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金持ちじゃなくてもできるお布施「無財の七施」
ファシリテーター仲間の加留部貴行さんから、新著「参加したくなる会議のつくり方」を献本いただきました。副題に「公務員のためのファシリテーション入門」とあります。この本から学べることは、いくつもあったのですが、とくに、あとがきに「顔施」というお話しが出てきたのが、一番興味深かったです。加留部さん、ありがとうございます。
加留部貴行さんに献本いただいた新著「参加したくなる会議のつくり方」を拝読。1時間かからずして読めた。文字も大きく、はっとさせられる図解がいくつもあって、大変勉強になりました。特にファシリテーションとは○○しやすくする、という下りが秀逸。Amazonでも予約開始!https://t.co/nbykpdIj3q
— 青木マーキー@オンライン会議を参加型に! (@aokimarky) April 2, 2021
調べてみると「雑宝蔵経」というお経に書かれている「無財の七施(しちせ)」がルーツとのこと。そもそも仏教では、悟りを開くために6つのことを実践しましょう!というお話しがあります。六波羅蜜(ろくはらみつ)という実践で、戒律を守りましょうとか、怒りを捨てましょうといった実践の一つに「お布施をしましょう」というのがあるようです。通常、お布施というのは、自分の財を寄付するというものですが、仮にお金持ちじゃなかったとしてもできるのが「無財の七施(しちせ)」とのこと。僕はこの教えを聞いて、あぁ、これをもっと日頃から実践したいな!と感じたのでnoteしておきます。
無財の七施
1.眼施(げんせ) 「やさしいまなざし」
2.和顔悦色施(わげんえつじきせ)「にこやかな顔」
3.言辞施(ごんじせ) 「思いやりのある言葉」
4.身施(しんせ) 「自分の身体でできることで奉仕」
5.心施(しんせ) 「心をくばる」
6.床座施(しょうざせ) 「席や場所を譲る」
7.房舎施(ぼうじゃせ) 「安息できる空間を提供する」
まずはじめは、眼施。これは他者を見るときに、やさしいまなざしで見ること。僕はよく目が怖いと言われるので、気をつけたい(笑)。どうしても他人に対して、厳しいまなざしを向けてしまうことがある。芸能人の不倫や不祥事がひとたび報道されると、ボコスカに叩きまくる世風があるけれど、もうすこし「やさしいまなざし」で見ることはできないかなぁと感じることも。
2つめが和顔悦色施。おそらく加留部さんがあとがきにお書きになったのは、これを略した「顔施」という言葉かと思います。人と接するときに、にこやかな笑顔でいると、それだけでお布施をしたことになるなんて、ステキですね。これが自然にできている人は、ほんと、リスペクトです。オンライン会議でも、怖い顔しちゃってるかも。もう少し自然な笑顔が出せる自分でいたい。
3つめが言辞施。これは、言葉でできるお布施。優しくて、思いやりのある言葉を発すること。なかなかできないですね。これも。厳しい指摘とか、ダメだしならいくらでもできるのに、本当に愛のある言葉を発するのは、なかなか修行がいります。別の表現で「愛語施(あいごせ)」という言い方もどこかで見かけました。「たいへんでしたね」「ずっと努力なさってこられたんですね」「よくぞ頑張りましたね」といった愛のある言葉を発していたい。
4つめが身施。自分の体をつかってできる奉仕。電車のなかで、誰かが網棚に荷物をあげようとしていて苦労しているときに「手伝いましょうか?」と、さっと手伝えること自体がお布施なんですね。自分の体をつかってできること、たくさんありそうで、やってないなぁ。近所に住む老夫婦の家の草刈りでもしてあげようかな。
5つめが心施。他人のために心をくばるということ。だれかに何かをしてもらったときに、心から「ありがとう」って言えること。毎日の食事も、皿洗いもトイレ掃除も洗濯ものも、やってもらって、当たり前と思っていたら、大間違い。妻に家事をしてもらったときも、子どもに1階から新聞をとってきてもらったときにも、心から「ありがとう」を言ってみよう。
6つめが床座施。電車のなかで、席をゆずること。電車に乗り込むと、つい空席をさがし、われ先にと座った後の、なんだか恥ずかしい感覚。最近電車に乗っていないけど、つぎ都会にいったら、やってみよう。空間をゆずる、自分の場所をゆずるというお布施。あるいは、誰かと意見が衝突したときに、相手にゆずるというのも含まれるらしい。つい、「自分が正しい」と思ってしまうことがある私は反省したい。
7つめが、房舎施。このあいだ四国をドライブしたのだけど、お遍路さんがたくさん訪れる場所だけあって、道ばたに休憩できる場所がいっぱいあった。旅人を無料で泊めてくれる人もいるらしい。旅人に安息できる空間を提供できるって、かっこいいな。そんなお布施もありなんだ。ちょっとしたベンチや腰掛けられるところをつくってみるのも、いいお布施だとすれば、何か僕にできることはないか。そんなことを考えさせられました。
というわけで、なにもお金持ちじゃなくてもできるお布施があるんだよ、っていう話。僕はなんだか、この話を知ることができただけで、とてもうれしかったです。加留部さん、献本、ありがとうございました!
毎朝10分「会議が上手になるコツ」を無料配信している「会議が上手になるラジオ」でも紹介させていただきました。あわせてお楽しみください♪
本日の #会議が上手になるラジオ では、ファシリテーター仲間の加留部貴行さんの新著「参加したくなる会議のつくり方」を紹介させていただきました。あぁ、いい本だhttps://t.co/tOPm2YABfS
— 青木マーキー@オンライン会議を参加型に! (@aokimarky) April 2, 2021