滝に打たれてみませんか? 滝行のススメ @淡路島
先日、対話型鑑賞の自主稽古会で東京都現代美術館にいってきました。皆で対話しながら一つの作品にぐんと深く入ってゆくこのプロセスは、とても面白く、僕が最近学んでいるジャンルです。2ヶ月に1回ぐらいのペースで、ファシリテーター仲間と定期的にお稽古会を重ねています。今回はコレクション展にある作品のなかから、ピンと来たものをチョイスして、交替でファシリテーターをつとめました。
作品をたっぷり見る時間をとり、じっくりと味わったたら「どんな感じがする?」「この作品のなかで何が起こっている?」といった問いかけをもとに、お互いが感じたことを話します。とくに立体作品は角度を変え、ぐるぐると見て回れるので、とても面白かったです。同じ作品を見ても、人によって感じ方、見方、見立てや考えることがかなり違う。その違いを対話するプロセスを通じて、より作品を深く味わってゆく、そんな時間はなかなか豊かなものです。
僕の専門は会議のファシリテーションですが、大事な会議の前に皆で美術品をじっくり対話型鑑賞してから話し合うと、かなり面白いことになるとも思っていて、お稽古しています。力をつけ、対話型鑑賞ファシリテーターとしても全国を飛び回りたいです。ただ今、修行中。
滝に打たれ再生する画家
とてもよい作品が多かったのですが、個人的には横尾忠則さんの「滝」という作品が印象的でした。
横尾忠則さんは滝がお好きだそうで、いくつも滝に関する作品を残しています。が、とくにこの作品は作家本人が滝に打たれることで再生する、というもの。創作につかれたり、行き詰まったりしたときに、思い切って滝に打たれてみたのでしょうか。1982年なので今から40年ほど前の作品です。横尾忠則さんが46才、ぼくと同年齢のころの作品ということになります。
滝行って、つらくないですか?
いっしょに対話型鑑賞をしたお仲間から「滝行って、つらくないですか?」とか「冷たくないですか?」と聞かれました。僕の感覚では、つらくもなく、むしろスッキリする感じ。そして、冷たいというより体の芯から温まってくる感覚があります。そう、横尾さんの作品のように体が赤くエネルギーに満ちあふれてくる感じなのです!
なので、仕事に行き詰まったとき、自分が何をしていいのかちょっとわからなくなったとき、なんだか元気がでないときなどは、実は滝行がオススメです。なんというか、色々なものが洗い流されて、次のステップに向かうきっかけが得られやすいんだと思います。
というわけで、滝行はオススメですよ、という記事でした。近場で滝行をやらせてもらえる場所を検索し、皆さんもぜひトライしてください。
僕自身はひょんなことから出会った淡路島の小さな滝で打たれることが多いです。この秋は、以下の日程でやってますので、もしもご興味がありましたらどうぞ、おいで下さい。いっしょに滝に打たれましょう。
■日時 2023年10月22日 (日) 朝10時から16時まで 大きめのスズメバチの巣が発見されたので、10月の会は延期とします。次回日程はまたお知らせします。
■集合・解散
朝7:25に新神戸駅 あるいは 7:40に神戸三宮を出る高速バス 淡路交通バス にお乗り下さい。終点の9:12洲本バスターミナルに着いたらスタッフがお迎えします。夕方、下山後、同ターミナルまでお送りします。自家用車の方は、別途案内する駐車場までご自身でおいで下さい。ともに淡路島の山中に入ります。
■参加費 1万円
■定員 8名
■対象:自力で山を歩ける人であれば男女年齢問わず参加できます
■持ち物:軍手、着替え(滝行希望の方は濡れてもよい姿のご用意を)、タオル、水筒など
行場を整える
僕が案内する滝行では、集合したら、まずは行場のお掃除をしています。「行場を整える」というのは修行を行う上で、とても大切なこと。
お不動さんのお堂をきれいにする。熊手で落ち葉をかきあつめ、箒で参道を掃き清める。ひしゃくを洗い、お供えものをする。灯りを灯し、サカキを供え、祝詞を唱える。そういう過程のなかで、行場とともに、自身の中に整うものがあります。
逆に言うと自分があまり整ってもいないのに、いきなり滝に飛び込んでも、よき滝行にならないと僕は思います。いっしょに行場を整えて、よき時間を過ごしましょう。