【開催レポート】 からだを通して きく・かく・えがくファシグラ・キャンプ2024 を終えて
ファシリテーター仲間のいわし〜と開催したファシグラ・キャンプが終わった。淡路島の古民家・琴屋を活用して「からだを通してきく・かく・えがく」をテーマに開催されたこの事業、今回は親子連れ参加で満席だった。3才から7才までの子どもが5人もいると、大人の世界が作る秩序とは異なる世界が展開される。遊びが大好きな子どもたちは到着と同時にカニを捕まえにいったり、海に遊びに出たり、おいかけっこをしたり、おままごとをしたりと、やりたい放題だ。そもそもこの古民家は、子どもが自由に遊べる空間として整えてきたので、ありがたい活用法でもある。
子どもたちが、わんさと自分たちの世界を広げると同時並行で、大人達はファシグラ・キャンプを深める。お互いの自己紹介をリレーでかきあったり、風を感じてそれを1枚に表現してみたり、大きく貼った模造紙にあるテーマで意見交換をしながらかきこんだり。「かく」ためには、まず「きく」必要がある。他者の発言や声を聞きがちな私たちファシリテーターこそ、自分自身の気持ちや感じていることを、まずはよく「きく」といい。自然のなかで自分の体が感じていることを、ひとつひとつ確認しながら、かいてゆく時間、心地よかった。
大人達が書いていると、ときどき遊びから戻った子どもたちが、いっしょに描きに入ってくれたりもする。満足するまでかくと「はい!」と手を挙げて「僕のアートできた」と発表してくれる子が出てきた。大人たちは「はい!」がきこえると、いったん手をとめて、その子の作品を鑑賞する。つぎつぎと生まれてくる絵が、心地よく、率直で、微笑ましかった。子どもによって、何度も登場するモチーフがある。恐竜だったり、焚き火だったり、円だったり、家だったり。自分の大切な何かを表してくれたり、今体験していることを即座に描いたり。子ども達の様子を見ていると「いま、自分が感じていること」にとても素直に、どんどん手を動かしている。そう、僕たちはこの姿から学ぶといいんだ、と大きなヒントを頂いた。ほんと、溢れるように描いてゆくのよ、子どもたちは!
世の中には色々な考えの人がいる。子どもが裸足になって、泥だらけでカニをつかまえて遊んでいる様子を見て「おー!よく遊んでいるなぁ」と微笑ましく見る人もいれば「なんて不衛生で危険な遊びをする子どもたちだ。親は何をしているんだ、靴ぐらい履かせろ」と見る人もいる。子ども同士で道具の取り合いや、譲り合いが起きたとき、我が子に向かって「ありがとうは?」「ごめんなさいは?」と、毎回のように教えようとする親もいれば「そんなことは、本人が本当にありがとう、と思ったらちゃんと言うだろう」と構えている親もいる。どちらかが正解なのではないのだけど、つい私たちは「自分の考えているのが正解」と思いこみやすい。自分と異なる挙動をする他者と、どう「交ざる」ことができるのか?を意見交換した。
いわし〜の提案で、大きな模造紙に皆で描いてみる時間をもった。絵の具やクレヨンや書道の墨やらをつかって、それぞれに描く。あるとき、隣の領域と融合したり、混ざり合ったり、重なり合ったり。「交ざる」とは何か?をテーマにディスカッションした後ということもあって、それは複合的な体験となり、言葉で交わしたことが、今、目の前で手のひらを絵の具だらけにして現実の社会に現れるという不思議な時間になった。「あぁ、これが話したことを実際やる、ということか」「あぁ、これが共に描くということか」と僕はうれしく感じた。
知行合一。自分が言ってることや、頭で考えていることを、ちゃんと実践できてるか。頭でっかちに勉強ばかりしてないで、学んだことを自分の手元でしっかりやれているか? そんな問いかけが生まれる2日間でした。というか、それが出来たときって、本当に気持ちいいんだな、という感じました。
なにより、いわし〜がファシリテーターとしてぐんぐん成長しつづける姿をみせてくださり、沢山学ぶことがありました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。楽しかった〜!
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