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底上げとはトップが上積みされて引き上げられるものである

今夜は焼きそばを作りました。
夏。
しかも雨。
とても蒸し暑くじめじめした一日でした。
この感覚は間違いなく夏。
夏と言えばお祭り。
祭りと言えば焼きそば。
そうだ、焼きそばが食べたい。
そう思ったのは昨日の事。
材料を買って、本当は昨日作るはずででしたが、PCの換装作業に没頭し過ぎて晩御飯が作れず、そのまま今日に持ち越しとなったのです。

日をまたいでも焼きそばへの愛は変わりませんでした。
しかし夕方頃になり息子が「晩御飯なに?」という定番の質問。
焼きそばだと伝えると、悲しそうな顔をしてまた一言。
「もやし嫌やねん」
まじか、と絶句しました。
もやしがない焼きそば、考えるだけでも冷や汗が吹き出ました。
しかしよく考えると、息子のもやし嫌いは深刻でした。
料理によっては全く口を付けない事もしばしば。
もし今日の焼きそばを残されたら、僕の精神的ダメージも深刻である。
急いで代替案を用意しなければ、と焦るも、外は超絶な豪雨。
米は炊いておらず、冷蔵庫の材料を考えても、献立を変更するのは現実的ではない。
そうなるともやしを抜くしかない。
しかし、焼きそばの大部分を占めるもやしを抜くとなると、どうすれば良いのか。

そんな事を思案していると、悩む脳味噌には関係がないと言わんばかりに身体が自然に動き出しました。
まずキャベツを細かく切り、冷凍庫から細切りにして凍らせておいた人参とタマネギを取り出す。
豚肉はあらかじめ解凍済みなので、材料をごま油で照りかえるフライパンに叩き落し炒めました。
野菜の解凍はせず、そのまま高火力で焼ききります。
塩胡椒はやや多めに振りかけ、しっかり火が通ったら麺を混ぜ、更に火を注いでいきます。
最後にソースを絡ませ完成。

悩んでいる間に全て終わりました。
細かく切った野菜を冷凍するのは、割と最近始めたことです。
夏なので痛むといけないと思い、買ったその日に野菜を切って冷凍するという手段を自分で思い付き実行していました。
そしてそれは、今日のような急な場面でも、しっかりと役目を果たしてくれたのです。
また過去の自分に助けられたのです。

こうやって日々、経験値を積み上げ料理への解像度を上げていれば、少しずつではあるけれども実力は付いていくのです。
そして至らない点は、特に磨かずとも知らず知らずの内に底上げされ全体のステータスが上がるのです。
自分の悪い点など気にしなくても良いのです。
低い所なんて見ていても解決はしません。
良い所、好きな所をひたすら伸ばせば、いつの間にか全体がレベルアップしているものなのです。
そしてそれが、いつか未来の自分を助けるのです。

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