも葉月さんもかつてはレコーディングでベース弾いてた人だし。はて?(流行りにのってみた)
玲央さんと葉月さんの共作「A FIERCE BLAZE」は私見ですが、イントロとか、keinで演っててもおかしくないナンバーのように思いました。keinで演るとなるとテンポがもっとゆったりしそうだけど。それと北欧メタルのにおいもする曲。
「REMAINS」は悠介さん曲らしくLUNA SEAの影響が垣間見えるナンバー。でも往年より近年のLUNA SEAっぽいイメージ。
「UN DEUX TROIS」もでしたが、シーケンスっぽい音が多用されているところは健康での経験が活きているんだろうなあと。
そして他の曲がほぼ3分台なのに対しこの曲だけ5分超え
メンバー個々が各々の個人活動をバンドに持ち帰って、lynch.をブラッシュアップさせた印象を持ちました。
これも私見ですが、この作品が本当の意味での「REBORN」と言っていいかもしれません。
トータルタイム19分ってのも聴きやすくて良い。
最新作が最高って最高。