死ぬかもな出来事3選
齢37にして、これまで死ぬかもと思った出来事を3つお届け。
第一位 風呂場の物干し竿を前に携帯充電コードを握りしめていたとき
まだ若かりし頃、季節の変わり目に風邪を引いて治らなくなった。初めて経験する東京の夏は想像を絶するほど暑くて、研修室はとても寒い。
自律神経がおかしくなり、食べ物の味が分からなくなって人の話がうまく理解できない。
気づいたら、充電コードを握りしめていた。
止まったのは、父親と同じ死に方をしたら、母親が狂うだろうという一点においてのみ。
第二位 誘発分娩
長期安静の果てに高位破水し、37週をやっと迎え血圧も振り切れたところで妊娠を終了させることに。
誘発剤は私の穴という穴から体液を噴出させた。(多分耳以外全部)
夫には大変な醜態を晒した。陣痛のピークで吐くので、ゲロ袋を持たせたのは後にも先にも母以外彼しかいないことだろう。
会陰切開もしっかり痛みを堪能し、出血は1.5ℓ。
分娩直後の写真は笑える程白い顔をしていた。
第三位 終バスと共に冬の車庫に入庫
高校生の私はバスにありとあらゆるものを忘れてきた。中身の入った弁当箱、学校のフルート、携帯電話、英単語帳、エレキギター、バスの定期券、自分。
(弁当箱以外は戻ってきた)
とある雪の日、終バスを過ぎてもなかなか帰らない私を心配した母は町のバスターミナルに電話した。
とっくに終バスは着いていて、乗客は全員下車したと。
しかし、母は私の忘れ癖を忘れていなかった。
バス庫で眠りこけている私を発見したのだった。運転手からは絶妙に見えない角度に寝ていた。
母が気づかなかったら凍死していたのだろう。
本人は眠ったまま、極上の世界に昇っていっただろうに。
結果死なずに元気に楽しく生きてますけどね。