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ミーティングの後のフォローアップ /ファシリテーション一日一話

終わりよければすべてよし、だが…

会議が終わって、あれこれ決まったことや、未決定だけど次回に持ち越す項目を確認して解散をする。「終わりよければ全てよし」と諺にあるように会議の終わり方は大切だ。「じゃ、まぁ、そういうことでー」といって終わったら、それぞれの想像する「そういうこと」にかなりズレがあることもよくある。いわゆる「そういうことで解散」というやつだ。そうならないよう、今回の会議で何が話されて、どう決まったのか、誰がどう動くのか、など確認して散会したい。

時間をたっぷり取ることができる場合は「チェックアウト」といって、会議を終えるにあたっての一言を全員から頂くこともある。話し合いの最中に感じていたことや、話し合ってみての今の心持ち、あるいは皆に伝えたいことを話してもらう。すると「みんなで〇〇を盛り上げていきましょう」とか「自分が見えてなかったけど、今回の事業の意味についてより深く納得がいった」といった声が聞こえたり「△さんの発言をきけてほっとした」「●●をするうえで、この点だけはどうか配慮願いたい」などと最後の一声を発して終えることができたりする。これをすると、最後にお互いの居所を確認できるので、それぞれスッキリした気持ちで解散しやすい。

浮かない顔

ただ、ばばばっと会議を終わらせて部屋を片づけていると、ときどき浮かない顔を見ることがある。他のメンバーは、それなりの納得度がありそうなのに、その人は少し様子が違う。そんな時は、個別に声をかけるようにしている。会議の直後に少し時間がとれそうなら、掃除の手をとめて「〇〇さん、今日の会議、どんな感じでした?」と感じをきくのもよい。直後に立ち話が難しそうなら、個別にメッセージを送って「少し、お話しきいてもいいでしょうか?」と連絡するようにしている。

すると、ミーティング中に皆はああいってたけど、本当は違うんじゃないかと思う、とか、こういう結論に至ったけれどそれでは過去の過ちを繰り返すだけではないかと感じている、とか、会議中では言えなかったお話しをきけたりする。もちろん、本来であれば会議中にそれを言ってもらえるような場づくりをするのがファシリテーターの役目ではある。ただ、時間のなかでそれができないことも、よくある。なので、ちょっと個別にお話しをきくのも、ありだと僕は思う。たいていの場合15分もお話しをきけば、当人のなかで合点がいったり、自分がやるべきこと・できることがクリアになったりする。個々人でうまく処理出来そうにないものは、少しだけ助け船を出して「僕のほうから上司の△△さんに、それとなく伝えてたほうがいいかい?」ときいてみる時もある。言いたいけど、言えない。伝えたいけど、ちょっと怖い。そんな気持ちがあるのも当然だ。

言いたいことはあるけど、言えてないとき、人は浮かない顔をする。向こう岸に届けたい気持ちはあるのだが

ほろっと泣きたい時もある

先日、あるミーティングのフォローで個別にお話しをきいていたら電話口ですすり泣く声がきこえた。自分の至らなさ、くやしさ、苦しさ、もどかしさを、きいた。みんながいるミーティングの場所では、なかなか涙を流しにくい人も、個別に伺うと、そうやって気持ちを吐露してくださる時もある。そんな時はただそっと受け止めて、心のなかでエールを送るようにしている。

納得いかないことも、あるだろう。悔しいことや、残念なこと。分かって欲しいのに誤解されてしまうことだってある。その心情を語れる場がこの世に少しでもあるといいなと、僕は思う。

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